Boby Charles / Boby Charles <1972>

おすすめ度★★★★


ルイジアナ出身のブルースシンガーソングライターだったCharlesが、長い旅路の末に辿り着いたWoodstockで吹き込んだソロアルバム。

旧友のBen Keithとの再会が直接的なレコーディングのきっかけだったようだが、彼が何故Woodstockに身を置いたかはハッキリした所が不明のようだ。

しかし南部、ニューオリンズ調の音楽を体現していたCharlesと過去の音楽を正面から受け止め、それの再構築を図っていたThe Bandを始めとするWoodstock在住のミュージシャンとの出会いは、まさに神様からの贈り物、素晴らしき瞬間で合ったことは本作に耳を傾けさえすれば明らか。

Robbie Robertsonを覗くThe Bandのメンバーを始めAmos GarrettGeoff Muldaur、Ben Keithが参加しプロデュースをCharles自身の他Rick Danko、John Simonが協力した本作の味わいはWoodstockが産んだRock界の名作のひとつに必ず数えられるであろう名盤である。

特にココで活躍が目立つのはLevonとDankoによるリズム隊で、ミディアムテンポな曲であろうともスローな曲であろうとも終始ファンキーに響くそのテクニックには圧倒。

「早くてノリが良けりゃファンキー」なんていう僕らの安易な定義を吹き飛ばすその演奏振りは見事の一言だ。

更にAmos Garrettのギターは輝き続け、Garthのキーボードが楽曲に絶妙にポップなエキスを注入する。そしてCharlesがどこか悲しげなメロディラインに乗って力みのない見事なヴォーカルを披露。

いや、こんなアルバムをじっくり聴ける休日って幸せです。

このアルバム発表後もCharlesはThe Bandとの交流を深め、彼らのLiveアルバムであるRock Of Agesのホーン隊のアレンジを任されたり、解散コンサートになったLast Waltzの手伝いに駆り出たりとWoodstock周辺でツボをついた活動を続けている。

 

〜特にお気に入りな曲達〜
(って、ほとんど全部だったりして... ^^;)

まずは名演Street Peopleでアルバムはスタート。いきなりのこのLevonのドラムに鳥肌モンである。彼の手数の多いファンキードラムに乗って次々に絡み出す楽器の数々には圧巻の一言!激しいアコギにも注目だ。

そしてそんなこと全く意に介してないように響く間抜けなCharlesのヴォーカルがまた素晴らしくマッチしてるところが不思議。あぁ最高...

続くはLong FaceはGarth Hudsonのポップなキーボードが印象的。Levonが奏でる軽快かつ重心の低いリズムに乗ってCharlesのヴォーカルと共に終始ポップに響く。

I Must Be In A Good Place Nowは、Garthのピアノとそれに絡むAmosの輝くギターの音色が最大の聴き所。派手なソロこそ無いものの所々で聴かれるAmosの音色は素晴らしく、歌詞の美しさと相まって楽曲の味わいを最大限に引き出している。素晴らしい。

権力や出世といった都会での生活に嫌気をぶつけるSave Me JesusはAmosのギターに乗ってテンポ良く展開されるファンキーなR&R。憧れます、こういう世界。

独特のノリで展開されるHe's Got All The Whiskeyも聴き所のひとつ。アコギにドラム、そしてベースのみで進行し、ホーン隊が絡むファンキーなアレンジは最高の境地。Amos GarrettGeoff Muldaurも参加したBetter DaysもLiveで取り上げていた。

そして名曲Small Town TalkはCharlesとRick Dankoの共作ナンバー。田舎町の美しさだけでなく、こういった田舎町のウザったさも歌う彼に親近感で一杯である。

共作者のひとりであるDanko自身もソロでセルフカヴァーし、Better Days在籍時のGeoff Muldaurの名唱でも知られるWoodstock系ミュージシャンの伝承歌だ。

Ben Keithのさり気ないスティールギターが美しいLet Yourself Goも素晴らしきナンバー。力の抜けたCharlesのヴォーカルとAmosのエフェクトの効いたギターの音色がたまらない味わいを運んでくる。

I'm That Wayは本作には珍しいアップテンポナンバー。軽快に転がるピアノにのってドブロやリズム隊も駆け抜ける。イイ具合に力の入ったCharlesのヴォーカルも好印象だ。

ラストのTennessee BluesはイントロからAmosの奏でる美しい音色に心を奪われる。優しいCharlesのヴォーカルをサポートするアコーディオンも素晴らしい響き....心に残るラストナンバーだ。

さてボーナストラックの方ですがSmall Town TalkはJohn Simonによるピアノとトロンボーンがオーバーダブされたシングルバージョン、Homemade Songsが本作製作過程でのアウトテイクのようです。

後者の方は流石の仕上がりで未聴の方はチェックした方がイイかもって感じですが、本作に関しては楽曲どうのこうのというよりアルバム全体の雰囲気で好きなので、あまり楽曲重視で追いかける必要性はないのかなっていうのが個人的な見解。

オリジナルの楽曲をゆっくり堪能する。これでOKのような気がします。


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1 . Street People
2 . Long Face
3 . I Must Be In A      
        Good Place Now
4 . Save Me Jesus
5 . He's Got All      
              The Whiskey
6 . Small Town Talk
7 . Let Yourself Go
8 . Grow Too Old
9 . I'm That Way
10 . Tennessee Blues

〜Bonus Tracks〜
11 . Small Town Talk
12 . Homemade Songs

 

 

 

 

 

 

 

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森に囲まれて
スイカをガブっと頬ばる..
憧れの生活ですねぇ〜!

(2001.1.7 更新)

 

 

 

 

 

順路はこちら
(未定)

 

 

 

 

〜関連アーティスト / アルバムへのリンク〜

The Band / Stage Fright
Charlesに出会う直前に彼らが製作した3rdアルバム

Fright1.gif (17365 バイト)

 

 

 

Better Days / Better Days
AmosとGeoffが参加したスーパーバンドの1st

Better1.gif (22095 バイト)