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ちなみに、あなたはキリスト教徒だったという話を聞いたのですが。

Judah:ああ、以前はね。家族がキリスト教徒だったんで、17歳まではクリスチャンだった。でも今は違うんだ。宗教的な家庭に生まれ育ったことについては感謝してるけど、当時は選択の余地がなかったっていうか。

それで、今回の選挙で共和党陣営が戦略的に中絶や同性婚の問題を利用して、カソリックの人々の票を取り込んでいったことに関して、どう思いましたか?

Judah:ああ、そのせいで共和党にはかなり票が集まったね。ほんと巧くやったもんだよ。マーケティング戦略がよかったのかもな(笑)。「神」は政府とは何の関係もないはずのに……本当に残念だよ。アメリカ国民の大多数はクリスチャンでそういう考えを持ってるだろうから、ある意味では関係あるのかもしれないけどね。個人的には、宗教を使って国を統治するって、何かを履き違えてる気がするんだ。でも大多数の人間は賛成してるんだよね。うんざりするのは、みんな自分にとっての宗教や神を見つけようとする気持ちが薄れてるってこと。もっと他人を受け入れる、寛容な心を持つべきだと思う。例えば同性婚なんて、それを問題視してる人達には何の影響もないことじゃない(笑)? 自分には直接関わってこないのに他人を制止する権利なんてないはずなんだよ。本当に馬鹿げた話だと思う。中絶も一緒で、自分の人生なんだから決定権は当人にあるはずなんだ。迷惑を被るのは自分でもないのに「駄目だ」なんて言うべきじゃないね。もちろん殺人は犯してはならない罪だけどさ。(同性同士でも)恋に落ちて結婚したいんだったらそれは当人達の問題だし、他人が口を出すのは本当におかしいと思う。

では、宗教的なものも含め、社会的に起きていることや政治的な問題などが、直接的なメッセージ・ソングの形にはならなくても、自身の創作活動に反映していると思いますか?

Judah:うん、間違いなくね。宗教的なイメージを持たせたりもするし、政治のことを歌ってる曲も多いよ。でも自分の考えを押しつけるのでなく、みんなに問題に気付いて欲しいというか、考えるきっかけを与えられたらと思ってるんだ。宗教や政治といった「大衆コントロール」っていうのはある意味興味深いと思うし、もちろん歌詞にも反映してるよ。

分かりました。少し堅い話が続いてしまったので、話題を変えましょう。じゃあ、音楽に限らず、最近のあなたのフェイバリットを幾つか教えて下さい。

Judah:ぜんぜん構わないよ。ええと、音楽で気に入ってるのはエレクトロニック・ミュージシャンとラップ・アーティストで、例えばCexとか、Xiu Xiuっていうバンドとかかな。他にも色んなものを聴いているけど、ここのことろは今挙げたやつだね。それからハーヴィーズ(※ファストフード店?)とか……(笑)。ああ、そういえば最近になって編み物を覚えたからマフラーを編もうと思ってる(笑)。車や飛行機で長時間の移動中にやることとしてはもってこいだし。あとは……ほとんど音楽漬けの生活だったかな。

編み物ですか? 何がきっかけで始めたんでしょう?

Judah:ガールフレンドを訪ねてポートランドに1ヵ月ほど滞在してた時に、近所のコーヒー・ショップに編み物や毛糸がたくさん置いてあってね。1人でコーヒーを飲みに行ったら、店員の女の子に「編み物したことある?」って聞かれて、「ノー」って答えたんだよ。そしたらその子がタダで編み物を教えてくれたのさ。それでマフラーを編んだんだよ(笑)。

そうだったんですか。ところで、昨夜の終演後に行なわれたカラオケ大会では、あなた自身は疲れ果てていて殆ど歌っていませんでしたけれども、ジョシュとケイシーは往年のTOP40の楽曲ばかり選んで死ぬほど歌いまくっていましたよね。あれは素で影響を受けてきたものなのか、それともわざとベタなものを選んでいたのか、どっちなんでしょう?

Judah:半分は冗談で半分は本気じゃないかな。僕達って色んなジャンルの音楽を聴くんだ。白人系のTOP40みたいなのはわりと好きなほうで、ツアー中もライヴの後にCDをかけて盛り上がったりしているよ。ジョシュはジャスティン・ティンバーレイクのアルバムにハマってるしね(笑)。TOP40ものでも、たまにビートが良かったりしてアピールする部分があると思うし……まあ疲れてたら何でも聴くって感じかもな(笑)。

昨日みたいにカラオケに行って歌ったりすることも?

Judah:いや、ケイシーは昨夜が初めてだったんじゃないかな。アメリカでは行かないよ。日本に来た時だけだね。去年もMewと一緒に行ったんだ。酔っ払ってカラオケするのって楽しいよね。

そういえば以前に、あなた方がセレクトした「最近のベスト10」みたいなリストをどこかで見たんですが、Death Cab for CutieやCursiveのアルバムに並んで、These Arms Are Snakesの作品も入っていましたよね。あれはどうして選んだのでしょう? 他のメンバーがピックアップしたのかもしれませんけど。

Judah:ああ、あれは他のメンバーが選んだんだ。These Arms Are Snakesとは一緒にツアーしたことがあるんだけど、すごくいいバンドだよ。『This Is Meant to Hurt You』はデビューEPだったっけ……フル・アルバムはまだ聴いてないんだけど、君は聴いた? どうだった?

とても面白いバンドですよね。

Judah:そうだね(笑)。

では最後に、Jimmy Eat Worldと一緒にツアーをした時の感想を聞かせて下さい。

Judah:最高だったよ。全部で4本しか演らなかったけど、すごく楽しかった。生まれて初めてアリーナ・クラスの5000人収容の会場でやったんだ。もちろん僕達がこれまでプレイした会場の中でも最大級で、それだけの大観衆の前で演奏するのは素晴らしい気分だったよ。それにJimmy Eat Worldのメンバーも皆いい人達だったしね。

彼らはインディーからスタートしてメジャーと契約し、今や大ブレイクを果たしたわけですが、あなた達は自分達の今後のヴィジョンとして、メジャーのフィールドで大きくなっていくという展開について考えたことはありますか? もしそうでないとするなら、インディーに留まることで守っていくべき大切なものというのは、いったい何なのでしょうか?

Judah:メジャーには行かないと思う。妥当なタイミングでそういう話が舞い込んでくることはあり得るけど、契約することはまずないだろうな。メジャーはインディーとは別世界だし、僕達としては今の自由さが気に入ってるからインディーに留まっていたいね。メジャーに移籍してもどうなるか分からないってのもあるし。メジャーって「バンド」よりも「シングル」やヒット曲中心で物事が動いてて、曲の長さについてまで関わってくるよね。僕達は今回のアルバムを見ても長い曲が多いし、ラジオで流れるなんてまず想像もつかない(笑)。ヒット曲よりもスローで長めの曲を作りたいし、自分のやりたいことができる環境にいたいんだ。それでも、メジャーの世界も変わってきているとは思うよ。インディーで評判の良かったバンドが次々と契約して実際に成功してるしね。クリエイティヴ面での自由も給料も十分もらってるみたいだし(笑)。僕達が望むようなオファーがあれば契約するかもしれないけど、どうだろうな……今のところは友達の手助けを借りながら自分達の手でやっていきたいな。そうすれば、もしそれで成功した時には自分の力で勝ち取ったことになるわけだから。

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