「Stairway to Heaven」は、LED ZEPPELINが1971年リリースした4枚目のアルバム
通称「Four Symbols」に収録されている。
とても幻想的な歌詞、8分という時間を全く感じさせない、練り上げられたアレンジ・・・
この曲は瞬く間に彼らの代表曲として、そして最も有名なロッククラシックの1曲として
広く知られる事になった。
※「逆回転で再生すると,悪魔のメッセージが聞こえる」というウワサもあったらしく,その意味でも!!?
当然、様々なミュージシャンがこの曲を取り上げているが、ここではそれらの
カバーバージョンについて検証してみようと思う。
@ ARTIST | A 収録アルバム |
B 発売元 | C PLAYING TIME |
D コメント、(必聴度) |
@ BASS ZEPPELIN
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A STAIRWAY TO BASS HEAVEN
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B EAST WEST/AMCY-2753
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C 6:14
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D ドラムンベースでZEPをカバーした、驚きの一枚。
このアルバムに収録されているバージョンは、曲のテンポが 完全にネックになっており、違和感ありありだった。 気だるい女性ボーカルは、「いかにも今時のダンス音楽」という感じである。 ギターソロを割と忠実にプレイしている点はグッド。
必聴度:
D
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@ DOLLY PARTON
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A HALOES & HORNS
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B SUGAR HILL/SUG-CD-3946
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C 6:31
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D 2001年のグラミー賞も獲得した,女性カントリーシンガーの大御所も、
最新作でこの曲を取り上げている。 アレンジ面で目新しいのは,イントロのフルートのパートをフィドルで 代用している点。 後述の「PICKIN' ON〜」に比べると,落ち着いた演奏との印象を受けた。 確か某誌のインタビューでロバート・プラントが「甘ったるい」と 評していたが,個人的にそれほど甘ったるさは感じなかった。
必聴度:
C
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@ DREAD ZEPPELIN
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A 5000000
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B VI/VICP5053
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C 8:16
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D 数あるZEPカバー物の中でも、極めてイロモノ度が高いテイク。
「エルヴィスのそっくりさん」トートエルヴィスがレゲエに乗せて歌う このバージョン、善し悪しの判断は皆さんに委ねたい(爆) ちなみに「トート」とは、「全て」という意味だそうで、彼の名を 日本語訳すると「まるっきりエルヴィス」といった感じになるそうだ。 80年代に一世を風靡したグループ「TOTO」も、「トート」と発音するのが 正しいのだとか!?
必聴度: ???
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@ ELKIE BROOKS
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A GREATEST HITS
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B BRILLIANT/BT 33051
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C 4:20
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D マンチェスター出身の女性シンガーも,この曲を歌っている。
うねるようなフレットレスベースのフレーズ,宇宙を思わせるエコーなど まぁ聞かせ所もあるが,4分半弱という時間の中ではこの曲の良さを 充分に表現できているとは言い難い。
必聴度: C
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@ FAR CORPORATION
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A DIVISION ONE
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B IMP/R32P-1044
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C 9:33
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D 1986年にリリースされ、全英チャート最高8位を記録した。
「天国」のカバー物としては、恐らく最も有名なテイクの一つだろう。 楽曲自体は、原曲をユーロビート風にし、ゴスペルのコーラスを加えたような 仕上がりだが、ボーカルがロビン・マッコーリー(元MSG)とボビー・キンボール、 ギターがスティーブ・ルカサー、ドラムがサイモン・フィリップス(3人とも現TOTO)と、 えらくメンバーが豪華。 なおこの「FAR CORPORATION」のバージョンは、シングル、12インチを含めて 4種類が存在している。
必聴度: A
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@ FRANK ZAPPA
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A THE BEST BAND YOU NEVER HEARD
IN YOUR LIFE |
B RYKO/VACK-5230〜1
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C 9:20
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D 奇才ザッパは、88年のツアーでこの曲を取り上げていた。
曲はレゲエのリズムでスタートするのだが、ギターソロのパート (何とHornsがプレイしている!)の所でスカのリズムに変わり、 「And as we〜」の部分からは高速ジャングルビートにリズムチェンジしている。 それでもバンド全体がしっかり演奏についてきているのは、 「1日10時間レベルの鬼練習」の賜物なのだろう。 曲中色々な箇所で、歌詞に呼応したSEが聞けるのは、かなり愉快。
必聴度: C
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@ GREAT WHITE
