It's
Too Late
Carole
King
Tapestry(1971)
I
Feel The Earth Move
So Far Away
It's Too Late
Home Again
Beautiful
Way Over Yonder
You've Got A Friend
Where You Lead
Will You Love Me Tomorrow ?
Smackwater Jack
Tapestry
(You Make Me Feel Like) A Natural Woman
1971年に発表され、グラミー賞ベスト・アルバム賞に選ばれた “Tapestry”『つづれおり』はポップ・ミュージックの歴史において最も成功したアルバムと言われており、70年代アルバム・チャートでは第3位にランクされています。また、グラミー賞では「アルバム・オブ・ジ・イヤー」を含む主要4部門を受賞しました。この作品には全米ナンバーワン・シングルとなった「イッツ・トゥー・レイト」や、アレサ・フランクリンが歌った「ナチュラル・ウーマン(原題:(You Make Me Feel Like) A Natural Woman)」前述のシレルズの「ウィル・ユー・ラヴ・ミー・トゥモロウ?」など、キャロル・キングがほかのアーティストに提供して大ヒットした、誰もが知っているであろう名曲がたくさん収録されていますが、「君の友だち(原題:You've Got A Friend)」もその中の一つです。キャロルが受賞したグラミー賞4部門の内の一つ“ソング・オブ・ジ・イヤー”はこの曲へ贈られました。
アルバムにはギタリストとしてジェームス・テイラーが参加していますが、彼が歌ったヴァーションは全米シングル・チャートの1位を獲得、そしてジェームス・テイラーもこの曲でグラミー賞を受賞しています。98年には“ディーヴァズ・ライヴ”と銘打ったチャリティ・コンサートで、シャナイア・トゥウェイン、セリーヌ・ディオン、グロリア・エステファンという錚々たるシンガーと キャロル・キングによって共演されました。キャロルはこの歌の中で大切な友だちに対して、落ち込んでいる時や傷ついた時にも友達である私がいる、と励ましています。かけがえのない親友を持つ人なら必ずや共感し得る歌詞と、彼女独特のぬくもりのある声で語り掛けるように歌われるこの歌に、癒された人も多いでしょう。
このアルバムと言えば、やはり有名なのが「It's Too Late」と「You've Got A Friend」という二大名曲でしょう。前者はシングル・カットされて大ヒットしましたし、後者はジェイムズ・テイラーもレコーディングしており、彼のヴァージョンが全米第1位に輝いています。
「It's Too Late」は恋愛の終わりを描いた曲ですが、メソメソするのではなく、終わりを潔く受け止め、自分から別れを切り出す主人公の女性の姿が印象的です。恋愛というポップスの従来のテーマを扱いながらも、この曲がシンガー・ソングライター自体の代表曲のひとつとして認識されるのは、この主人公の“個として生きる姿勢”というものがあるからでしょう。ラルフ・シュケットの端正なエレクトリック・ピアノによって、とても洗練されたサウンドになっていることにも要注目です。
「You've Got A Friend」は、ジェイムズ・テイラーのヴァージョンでは彼とダニー・コーチマーによるアコースティック・ギターの絡みを中心としたサウンドでしたが、ここではキャロルのピアノにジェイムズのアコースティック・ギターが絡むという構成で、コーチマーはコンガを叩いています。途中からストリングス・カルテットが入ってきますが、その中にヴィオラ奏者として参加しているのが、後にストリングス・アレンジャーとして有名になるデヴィッド・キャンベルです。
●キャロル・キング(Carole King) ● 1942年2月9日、ニューヨーク州ブルックリンに、クライン家の娘として生まれました。幼少の頃から優れたピアノの腕前を発揮していた彼女は、ティーンエイジャーの頃には、すでに多数のオリジナル曲を持っていました。クイーン大学で後に音楽的なパートナー、そして夫となるジェリー・ゴフィンと出会ったことで、彼女のメロディは素晴らしい歌詞を得ることになりました。ゴフィンと共にソングライター・チームとしての 契約を得た二人は、シレルズに提供した「ウィル・ユー・ラヴ・ミー・トゥモロウ?(原題:Will You Still Love Me Tomorrow?)」の全米ナンバーワン・ヒットを皮切りに、リトル・エヴァ、ボビー・ヴィー、エヴァリー・ブラザーズ、ドリフターズ、ライチャス・ブラザーズなどに曲を提供し、いずれもヒットとなりました。また、バーズやモンキーズといったロック・グループにも彼らは曲を提供しました。
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