へヴンさんのNHK BS 「熱中夜話ロック黄金時代」収録参加記
BS熱中夜話という番組をご存じでしょうか?
「ロック黄金時代ナイト」特集が2009年1月8日・15日・22日(木)3回にわたって放映。
当HPは制作にちょこっと協力していました。
まず60年70年代ロックのリアルタイム世代の方数名に制作のためのアンケートに協力していただきました。
そしてレモンソング代表でへヴンさんが収録に参加することとなりました。
へヴンさんが収録終了後、収録参加記を書いてくださいました。
11月30日、よく晴れた日曜日の渋谷の町をNHKスタジオに向かってうきうきと歩いていました。11時20分に30人の参加者が集合し、入り口で入館証を渡され首にかけてスタッフの方に先導され中へ。打ち合わせ室で事前に知らされた内容などを再確認し、軽くお昼をいただきました。
で、スタジオ内での座席がすでに決まっていて名前を呼ばれて2列に並んで103スタジオへ。席につくと次は司会者、ゲストがスタジオ入りです。司会はビビる大木さんと田丸麻紀さん。ゲストはローリーさん、ムッシュかまやつさん、高樹千賀子さん、安齋さんです。
ローリーさんとムッシュは小枝のように細い足でした。うらやましい。二人とも黒のスリムなパンツがよく似合ってました。
いよいよ収録スタートです。
まず第一夜分、1本目。
「スーパーギタリスト・ナイト」ヤードバーズ出身の3人のギタリストの紹介とそれにまつわるエピソードなどをゲストや参加者に聞いていきます。進行は萩原健太さん。萩原さんのスムーズな進行にお若い司会者二人のトークがからんで楽しい雰囲気に。
カスタード・パイのイントロ弾いてくれました
ジミーちゃんのギターの位置とアクションの解説
ビジュアル的な視点でジミーちゃんを語る
高樹さんは映画で弓弾きを見てびっくりしました
そして参加者にも、発言の機会が。ジェフ・ベックのコーナーで、「ジェフ・ベックよく聴く人!」の掛け声に思わず手を上げてしまったら、「はい!ヘヴンさん!」とふられてしまいました。まぁ、編集でカットされるだろうという安心感から「彼は生涯、ギターという楽器の可能性を追求しつづけるのかなぁと思います」みたいなことを平気な顔してしゃべってました。おそろし〜。
だってね。私びっくりしたんですけど、収録参加者ってみんなどこか業界つながりなんじゃないかと思うような人たちなんですよ。スタッフと「あ、○○さんどうも」とか挨拶してるし、休憩時間にムッシュを囲んで会話はずんでたり、ライヴハウスでDJやってますとか、楽器や演奏方法についてマニアックな会話してたり…。地方の一主婦の私なんかの来る場かぁ?!と一瞬引いてしまいました。が、しか〜し。私はレモンソングからゆうさんの名代(?!)で参加したんだっ!という強い思いが沸いてきたと同時に大きな安心感に包まれてとてもリラックスして楽しむことができました。
そして、3代ギタリスト(番組では「3大」という言葉を使っていますが、私の感じでは「3代」です)のコーナーが終わると「3人以外で好きなギタリストは」との質問に参加者はスケッチブックに書いて一斉に掲げます。私は「ロリー・ギャラガー」と書きました。
自分の書いたギタリストについてこれだけはしゃべりたいと言う人たちが手を上げてマイクを渡されどんどんしゃべっていました。最後に司会者がゲストのムッシュに「かまやつさん、話を聞いてみたいギタリストはいますか」との問いに参加者席を振り向いたムッシュは「ロリー・ギャラガー」と言ったのです!なんと他にはロリー・ギャラガーを書いた人はいなかったのでまたマイクを手渡された私は「彼のギターの一音一音は心に入り込んでくる…まだ聞いたことがない若い方にぜひ聞いて欲しい」みたいなことをぬけぬけとしゃべっていたのです…。自分がコワイ…。
ま、これもカットカットと自分に納得させ長い長い1本目の収録が終わりました。
20代の人たちって70年代のロックを聴きたいと思ってる人多いのかもね。ただ、その情報をなかなか得られなかったり、雑誌なんかの名盤シリーズみたいなので選んで聴いてみたりしてる人もいるんだね。だから、当時の話を知りたい聴きたいって興味があるみたい。私だって自分より数年違うだけで、いろんな体験してる人たちの話もっと聞きたいなぁと思ったもの。
ぜひ、ヤングミュージックショーは再放送してもらわねばねぇ。
私の後ろの席のおじさまは、日本で最初にツェッペリンをリクエストしたんだけど、音源がなくて福田一郎さんが取り寄せてラジオでかけてくれたとおっしゃってました。スタジオに入るのに2列になって歩いてるとき「お好きなバンドは何ですか?」と聞かれ「ツェッペリンです!」と答えたらそういう話をしてくれました。すごいな。
