ヒットするしないの分岐点となる要因はすべて楽曲にある。それに宣伝プロモートが確立していれば、きっと道は見えてくる。
売れたから良い楽曲という考え方は、所詮目先のことにすぎない。
先ずは楽曲ありきでことを進めて欲しいものである。昔ならB面にも採用されないような曲はもう聞き飽きた感があるのは、私だけだろうか。
その点、今回偶然にも同一レーベルから2人の歌手をご推薦することになったが、私なりに敷衍すれば、
ルナ・ケンゾーの夜風とやさしさを忘れずに、 愛河美沙が歌っている漁里ケ浜唄となみだの黄昏、
どこをどうとってみてもすばらしい作品である。このコラムではレコード大賞などのように表彰する機能は備えていないが、即座にしかも素直にこれらの楽曲をリリースしてくれたレーベルに”ありがとう”という言葉を伝えたいと重ねて思う次第である。楽曲の見極めは直感でしかない。最初に聴いて”この曲はいい。これはイケる”と思った瞬間がそれである。そのことを肝に命じておく必要が私も含めて視聴者共々あると思う。
最後に、演歌・歌謡曲と一口にいっても、その中にはいろんな色合いの楽曲が無数にある。好きという感覚が多様化している今日、押し付けがましいことはいえないが、それでも上記に挙げた楽曲が日の目をみないということは、低迷という二文字から抜け出せないという見本のようではあるまいかと、あらためて思う次第である。 (編集部)
メディアコラムより抜粋(2005.7.)
心が乱れます、夜風のいたずらがあのときのあなたのようで・・ 女心を表現するにあまりある曲である。旋律の良さを十分に取り込み巧みに表現しているアーティスト(ルナ・ケンゾー)に注目したい。カップリングのやさしさを忘れずには、バラード調。究めてハイグレードなシングルと云えよう。 評論家 三森
和夫氏談
CDジャーナル試聴記 ■漁里ケ浜唄・なみだの黄昏■
-雑誌『CDジャーナル』執筆者による試聴コメント-
シベリア風が吹く北の海の女漁師の心意気をうたっていると、2番の歌詞で気づきギョッとする「漁里ヶ浜唄」はハスキー・ヴォイスによる演歌だ。一転してムード歌謡タッチの「なみだの黄昏」にまで、北のイメージが残り、札幌のネオン街かと思わせる。