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その1・戦慄のギャン 【TEXT TOP】
〜GoodMorning,Vietnam!

かくして二人のパズーはベトナムは南部、喧騒の都・ホーチミンに降り立った。
時刻は現地の時間で6時を回っており、辺りはすっかり暗くなっていた。
そしてまるで健康センターのごとく寂れた空港の出口において俺達は一人の男と衝撃的な出会いを果たすこととなる。

その男の名はギャン。今回のツアーの担当ガイドである。言うまでもなくベトナム人だ。
彼は「KOTAKE・HAYABUSA(仮名)」と下手なローマ字で記されたプラカードを頭上に掲げ、空港出口で堂々と我々を待ち構えていた。
そして我々を発見するなりこう言い放った!
「コ・テイク!?」
俺達はわけもなく感激し、彼と熱いシェークハンドをした。そしてまたもやこう思った。
「グッドモーニング・ベトナム!(経済大国ニッポン!)」

そして俺達は簡単な自己紹介を済ませた後、彼の車でホーチミン滞在中の本拠となるホテルに向かうこととなった。
事件はその道中に起こった!

異国にたどり着き超ハイテンションの俺達はこのギャンに数々のいかにも日本人然とした質問を投げかけていた。
「ベトナム語でおはようって何て言うんですか?」「今、ベトナムは暑いんですか?」
こんな「地球の歩き方」でも見て勝手に調べやがれ!と思わず突っ込みを入れたくなるような質問にも彼は親切に、そして流暢な日本語で答えてくれていた。
「シンチャオといいます」「乾期だから毎日とても暑いです」と。
俺達はそんな、いかにも親日家風なギャンの対応に非常に好感を抱いていた。

−ところがである!!
悪夢は不意に訪れた!
あれはそう、俺たちが「ベトナム料理っておいしそうですよね?」という、これもまたベタベタな質問を投げかけたときである!
彼の口から突然、純朴な二人の精神を粉々に打ち砕く恐怖の回答が浴びせかけられたのだ!!

−「おいしいわよーん!」

我々は耳を疑った!そして顔を見合わせた。
事実は小説より奇なり!
彼はなんと、オカマだったのである(推定)!!
すなわちそれは初めて知り合ったベトナム人がオカマであったことを意味する!
ある意味、それは恥を忍んでモーニング娘のカードを買ったところ、いきなり安田圭を引き当てた時と同等の衝撃だ!
もしくは「UFOキャッチャーでSPEEDのポスターをゲットしたものの、開いてみたら仁絵だった」という悲劇すら思い出させるものだ!

何にせよ、親日家と思われた彼はオカマだったのだ!!
これはまさにヘブントゥナイトである。

そしてこのとき俺達は残り10日間もオカマの世話にならなければいけないという恐怖に身震いした。
さらによく見ると彼の車はフォードである!もはや親日家であるかどうかすら怪しい。
そんなこんなで、喧騒の町ホーチミン最初の夜は更けていった。
二人のパズーはギャンの衝撃とベトナム料理のあまりのまずさに戸惑いを覚えながらも、
父さんの残した熱い思い、そして母さんのくれたあの眼差しを携え、ライフワークたる筋トレをしてから床に着いた。


ホーチミン到着。エルビスプレスリーのTシャツで夜の街を徘徊中。

続く

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