White Out / Bite It <1995> |
おすすめ度★★★☆ |
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我が国でブリットポップなんて言葉が認識され始めた頃、日本だけでいきなりブレイクしてしまったイギリスの新人グループが登場した。彼らの名はWhite Out。 ジャケのカッチョ悪さとは裏腹にその内容の充実さは目を見張るものがあり、個人的には本作を90年代最高のUKポップアルバムの一つとして自信を持って推薦したい。 メンバーはPaul Carroll(b)、Eric Lindsay(g)、Andrew Jones(vo)、Stuart Smith(dr)というグラスゴー出身の4人組。 思いっきり60's UKポップを意識したかの様な音作りが妙に気持ち良く、ロックナンバーからアコースティックな曲調のもの、そしてミディアムテンポでアーシーなナンバーまでその内容の多彩さはなかなかのモノ。 特にアコースティックナンバーの味わい深さやアーシーなナンバーのユニークさは出色で、アルバムの途中に挟まれたその曲達のバランスは最高。 誰の助けを借りたのかは定かでは無いが新人バンドのデビューアルバムとしては非常に完成されており、その後のUKシーンを見てもこれほど優れたポップアルバムは存在していないだろう。 こりゃ、すっげぃ奴等が出てきたぜ!っという九州からの熱い期待も空しく、その後の彼らの音は次第に届かなくなっていく。そうこうしている内に「Bluetones」なる同じような音を出す奴等もブレイクしたりして...あら? 思うに、今のUKシーンって結構キャラクターで売れてる所、ありだと思う。(ま、UKだけじゃないけどね)そう考えると、んー、確かに若いリスナーに売るには、ちっとインパクトが足りないかな?って思う。 ま、ともあれ、このアルバムが今や必ず中古CD屋の安売りコーナーにブチ込まれてるのは事実で、とても過小評価されているのも事実。いいアルバムですよ、ホントに。いつ聴いてもそう思います。
〜特にお気に入りな曲達〜 アルバム冒頭を飾るロックナンバー2曲は、それなりにイイ曲だ。っが、まぁUKシーンならそんなに珍しいアレンジでも無く、彼らの魅力はこんな曲じゃない。これならOasisやBlurでもできる。 彼らのセンスが出てくるのはWe Should Stick Togetherから。アコギのカッティングをバックに歌い出すAndrewのパンチの無いヴォーカルが響き、Eric(勘違いしそうな名前..)のポップなフレーズが絡んでくる展開は素晴らしいの一言。 そしてJackie's Racing。どカントリーなバッキングから入りながら、全くカントリーフィーリングを感じさせないUKアレンジには彼らのセンスが詰まっている。もしかしたらヴォーカルのAndrew君が単調なだけかも知れないけど、結果オーライの聴き所の1つだ。 No More Tearsは、またしてもアコギの響きがどこまでも美しいナンバー。ココでもアコギからヴォーカル、コーラス、エレキという展開力が見事。ケツの青いFacesって感じでしょうか? ブギースタイルのAltogetherのユニークさは出色だ。70'sグラムロックの様なノリに後期Beatlesあたりのユニークなコーラスをミックスした感じの若さ爆発ナンバー。こういう曲をカマせる奴等はいなかったハズ。サポートとしての女性コーラスも良い味を出している。 U Drag MeはEricのギターリフを中心に展開していく、これまた珍しいスタイルのロックナンバー。ヘビーなリズムをバックに、ココぞとばかりに暴れるEricがなかなかイイ。彼らにしては珍しく凝った感じのアレンジだ。 アルバムラストはストリングを配したUntitledだ。大体こんなに若い奴等のデビューアルバムにストリングまで用意するなんて....結構期待されてたのかなぁっと思ってみたりする。意外とハマってますよ。 さてさて、ロックナンバーは大した事無いっと書いてますがボーナストラックのDetroitは別格。アルバムでも起用されていた女性コーラスや60'sっぽい手拍子が何だか楽し気な雰囲気を良く出している。 こういう曲を冗談っぽくできる余裕があれば最高だけど、肩に力が入ってる。若いから仕方ないか....とは言っても、間違いなく彼らの傑作ナンバーの1つだ。
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1 . Thirty Eight 〜Bonus Tracks〜
応援してたんだけどね.. |
(2000.2.6 再更新)
〜驚きの2edアルバム!〜
White Out / Big Wow
消えてたかと思ってたらイキナリ登場しました!彼らの2edアルバム。
ジャケのカッチョ悪さは相変わらずですが、メンバーは交代。
Stuart Smith(dr)とAndrew Jones(vo)が脱退して
キーボード奏者とドラマーを加えてるみたい。
ヴォーカルはギターのみだったEric Lindsayが担当しているようだ。
彼はセンスの良いフレーズやリフを作っていたので、
ギターだけに専念させてやりたかったようで残念。
また、Andrewのヴォーカルも確かに単調だったが、
それがまたKeith Relfeみたいで可愛かったのになぁっと、これまた残念。
ま、ともあれ、無事に帰ってきた彼らにまずは感謝。んで、内容ですが
こいつが相変わらず若さが無い!渋いアルバムです。良い趣味してる。
もはやUKバンドとは思えない程、アーシーな音を出しています。
アメリカのバンドみたいですね。
特にHeaven SentあたりのニューオリンズサウンドやSelling
Upの
カントリーロックな味わいは流石!っと言いたくなる。
新メンバーのキーボードも70's Kinksあたりの通じる。
インディーズレーベルに移籍した為か、1stの様な完成度は望めないが
足元をしっかり見つめて、彼らは彼らの好きな音楽を奏でていたのである。
今後も期待が高まる....がんばれ。
順路はこちら(工事中)
Oasis / Morning Glory?へ
〜White Outが影響を受けたと思われるアルバム〜
(勝手に選出!)
The Kinks / Muswell Hillbillies
ギターフレーズ、2edのキーボード振りは明らかに70’s
Kinksを臭わす
Small Faces / Small Faces
この頃のModsビートって永遠の憧れですよね、多分。
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