そういえば司会のビビるさんは、高校生のとき海援隊と吉田拓郎とブラック・サバスを聞いてたんだって。で、30人のスケッチブックをぐるぐる見回して「トニー・アイオミがいないっ」って。でも一人だけ「トニー・アイオミ」を書いた人がいたんですよ。発見してひどく感激してました。
1本目の収録が終わると少し短い休憩が入りました。スタジオ内はライトの熱でけっこう暑く喉もかわきます。が、収録中はトイレに行けないのでそうそう水分を取るわけにはいかないなぁと。私はトローチを持っていったのでけっこう役に立ちました。
スタジオの中はカメラが3台。アームが伸びるクレーンカメラ(というのかな)が1台、ハンディカメラが2台でした。ハンディカメラといっても担いでスタジオ内を動き回るカメラマンは大変だなぁと思いました。重そうに見えましたもの。モニターも何台かあり、あ、今はあのカメラでこういう風に映ってるのか〜となかなか面白く観察しました。
2本目は「マイ・ベストバンド」です。ゲストの方のお話を中心に進行します。
4人の方それぞれの思い入れがつよ〜いバンドの話は実に楽しかったですよ。
安齋さんのフェィセズの話を聞いていて私は記憶が蘇ってきました。ロッド・スチュワートと他のメンバーの若くてまだシンプルだったステージを。武道館の客席とステージのロッドがサッカーボールで交歓したこと。みんな楽しくてほんとに嬉しかったコンサートだったこと。ベースがテツだったのでより親しみを感じたフェィセズだったこと。ロックのコンサートの楽しさを教えてくれたバンドだったなと、安齋さんが話されたことにうなずきながら思い出していました。
安齋さんのお好きなバンドはフェイセズ
高樹千佳子さんのピンク・フロイドには驚きました。かまやつさんも驚いて彼女を改めて見てましたよ。若い女の子が「狂気」をすごいアルバムだと感動してしゃべることに周りのおじさまおばさまは感動を覚えたのです。ほんと、私も嬉しくなっちゃいましたよ。
高樹さんのお好きなバンドはピンク・フロイド
ヒプノシスのジャケットのお話です
そして、参加者全員で自分の「マイ・ベストバンド」をスケッチブックに書いて一斉に掲げます。もちろん私は「レッド・ツェッペリン」です!でも、ツェッペリンはあまりにも有名すぎて参加者の発言は指名されなかったです。残念〜。
2本目収録、最後の締めはストーンズです。このコーナーかなり盛り上がってました。やっぱりみんなストーンズは好きなんだ。過ぎ去った日のどこかでだったり、いつもどこかでだったり、ストーンズはきっとどこかで出会ってる。ブライアンがいた。スチュがいた。ミック・テイラーがいた。ビル・ワイマンもいた。(ついこの間まで…。)長い時間が過ぎてきたようだけど、変わらない時間だったような気もする。それはロックを好きでいられ続けたからかな。
なんだかほわっとあったかい気持ちで2本目の収録は終わりました。
3本目は「ロックisマイライフ」。これはみなさんの当時の話が聞ける楽しみな収録だったのですが、私は2本目終了後帰途につきました。
暗くなった秋の終わりの渋谷の街中を駅に向かうタクシーの中、貴重な体験をする機会を得たことをゆうさんに感謝☆早く報告しなくちゃ!と心の中で今日の一日を振り返っていました。そして東京を離れる新幹線の窓に映る自分に「Rock is my life」とつぶやいてみました。
第2回の放送終了後、もうちょっと詳しいエピソードを書いてくださいました。
エピソード2
2週にわたって放送されたロック黄金時代、放送を見て思い出した放送されなかった収録時のエピソードです。
45分足らずの番組枠の中、収録1本目となったギタリストナイトは2時間の記録媒体が途中で終わってしまうほどの盛り上がりでした。収録時、3人のギタリストにまつわる参加者の強い思いなどが放送には表れていませんが、その様々な発言があってこその番組になったのだなぁと、編集作業のご苦労に思いをめぐらしながら放送を見ました。
Jimmy Pageといえば秘蔵写真をたくさんお持ちの有名な方、夏川翠さんとサキツミベイビーさんがいらっしゃいました。夏川さんは来日当時の彼はほんとに美しかったとのこと。ツェッペリン黄金時代ですね。ジミーちゃん初期の衣装についてもサキツミベイビーさんから英国のトラディショナルなファッションとお話が。私の好きな初期の頃のあのスタイル、うんうんとうなずきながら聞いてました。その辺のお話がもっと聞きたかったです。
休憩時間にお二方とちょっぴり会話する機会があり、お名前を知って一瞬サインをいただこうかと…。あ〜もっとZEPのお話聞きたかったよ〜。チャンスだったんだ〜と後になって思うばかり。
その時間に、ムッシュかまやつさんのサインを戴くことができました。サインをお願いすると「お名前は?」と聞いてくださりさらさらとイラストから書いてくださいました。ムッシュの前に立っているだけで嬉しくてすごく緊張しました!
