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その10・ベトナムの車窓から 【TEXT TOP】
〜GoodMorning,Vietnam!

ベトナム滞在5日目。
この日、我々は慣れ親しんだホーチミンシティを後にしリゾート地として知られるニャチャンに移動することとなっていた。

旅の移動手段といえばもちろん電車、
否、列車である。
「世界の車窓から」に憧れる我々は迷うことなく夜行列車のチケットを購入した。

しかしそれは大きな間違いだった・・・

何と駅についた我々の目前に到着したのは、いとやんごとなき妖怪列車(墓場の鬼太郎参照)。
「ぬらりひょん」がのっているであろうことは疑う余地もなかった。

しかも、何を思ったのか最低ランクの席を購入してしまったため
その車両には椅子などは存在せず
極めて狭いスペースに、ゴザがぶっきらぼうに敷いてあるだけであった。
もちろん車内はうごめく人並みの体臭でいっぱいである。

「世界の車窓から」ぶろうと思っても、そもそも車窓がない。

この事態にはさすがのハヤブサ先輩も動転したらしく
「I WANT OPPAI!」
と言って聞かなかった。

そんなドナドナ・ティックな列車に揺れること数時間、更なる悲劇が訪れた。

我々がゴザの上で瞑想にふけっていた、まさにその時
不意に黒い影が猛スピードで迫ってきたのだ!

−ゴキブリだ!!

息をのむ男たち。

ゴキブリとは、祖国日本においてもっとも恐れられる節足動物である。
そのゴキブリがあろうことか列車内を徘徊しているのである。それも多数。

俺は恐れおののいた。
ゴキブリ退治など女子の前以外ではしたくない。
しかもベトナミーズ・ゴキブリはジャパニーズ・チャバネゴキブリより一回りサイズが大きく、いわばGブリであったため我々の勝算は極めて薄かった。

そこで我々に残された術はGブリを刺激しないよう身を固めニャチャンに到着するのを、ただひたすら待つことのみであった。

Gブリ登場から10時間。ゴザの上に身を固めること11時間。
妖怪列車はようやくニャチャンに到着した。


希望に燃える旅立ち                          しかし収容

続く

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