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A GREAT ZEPPELIN
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B AXE KILLER
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C 8:34
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D 1996年12月、アメリカにて収録されたライブ盤より。
演奏自体はZEPの'73年バージョンに近い。 ボーカルのジャック・ラッセルはロバート・プラントと声のレンジがほぼ同じ為、時に プラントと聞き間違えてしまう箇所がいくつかあった。 「There walks a lady〜」の部分を筆頭に、high-Eの部分もちゃんと歌っているのは さすがである。(誰かがそこだけヘルプしているようにも聞こえるのだが) このライブ盤、本家ZEPPELINが一度もライブ演奏しなかった曲も収録されているので、興味があれば御一聴をお勧めする。
必聴度: B
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@ GREGORIAN
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A MASTERS OF CHANT CHAPTER II
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B NETWORK RECORDS/NXCB-00030
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C 8:06
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D 「グレゴリオ聖歌とグランドビートの融合」をコンセプトとしたグループの
最新アルバムより。 メロディのパートは聖歌隊による合唱で、妙に重厚な響きである。 曲後半部ではギターソロ部分をすっ飛ばし、何故か女性ボーカルに交代。 この女性、歌詞に歌われている「キラキラ輝くものをすべて黄金と信じているレディ」なのか??? ・・・なんて事を考えてしまった(笑) なお,サビのファンファーレはFAR CORPORATIONのアレンジそのもの。
必聴度: B
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@ JUSTIN HAYWARD
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A CLASSIC BLUE
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B ESSNTIAL/ESM CD 714
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C 7:42
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D ムーディー・ブルースのジャスティン・ヘイワードがロンドン交響楽団と
ROCK CLASSICSをカバーした企画アルバムより。 イントロのアルペジオがフルート、リコーダーの主旋律がオーボエと、 オーケストラのバッキングのアレンジが新鮮である。 が、肝心のジャスティンさんのボーカルが曲とイマイチ合っていないのが残念!! サビの「And as we・・・」からキーが一気に一音半も下がるのはちょっと頂けないなあ。
必聴度: C
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@ 桑田 桂祐
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A ACOUSTIC REVORUTION (DVD)
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B VICTOR/VIBL-44
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C 7:40
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D 1991年3月26日,日清パワーステーションでのライブテイク。
アレンジは原曲に忠実ながら,中西 俊博のヴァイオリンがいいアクセントを出している。 ライブ全体の雰囲気は大変リラックスしたものだが,この曲の時だけはメンバー全員が 張り詰めたテンションを保っているように感じられた。 桑田氏のボーカルは,全くもって普段通りである(^^ 1950〜70年代のロックの名曲に絞られたセットリストも,スグレモノだ。
必聴度: A
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@ LENINGRAD COWBOYS
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A HAPPY TOGETHER
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B BMG/BVCP-723
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C 9:05
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D オーケストラとロシア軍のコーラス隊を従えた、異色バージョン。
オケに混じって、民族楽器のバラライカも聞こえてくる。 それに加え、コーラス隊の絶妙なハーモニー、「これでもか」と繰り出される、ロシア民謡丸出しの合いの手だけでも一度は聞く価値があるのではないだろうか。 オーケストラのバッキングアレンジは、可もなく不可でもなくといったところである。 なお、本作のライナーは俳優、永瀬正敏氏が担当している。
必聴度: C
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@ LENINGRAD COWBOYS
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A TOTAL BALALAIKA SHOW
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B BMG/BVCP-788
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C 9:09
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D 上記アルバムの面子が1993年12月6日、ヘルシンキでのライブを録音したもの。
原盤は2枚組だが、日本盤はCD1枚に編集されている。 スタジオ盤に比べると、アレンジは幾分シンプルになっており、後述の ゛BRITISH ROCK SYMPHONY"のバージョンに類似しているかな? 「隠れた主役」ロシア軍コーラス隊は、スタジオテイク以上に濃い(爆) 上記「HAPPY TOGETHER」と本作には「関西弁対訳」がついているのだが, 笑い過ぎには十分に気をつけて頂きたい。
必聴度: C
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@ MICHAEL WHITE
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A PLAYS THE MUSIC OF LED ZEPPELIN
