The Beatles / Revolver <1966> |
おすすめ度★★★★★ |
||
時期的には日本公演の前後に録音したと思われるが、66年の彼らの最後となってしまったツアーで本作からの演奏される曲はなかった。これは彼らがライヴへの興味と情熱が冷めてきた事を示し、いよいよ彼らはレコーディングアーティストとして一時代を築く事になる。 とは言っても、ポップやロックと言った要素はしっかり腰を添えて備えてる所に彼らの偉大さがあると思う。ここでは、新たにGeorgeの台頭が目立ってきている。アルバムの冒頭に彼の曲が来るのはもちろん初めて。さらにアルバム中に彼の曲が3曲も収録されるのも初めてである。 ここではカッチョ良いRockナンバーの1や初めてのインドソング4、そしてマニアックな12が収録されている。もちろんJohnも相変わらずの楽曲とアイデアを注入。楽曲的にはJohnによるものが断然カッチョ良いのだな。 PaulはYesterday路線の曲が目立つものの他人の曲での見事なアシスト振りが印象的。Ringoも負けじと(ある意味)歴史的名曲の6を吹き込んでいる。 アルバムジャケットはBeatlesがアマチュア時代にハンブルグで知り合ったKlaus Voormannがデザイン。元々美術学校の学生だったが、Beatlesに触発されてミュージシャンとして活躍。 当時はManfred Mannのベーシストとして活躍していたが、70年代にはJohnやGeorgeのレコーディングに参加。ポールが脱退宣言をした時は彼の名が後任として挙がったほどである。 また、Beatlesはこのアルバムと平行してPaperback Writer/Rainというシングルも発表している。Anthology(映像版)で収録されたこのシングルのプロモーションフィルムがまた、すご〜くカッコイイのですね、これが。
〜特にお気に入りな曲達〜 オープニングのTaxmanは前述の通り、Georgeの作品。渋いカウントから入るRockナンバーだ。Paulによるベースラインから印象的なコーラス、そして歪んだギターサウンドとカッチョ良いの一言だ。 I'm Only SleepingはJohnによる気だるいナンバーだ。テープの逆回転の音なんかも隠し味的に使われているが、ココでは独特の粘り気のある歌い回しが魅力だ。この頃のPaulのハモリの声が大好きなのは僕だけかなぁ? Georgeによるインドソングの後に、ホッとするHere, There And Everywhereはとても奇麗な曲だ。メロディメイカーとしてのPaulの独壇場と言ったところか。シンプルなバックで歌うPaulの瑞々しい声に浸れる。 JohnによるRockナンバーShe Said, She Saidも最高。この頃のBeatlesの曲に「Rock」を感じるのは多分にPaulのベースにあると思う。この曲においてもPaulのベースが唸ってて最高にカッチョ良い。さらにユニゾンで響くギターからチープなキーボードの音まで、最高です。 でも、初めて聴いた時からアルバム中最も気に入ってるのはAnd Your Bird Can Singだ。これにも上記の事はしっかりとハマる、最高のRockナンバー。Anthologyにはマリファナでいっちゃってる二人の変なテイクが入っていた。不思議とあっちも好きなんだなぁ。楽しそうなんだもん。 PaulのYesterday路線ではFor No Oneがお気に入り。彼自身が弾いてるというピアノも良い感じだ。彼の好みとセンスの極み。 さて I Want To Tell YouはGeorgeの作品だが、この曲をカッコ良くしているのは明らかにPaulだ。その独特の粘っこいハモリが鳥肌モン。だから、彼が当然のごとくいなかったGeorgeの91年のライヴ盤のオープニングにはしっくり来なかったなぁ。 PaulによるブラスロックといったGot To Get You Into My Lifeも最高の出来。彼のRockヴォーカルに聴き惚れる。そしてTomorrow Never Knows。ワンコードで進行していくサイケデリックナンバーだ。東洋宗教の祈りを思わす妙な音作りが斬新だ。でも、最初聴いた時の印象は当然「何じゃ?こりゃ??」っでした。
|
|
(1999.12.12再更新)
順路はこちら
Beatles「Beatles(White Album)」へ