KIMU'sColumn

抱腹絶倒
ノンフィクションコラム

JohnnyGuitar
KimKimの
「おしょう伝説」
Vol.13



「足立くん
〜エピソード3〜
    前編」


野良犬事件、鹿事件と凄まじい暴挙を繰り返すうち、おしょうは足立くんのあまりに素晴らしいリアクションに、いつしか言いようのない快感を覚え、彼を驚かせることが病みつきになっていきました。

そしてまたもや仲間たちと話し合い、泣く泣く鹿を手放した足立くんのために、再び新しい、そして愛のあるプレゼントを贈ることにしたのです。

それは、元来無類の怖がりで、一人で神社やお寺にすら立ち入れないほど臆病だった彼のために、こっそり部屋にお墓を建ててやろう、というものでした。

どうせやるなら本物がいいと、夜の墓場に忍び込んだのですが、さすがのクレイジーモンスター達も人様の墓石を盗み出すことは出来ず、土壇場で躊躇し、急遽ダンボールを組み立ててニセのお墓を作ることにしました。

本物をモデルに凝りに凝った作りで、ペンキを塗り、字体もそれっぽく真似て足立くんの名前を書き込み、彼の部屋にセッティングしました。

ご丁寧にローソクや線香まで焚いて…。

お経のテープも流そうとしたのですがさすがに手に入らず、それは妥協しました。

夕暮れが近づき薄暗くなってきた頃、そのニセ墓は見事に完成しました。

ローソクの炎が小刻みに揺れながら墓石を照らし、絶妙の光と影のコントラストを生む様は、それはそれは不気味な光景だったそうです。




*.続き

**.バックナンバー

#.TOP