盤面への印刷

CD-R盤には様々な種類があり、印刷方式も多種多様にあります。→参照
盤面への印刷については、印刷領域が円形であること、盤の地の色、リブ部のプラスチックの色・質感等の要因から、画面や紙への出力と全然違う印刷結果になることがよくあります。
汚損・退色にもっとも強いのはメーカーロゴ入り盤、ないし無地の盤です。現実にもっとも普及しているのは白のインクジェット--プリンタブル盤ですが、市販はしないまでも、代価を求めることが考えられるなら無地盤にシルク印刷を施すのが最善の方法だと考えます。

プリンタブル盤への印刷
盤面デザイン上のポイント
シルク印刷の場合
●プレス工場に渡す印刷データを作る場合(作成中)
●イラストレーターを使える方のためのデザインテンプレート→ダウンロード
●PDFを読み込めるソフトをお持ちの方のためのデザインテンプレート→ダウンロード


●プリンタブル盤への印刷

*初期的な注意 採用する盤の状態を確かめる
プリンタブル盤は、プリンタブル加工されている領域によって内径23ミリから印刷可能なもの、43ミリから可能なものなどまちまちです。デザインにもよりますが、盤面上では、印刷が1mmズレても不良品ぽい出来上がりになってしまうこともあります。まず、使う盤を決め、盤の現物を参照しながらデザインしないと、無駄な時間・手数をかける結果になりやすいです。

一般的な内径43mmの印刷領域

フラット盤内径23mmの印刷領域

↑いわゆる「ホワイトプリンタブル」タイプのCD-Rです。印刷可能域は実測で内径41mm~116mmでした。

↑こちらはフラット盤、印刷領域実測32mm~116mm

* プリンタブルタイプの下地の色は白が多いですが、シルバー、ゴールド、パールホワイト、パステル色のついたものもあります。フルカラーで写真が美しく印刷出来る、ことを謳っていますが、日本は高温多湿ということもあり、製造時の色合いが維持出来るか疑わしいので、なるべく原色100%で、字やロゴ等の2階調で印刷するのがよいと思います。インクは顔料系のものが退色しにくいと言われています。
*盤面デザインの専用ソフトを使うと、円弧上に文字を配置できたり、種々の盤面上の演出が可能です。
*用意している盤の印刷可能領域を「正しく」画面に配置した上でデザインしないと、イメージ通りにできません。
*内径43mmでデザインしたものを内径23mmのフラット盤に印刷するとマヌケな感じになります。


●盤面デザイン上のポイント
盤への印刷の場合、そもそも盤が円形であるために、盤に対する印刷のズレが非常に目立ちやすい特徴があります。特に以下のような、印刷領域ぎりぎりまで使った大きな円形、ないし塗りつぶしは極めてシビアです。

図例1・印刷領域を最大に使った円が、ズレて印刷された場合


図例2・上図と同じズレ寸法で、円をやや小さくした場合

図を見て判る通り、印刷する円が小さく、外周との間隔がとれれば、同じ寸法のズレでもズレは目立ちにくくなります。したがって以下のようなデザインは、相当に高度な印刷精度を要求します。結局のところ印刷の不出来なものを作りやすいということになります。

しかるに、印刷ズレを目立ちにくくするには(カッコいいかは別として)外周・内周に沿うような文字群、線、塗りつぶしを避け、また必要なオブジェクトをセンターラインからはずしたレイアウトにするのが効果的です。

*なおプリンタブル盤の場合、写真のような微妙な中間調表現は長期に保存したいもの、不特定多数の人の手に触れる可能性のあるCDの製作では避けた方が無難です。
*盤面のお約束としてディスクロゴを(下↓)をいれます。
左=オーディオCD、右=データCD
*データCDの場合は「このディスクはCD-ROMですCDプレーヤーにはかけないでください」の意の表記をします。実際、尋常ではない爆音を再生?する場合があります。
*デザイン上の意図で印刷する場合を除き、印刷前に必ず外周・内周の枠を消去(非表示に)します。


●盤面へのシール貼付けについて
CD-Rメーカーは例外なく、あらゆる貼りものを禁止事項としておりますが、現実的には貼付け当初は問題ないことも多いため、よく使われます。どんな盤にも貼付けられて便利です。Maxellなどは(実質は別会社でしょうけど)貼付け禁止のCD-Rも作るしCD-Rラベル作成キット(商品名「CDストンパー」)も売るという、柔軟なことをしております。注意文をよく読み、カーステレオでかけられる可能性のある盤には採用しないなど、限られた範囲で使うことが大切です。

●シルク印刷の場合

デザイン上の注意については上記プリンタブル盤に準じますが、シルク印刷特有の注意項目について述べます。

*シルク印刷は、より実理に即していうとスクリーン・プロセス・プリンティングといって、分類としては孔版印刷の一種になります。(一定年齢以上の方ならご存知と思いますが)謄写版印刷がまさにそれです。インクを「こねて」→「刷る」工程であることから、プレス工場では機械化されていますが、手作業で行うことが可能です。市販のセット製品ではプリントゴッコシリーズ(理想科学)やTシャツくんシリーズ(太陽精機ホリゾン事業部)があります。
*シルク印刷では、一度に刷れる色は基本的に1色で、1色ごとに専用のスクリーンが必要になります。
*インクが乗るか乗らないか、の2階調の表現になります。中間調はドットの大きさ・密度で表現されるため、写真などは粗い印象になります
*概してシンプルなデザインの方が品位の高い仕上がりになります。
*当ホームページのCD工房にいろいろな印刷例が展示されています。


●CD製作請け負い業者=プレス工場に渡す印刷データを作る場合

CD製作請け負い業者さんで、単価の非常に安いプレスサービスを打ち出しているのがありますが、それらは例外なく完全マスターディスク、「完全データ入稿」あるいは「フィルム入稿」を条件としています。詳しいことは各々の業者さんのサイトで説明されていますので、ここで説明することもありませんが、要は完全なデータやフィルムを作るには、その業界で標準的に使われているイラストレーター、フォトショップなどのソフトが必要であり、当然それなりのスキル(=自分でできなければ専門家にたのまなければならない〜事前のコスト)がいることになります。

*ちなみに、〜
プレス工場では主に1〜3色程度のシルク印刷、ないしオフセット印刷(フルカラー)で盤面を印刷します。
CD製作請け負い業者さんは、各々契約の工場の印刷機械に合わせた専用のテンプレートを用意しています。
シルク印刷では色の数だけ,各色用の製版用フイルム(膜上ポジ)が必要になります。
オフセット印刷では基本的にYCMKの4色でフルカラーを印刷します。よって最低4枚のフィルム(4色分版)が必要になります。
★当K-recは手作業のため、シルク印刷用であればどの業者さんで扱っているデザインテンプレート=データ(Illustlator形式)からでも印刷できます。

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