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B CASH-MIR/CASH-100
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C 7:58
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D この方の素性はよく知らないのだが,これは全曲ZEPカバーアルバム。
ボーカルはロバートにまぁ似てるかな?と思えるレベル。 バッキングは「完コピ」だが,ドラムを打ち込みでやってるのは頂けない。 どうせなら「ホンモノ」を聞きましょう。
必聴度: D
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@ PAT BOONE
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A NO MORE MR.NICE GUY
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B MCA/MVCE-24008
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C 5:00
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D オールディーズの世界では有名なパット・ブーンが、HMナンバーを
ビッグバンド風にアレンジして歌ったという、嘘のような一枚。 フルートによる物悲しいアンサンブル(イントロのギタのーパート)が終わると、 何とジャズワルツにアレンジされた本編が始まる。 原曲とはかなりかけ離れたアレンジだが、改めて聞くとそんなに悪くないな・・・ と思ってしまった。 なお、このアルバムの中で個人的に一押ししたいのが、DIOの「HOLY DIVER」で、 アレンジが予想以上にハマっていて驚いた。 何とロニー本人も掛け合いで参加しており、美味しいところを持っていっている。
必聴度: B
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@ SUPER ROCK SUMMIT
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A STAIRWAY TO HEAVEN
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B POLYDOR/POCH-1773
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C 8:13
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D LOUDNESSの樋口宗孝監修の,トリビュートアルバム。
演奏している面子は,日本のHMシーンのメジャーどころばかりだ。 この曲のリードシンガーは,元TWINZRの生沢 祐一が務めているが,その歌唱はすさまじくハイレベルなものである。 バッキングも含め,安心して聞けるカバーテイクと言えるだろう。
必聴度:
A
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@ 高田 元太郎
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A ROCKS ON THE GUTS
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B WAVEMASTER/WWCA-31097
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C 7:54
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D 「クラシック・ギタリスト」高田 元太郎のセカンドアルバム。
ギター・ウッドベース・フルート・女性ボーカルという編成だが,普通はイントロで 出番終了のフルートが,曲全般を通じて活躍している珍しいアレンジだ。 控え目ながら雰囲気のある女性ボーカル,曲全体を引っ張る ウッドベースも素晴らしい。 メインのギターはとても良く伸びるサウンドで,アルペジオ・バッキング・ ソロにとグレイトなサウンドを聞くことができる。 アコースティックアレンジ物のアルバムでは,久々にヒット!!の1枚。
必聴度: A
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@ TINY TIM with BRAVE COMBO
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A GIRL
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B MSI/MSIF2412
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C 4:58
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D モンド・ミュージック界の有名人と、恐怖のポルカバンドのコラポレーション。
歌詞とメロディーライン以外は、原曲とは似ても似つかないバージョンである。 バッキングは延々とSwingしているだけだし、聞いていてもいつの間にか 終わっていたという感じだった。 私があまり楽しめなかったバージョンの一つ。
必聴度: E
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@ TRACY McMILLAN
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A LIVIN' LOVIN' PLAYED
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B REVERBERATIONS/LAK 33691
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C 5:01
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D 女性シンガー・ソングライターによる、アコースティックオンリーの
トリビュートアルバムに収録されている。 特に、曲後半からアンサンブルをグイグイ引っ張っていくウッドベースが 素晴らしい。 場末のラウンジで、物鬱げに歌っている感じのボーカルも良い。
必聴度:
B
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@ VARIOUS ARTISITS
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A BRITISH ROCK SYMPHONY
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B POINT MUSIC/PHCF-3514
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C 8:38
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D ブリティッシュ・ロックの代表的なミュージシャンの曲をオーケストラ同伴で演奏した
「いかにも」な一枚。 当然ZEPの「天国」も選ばれているが、この曲のボーカルはHEARTのアン・ウィルソン。 敬愛するプラントになりきったかのような、実に素晴らしい歌を聴かせてくれている。 しかし、オーケストラアレンジは平凡の域を出るものとは言えない。 アレンジャーと私の思うところが一緒なんだろうか??? せっかくなので、これ以外の私のお勧めをいくつか。 ・ロジャー・ダルトリー(THE WHO)の「KASHMIR」 ・アリス・クーパー&トミー・ショウ(STYX)の「CELEBRATION SUITE」
