KIMU'sColumn

抱腹絶倒
ノンフィクションコラム

JohnnyGuitar
KimKimの
「おしょう伝説」
Vol.9



「新宿の奇跡」


ブルルン ブルルン ブルブル キーッ!
聞き覚えのあるエンジン音が部屋の外で止まった。
午前3時。新宿の片隅に乾いた叫びが響く。

「き〜む〜ら〜く〜ん!」

奴だ。声の調子からして危険度3以上。返事をしたら地獄が待っている。
僕は寝たフリを決め込んだ。

「木村〜。おるのはわかっとるんやで〜。」
ドンドンドンドン!

あれはノックではない。パンチだ。僕は布団を頭からかぶった。

「なぁ〜、ホンマに寝とるんかいな〜?ちょっとだけでええねん。ちょっとだけ。」

午前3時に何がちょっとなのか。

「たのむでホンマ〜。たのむでホンマ〜。」

出た!関東では絶対ウケない十八番の板東英二のモノマネだ。
笑ったら負け。僕は唇をかんで耐えた。

「あっれ〜、ホンマに寝とんのかいな。しゃーないな〜。」

コツコツコツ…。

今夜の彼は以外にもあきらめが早かった。それもそのはず、二階には僕とおしょうの共通の友人、よーじ君が住んでいるからだ。

彼は階段を上がって行った。

「お〜い!ヨージく〜ん。」

「えっ、お、おしょうさん、どないしたんで…うわぁ〜!」

「ロッケンロール!!!」

ガタン…バタッ…グシャ…!

お気の毒に。それではお二人さん、おやすみ。。。

グーッグーッ……・・ムムッ!

何かがおかしい。この胸の高鳴りはなんや!?




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