かまやつさんのお好きなバンドはキンクス
で、私のジェフ・ベック発言(まとまりないことを言ってたんですが…「JEFF」というアルバムを聞いた時に消化不良を起こしてしまった。ジェフ・ベックグループを夢中になって聴いていたころに遡って順を追ってアルバムを聴いてみたらすんなり聴けた。その時ジェフ・ベックって常に進化してるって思った。ギターの可能性みたいなものをずーっと追求していくのかなと思った。第二期と呼ばれているジェフ・ベックグループのファンキーでソウルフルな「ROUGH AND READY」は、入りやすいかも。マックス・ミドルトンのピアノがいい雰囲気でコージー・パウエルのドラムも…ここで、ビビル大木さん「いたんですか!?コージー・パウエル!」「ええ、いたんです!」などとやりとりがありアルバム紹介、「GOT THE FEELING」が流れて…というようなことでした。)もあったりしました。その後の休憩時に夏川さんがチャーがジェフ・ベック宅を訪ねた時の(私は読んでませんでした)PB誌の記事など話してくださいました。私が話しているときに、小さくうなずきながら聞いていらしたのがとっても印象的でした。
そうそう、若いジミー・ペイジファンの方が「現在のジミー・ペイジを見て、ツェッペリンの映像などを見るとギャップが…」というような内容の発言もあり「今の音を聴くのなら今のジミー・ペイジを見ればいいし、ツェッペリンの音を聴くならその時代のジミー・ペイジを見て聴けばいいと思うよ…」というようなお答えもあり「うんうん、そのとおり」と私もその方のお話に納得。同じ時代に同じ音楽に夢中になったという共通した体験が何かこう親近感を感じさせ、和やかな中にも緊張感のある気持ちよい空気を感じました。
ローリーさん、ハーディ・ガーディを披露してくださったときは(持ってたんだ〜!)と驚きました。DADGADチューニングにしてもギター・パフォーマンスにしてもジミー・ペイジを語ってくれるその奮闘ぶり、嬉しかったです〜!
ローリーさんが映画のシーンをやりたいばっかりに買ったハーディガーディ
音が出る仕組みを説明してくれました
DADGADチューニングの解説
3大ギタリスト以外に好きなギタリストをスケッチブックに書いた収録もカットでしたが、アルバムをジャケ買いしたジョニー・ウィンターの好きな方、デュアン・オールマンの好きな方、他にもいろんなギタリストの名前が挙がってました。70年代ロックに興味を持つ若い人が今の音楽からなかなかたどり着けないこういったアーティストのことも取り上げてほしかったなぁ。
ストーンズのコーナーではライヴアルバム(Get Yer Ya−Ya's Outかな)の中で日本人が「カッチョイ〜!」と叫んでいる部分をスタジオ中で息を殺すようにしてききとりました。「もうすぐです。」「次です。」「ここです!」とストーンズファンの方が解説してくださって、みんなで「オ〜ッ!」と。実現しなかった幻の来日公演、英国までライヴを見に行った方、来日(しなかった)公演のポスターを披露してくださった方、大事な宝物もいっぱい持参した方もいらっしゃいました。
*放送日時・NHKBS2
2009年1月 8日(木) 24:00〜24:44
2009年1月15日(木) 24:20〜25:04
2009年1月22日(木) 24:00〜24:44
【放送順について】 収録上は、1本目:スーパーギタリスト・ナイト2本目:マイベスト・バンド・ナイト3本目:ロックisマイライフ・ナイトだったのですが、
実際のオンエアは、1本目:マイベスト・バンド・ナイト2本目:スーパーギタリスト・ナイト3本目:ロックisマイライフ・ナイトとなります。
*ストーンズ話は制作の方によると「ゲストのマイベスト・バンドに加えてストーンズを取り上げる、ということが、 時間的に難しく、また、取り上げるにしても、とても中途半端な扱いになってしまうことが懸念されました。 番組スタッフ全体で話し合った結果、今回の放送上、ストーンズの話はカットせざるをえない、という結論に至りました。」とのことで、放送では見られません。
夏川翠さんのNHK BS 「熱中夜話ロック黄金時代」収録参加記もあわせてお読みください。
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