必聴度: A
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@ VARIOUS ARTISTS
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A LED ZEPPELIN STORY VOL.1
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B BEST CLASSICS/BC-8 8 1/1
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C 8:00
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D このアルバムの面白いところは、エレクトリックギターを全く使っていないところである。
「天国」に関しては、イントロのフレーズはともかく、あのギターソロまでもアコギでプレイしているため、 音圧が非常に薄く、聞いていて全然メリハリが感じられない。 妙に不自然なドラムの音作りもマイナスポイントだ。
必聴度: C
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@ VARIOUS ARTISTS
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A STAIRWAY TO HEAVEN
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B EAST WEST/ASCD-152 (Sample)
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C 8:18
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D 1997年リリースのトリビュートアルバムから。
演奏メンバーは,ルー・グラム・ザック・ワイルド・ジェフ・ピルソン等。 アレンジは,原曲のコピーと言えるくらいそのまんまで,ザックのソロも 原曲とほぼ同じ旋律をなぞっている。 ちょっぴり感情起伏を抑えた、ルーの歌いまわしや表現力もエクセレント!
必聴度: A
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@ VARIOUS ARTISTS
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A STAIRWAY TO ROCK
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B IMPERIAL/TECI-24130
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C 6:48
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D このアルバム,メンバーの人選がLAメタルからヒップホップまでと,恐ろしく広い。
基本的には,どの曲もラウド/ヘヴィロックスタイルのアレンジが施されている。 (正直言って,ZEPの曲として聞くには厳しい部分もある) 「天国」は女性ボーカルが歌っており,曲前半はC#mに移調されているものの,サビのファンファーレから 原調のAmに転調している。 曲に関して,その他特に目立った点はない。
必聴度: D
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@ WEST COAST ALL STARS
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A NATURALLY
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B MUSIC GARDEN/XYCF-50009
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C 7:00
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D 今のところ、唯一のアカペラバージョン。
ボビー・キンボール(TOTO)、ジョセフ・ウィリアムス(ex.TOTO)、ジェイソン・シェフ(CHICAGO)、 トミー・ファンダーバーク(ex. BOSTON)の4人のシンガーが、奇跡的な名演を披露している。 原曲にある全ての音要素を、完璧に声だけで(ドラムパートではハンドクラップや 足踏みを用いているが) 再現しており、メロディーの高音域も難なく歌えている。 更に、ギターソロ部分の細かいフレーズまでも完璧に歌っており、 個人的には 文句なしの一押しバージョンだ。
必聴度: A
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@ WHITE SKULL
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A THE MUSIC REMAINS THE SAME
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B ROCOMOTIVE/LM087
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C 8:12
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D 主にヨーロッパで活動している,HR/HMミュージシャンによる
トリビュートアルバムより。 原曲のキーはAmだが、このバージョンはGmにチューニングを下げて 演奏されている。 そのためか,曲のもの悲しさが一層強調されている。 イントロは12弦ギターが前面に出てきており,リコーダーのパートはあまり 目立たないし、無難といえば無難なバージョンだ。 蛇足ながら,このトリビュートアルバム一番の聞き物は,MASTERPLANが 演奏している「BLACK DOG」だと思っている。 ボーカリスト,ヨルン・ランデはCOVERDALE・PAGEのライブでも 見たんだろうか!?とにかく歌いっぷりが似過ぎである(笑)
必聴度:
B
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@ 見良津健雄 & お達者倶楽部
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A 旅荘カリフォルニア
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B COLUMBIA/COCA13082
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C 4:24
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D 70'S ROCK CLASSICSと、70年代フォークの名曲の出会い・・・
これまた独特(キワモノ?)の雰囲気がたちこめる一枚。 厳密には、ROCK CLASSICSのバッキングにフォークの歌詞をのせる というアレンジがなされている。 「天国」のバッキングにのせて歌われるのは、かぐや姫の「神田川」。 確かに、それぞれの曲の雰囲気は似てない事もないと思うのだが・・・
必聴度:
D
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