KIMU'sColumn
抱腹絶倒
ノンフィクションコラム
JohnnyGuitar
KimKimの
「おしょう伝説」
Vol.19
『ウーロンハイ』
ある日リハを終えた後、東中野のとある居酒屋にて、珍しく僕は午前3時頃まで監獄の面々と付き合い、深酒を楽しんでいた。
そしてこの時間帯になると時々飛び出すおしょうのオリジナルカクテルが、この日も登場した。
「ガチャリーン! やっちゃったもんね〜。」
おしょう特製、携帯ウーロンハイである。
「これが格別の味がするんやで〜、木村〜!」
ろれつの回らない口調でそんなことを叫びながら、自由人おしょうの唯一の世間とのパイプであり、しかも最新機種の携帯電話を惜しげも無くグラスに投げ込んだ特製ウーロンハイを、彼は自慢気に飲み干した。
「うじちゃ〜ん、なんとかしてぇな、この人〜!」
毎度のことながらあきれかえった僕は、後ろのテーブルで飲むうじに助けを求めようと振り返り、仰天した。
「どないしたんや、やぁ〜、け、け、けむら〜。」
すわりきった目をしたうじが傾けるグラスの中には、既に何時間も前から入っていたと思われる彼の携帯が黒光りしていた。
「出た〜! ダブルや〜! としなり〜何とか言うて〜。」
…としなりはとうにつぶれて眠っていた。
「おぅ、うじ〜! やっぱりコレやのォ〜。木村、お前も男見せんかい!」
「僕はオカマでいいです。オカマで…。」
さてさて、問題はそれからである。
携帯ウーロンハイが飛び出したおしょう&うじに怖いものは無い。まさに失うものは何ひとつないブルースマンパワーが炸裂するのだ。
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