キャバクラ IN ホーチミン。それは狂乱の夜。
フン(巨乳)とヌン(貧乳)を両手に従えたハヤブサ氏はたいそうご満悦な様子であった。
よく見ると彼の口元にはチョビヒゲがはえており、チャイニーズ・マフィアを彷彿させる。
さらに酔っ払って絶好調になってきた彼は、
「すげえ、おっぱいだぜ!!わっはっは!!!」
という、ここ日本において学生ふぜいの口からはまず聞くことの出来ない刺激的なフレーズを乱発し始めた。
こうなるともう誰にも彼は止められない。
突然立ち上がりキャバ嬢達の手を引き上げたかと思うと、なんと彼は社交ダンスを躍りだしてしまった!
さらになにやら「ヘイ!!ヘイ!!」なる掛け声をとどろかせている。
そして純粋無垢な私が戸惑いながらそれを静観し眺めていると、どうやら彼は気を悪くしたらしく
「お前も踊れ、バカ!」
と、言い放ち私をシャルウィーダンスの世界にいざなおうと試みた。
もちろん彼は空手部出身であり、サモハンキンポーに心酔している。
ここで、彼の申し出を断っては血を見ることは請け合いである。
そこで私もヌン(貧乳)と社交ダンスを躍る破目になった。
このころになるとハヤブサ氏の横暴は頂点を極め、なにやら手拍子をしながらくるくる回転をし始めた。
悪いことに「はいっ!!はいっ!!」
という奇怪な掛け声まで上げている。
そして踊りつかれたハヤブサ氏はやがて席に戻り、フンの肩に手を回しながらこういった。
「いやあ、これだけのおっぱいはいないよ、お前!!」
・・・もはやこの男、変態である!そしてキャバクラなれしている!!
そしてこの狂乱の夜は更けていきハヤブサ先輩も最高の満足を得たこともあり我々はマスターにお勘定をしてもらおうとした。
その時である!!
何とフンがハヤブサ氏に小遣いをねだりだしたのだ!
しかも日本円にして5000YENという破格の要求である。
これがキャバクラの常なのだろう。
しかし空手部出身の彼がこんな要求をのむはずがなかった。
「ふざけんな、このアバズレ!!」
と日本語で一喝し、何と彼は断固拒否の姿勢を示したのだ!
するとフンは
「WHY NOT??」
という稚拙な英語を乱発し引きつった表情で取り乱し始めた。
さらに何やら
「いっしょに踊ったじゃないの!!さんざん触ったじゃないの!!」
みたいなことを言っているようだ。まるで痴話喧嘩である。
しかしもう完全に立腹しきったハヤブサ氏は全く聞く耳をもたず
「まったく何考えてんだ、このアバズレ!」「サノバビッチ!!」
なる暴言を乱発しながら威風堂々とした態度でこの店を後にした。
店を出てホテルに着いた時にはもう時計の針は3時を示していた。
そしてすっかりホーチミンのアル・カポネと化したハヤブサ先輩は
「いやあやっぱり巨乳はいいよなあ」
としみじみつぶやきながら眠りについたのだった・・・・・
続く