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その4・永遠のフォウ 【TEXT TOP】
〜GoodMorning,Vietnam!

ベトナム滞在3日目、俺達は恐怖とともにロビーへ向かった。

そう、今日はあの戦慄のオカマガイド・ギャンとメコン川の観光をするという、考えるのもおぞましいプランが組み込まれている日なのだ!
ロビーに着くと、奴はいた。
俺たちに朝食をとる暇さえ与えない気である。
俺達は軽く会釈を交わし、仕方無しに彼の車に向かった。
そして俺達はオカマの車に軟禁された。

親日家であるはずの彼の車中では、何故かアラニス・モリセットのテープがかけられていた。
そして開口一番、彼は我々に驚愕の事実をカミング・アウトした!

「実は恋人が、日本にいるの」

俺達はその衝撃の告白に畏怖した。

−まさかパートナーがいようとは!しかも我らが母国に!
「日本が危ない!!」
突如、愛国心が沸いてきた我々は本気でギャン打倒を企てようとした!

ところがである!
ふいに我々が腹をすかしていることを見越したギャンの口から、そんなもくろみを打ち砕く冷徹なセリフが発せられたのだ!

「飯、食べるか?」

・・・・何といきなりタメ口である!プロ・ガイドなのに・・・!

いや、冷静になって考えるとむしろそれは我々を捕虜と同視していることの現れであるとも言える。
ある意味それは戦後の日本において米兵が子供たちにチョコレートを振る舞い、米国への服従を刷り込ませたやり口と同様のものだ。
しかし空腹には勝てぬもの。朝飯を抜いていて腹ペコの我々は、抵抗も出来ず彼に従わざるを得なかった。

「ギブ・ミー・ア・チョコレイト!」

彼は「よろしい」といった表情で我々を下ろし、ベトナムのラーメンことフォウの有名店に向った。
フォウといえば我が国・日本においてもヘルシー料理として女性に大人気の一品である。
当然我々も大いに期待して本場のフォウの配給を待った。
しかし!
ここで我々は衝撃の事実を目の当たりにすることとなる!

「シャンツァイ乗せすぎ・・・」

シャンツァイとはカメムシの味がすることで有名な謎の葉っぱのことである。
そのカメムシことシャンツァイがこともあろうに二郎の野菜ばりに大量に乗せられていたのだ!
この時ハヤブサ先輩は
「ゲエーーーッ!」
とキン肉マンばりの悲鳴をあげたと伝えられている。

しかし、この葉っぱを残してはギャンに何をされるかわかったものではない。
俺達は必死に、まるでパンダのごとくこのシャンツァイを食い漁った。

すると、ギャンはうれしそうにこういった。
「おいしいでしょ?おかわり、あるわよーん」
ここへ来て、いよいよオカマ節全開である!我々の敗色は濃厚だ。
我々は無抵抗のまま、このカメムシラーメンを完食し再びギャンの車に軟禁された。
そして、目的地であるメコン川にたどり着くまでの一時間弱、俺達はオカマ節全開のギャンと
腹にもたれてどうしようもないカメムシの後遺症にさいなまれ続けるのである。
しかし、これはまだ恐怖に満ちたメコン川観光の始まりにすぎなかったのである・・・


鬼の形相でフォウを食らう俺          神に感謝も忘れない

続く

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