ロック (Rock) は、アメリカで1950年代に生まれたポピュラー音楽のジャンルである。ボーカル、ギター、ベース、ドラムの基本構成をとるバンドスタイルで演奏される、激しいビートサウンドが特徴。(但し、音楽性の多様化によりこの範疇に入らないロックも多い)

ジャズ、R&Bと共に世界中に広まったアメリカ発の音楽であり、世界中の音楽シーンに衝撃を与えただけでなく、その影響は思想、ファッション、アート(芸術)などポップカルチャー全体に及び、その社会的インパクトは極めて強かった。

ロックは基本的には既成概念や体制に対する反抗心や怒りを強く表現することが多く、反動分子としての存在意義を持つ。ただし、当初はアウトローな存在として登場したロックのムーブメントも、やがて人気を得るにつれて大衆性を強めて逆にメインストリームとなり、さらにそこから新たな反動分子が生まれる、という流れを歴史的に何度も繰り返している。

ロックという言葉はロックンロール(Rock and RollあるいはRock'n'Roll)の略語として、その黎明期からしばしば用いられていたが、1960年代にはロックという呼び方が一般化し、ロックンロールと呼ぶことは少なくなった。但し、アメリカでは現在もロックのことをかしこまって言う時にはロックンロールという言葉が用いられる。一方、近年の日本ではロックという呼び方が一般化する以前の音楽(すなわち1950年代のロック)のみをロックンロールなどと捉える傾向がある。

ロックの定義
ロックの定義(もしくは範囲)をどう捉えるかについては諸説がある。ここでは代表的な4つの捉え方を紹介する。

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最広義のロック
ロックンロール誕生以後のポピュラー音楽のうち、若者を主なターゲットとする音楽を全てロックとして捉える定義。この定義では狭義のポップスやソウル/R&Bもロックの範疇に入る。この捉え方は一般にはあまり浸透していないが、ロックとソウル/R&Bは特に1950年代においては区別しにくいことや、人種差別に至らない為の配慮から、特にポピュラー音楽を学術的に研究する場合などに用いられることが多い。

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広義のロック
最広義のロックからソウル/R&Bを除いたものをロックとして捉える定義。アメリカではラジオ局がロックとソウル/R&Bで分かれていることや、レコード店の商品陳列がこの定義に従っていることが多い為、もっとも広く浸透している定義である。この定義を採用した場合、ブルー・アイド・ソウルをロックに含めるかソウルに含めるかは人によって考え方が異なる。

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狭義のロック
広義のロックから狭義のポップスを除いたものをロックとして捉える定義。日本ではこの定義が比較的広く浸透している。ここで言う「狭義のポップス」は一般に、(1) 売れ線である、(2) 自作曲中心でない、(3) バンド・スタイルでない、(4) アーティストの自主性よりもレコード会社の主導性が強いなどの特徴を持つものとされるが、具体的にどのアーティストがロックでどのアーティストがポップスかは人によって考え方が異なる。

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最狭義のロック
狭義のロックを、1950年代のものと1960年代以降のものに分け、前者をロックンロール、後者をロックとして捉える定義。特に日本において、ロックをある種の精神性を伴う音楽として捉える人々の間で広まっている定義である。

尚、この定義とはやや異なるが、1950年代のものだけをロックンロールと呼び、それをロックの中のサブジャンルとして捉える考え方もある。この考え方は、最広義・広義・狭義のいずれの定義に対しても、そのヴァリエーションとして通用する。

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ロックの誕生から現在まで
日本のロック史は日本のロックを参照

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ロックンロール(1950年-1960年)
ロックンロールがいつ誕生したかについては諸説があるが、少なくとも1954年にビル・ヘイリーの “ロック・アラウンド・ザ・クロック” のヒットや、チャック・ベリー、リトル・リチャードの登場によって、ロックンロールはアメリカのポピュラー音楽における一大潮流のひとつとなった。同年にサン・レコードからデビューしたエルヴィス・プレスリーが1956年に大手RCAに移籍して大スターになったことにより、その影響力は決定的なものとなりバディ・ホリー、ロイ・オービソン、エヴァリー・ブラザーズらが続いた。

1959年頃からロックンロールは徐々に洗練化を進める。アーティストによるオリジナル・ソングやブルースのカヴァーを中心としたレパートリーに代わり、ロックンロール向けの新曲を提供する音楽出版社が台頭し、ストリングスなども導入されるようになった。この流れをブリルビルディング・サウンドと呼び、この頃から “ロックンロール” に代わって “ロック” という呼び方が一般化する。

この時期の詳細についてはロックンロールを参照

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サーフィン・ホットロッドとリバプール・サウンド(1960年-1964年)
ロックにおいてはサウンドの洗練化がある程度まで進むと、それへの反動としてプリミティヴなパワーを持ったギター・サウンドの復権が起きるという流れが何度か繰り返されている。その最初の例が、ブリルビルディング・サウンドに対するサーフィン・ホットロッド・サウンドの登場である。

ロックはボーカルを中心とするサウンド作りを基本とするが、ロックンロール黎明期からインストルメンタルの作品も存在した。その場合に中心となる楽器はエレキギター、サックス、オルガンなどだが、次第にエレキギターが主役の座に着く傾向が強まった。この傾向は1958年に登場したデュアン・エディと1960年に登場したベンチャーズによって確定的になった。

こうした流れを受けてカリフォルニアの若者たちの間で1961年頃から流行したのが、サーフィンをしている時の感覚をエレキギターを中心としたインスト音楽で表現したサーフ・ミュージックである。当初はインストであったサーフ・ミュージックにボーカルを付けたのがビーチ・ボーイズである。ビーチ・ボーイズの登場によってサーフ・ミュージックは一挙に全米に広がった。また、間もなく歌詞のテーマはサーフィンだけでなくホットロッド・レース(アマチュアによる公道での自動車レース)にも及んだ為、これらの音楽をサーフィン・ホットロッド・サウンドと呼ぶ。

一方のイギリスでもロックンロールの影響は徐々に広がっていった。1950年代のイギリスではスキッフルが流行していたが、スキッフルのミュージシャン達は、次第に自分達のサウンドにロックンロールの要素を取り入れていった。スキッフルと呼ぶよりはロックンロールと呼ぶ方が適切であるようなイギリスの音楽は1958年にデビューしたクリフ・リチャードを源泉とする。そして、1962年に登場したビートルズによってその流れは確実なものとなった。彼らの登場後、次々とフォロワー的なビート系バンドが登場した。その多くがビートルズの出身地であるリバプールのバンドだったため、リバプールサウンド(もしくはリバプールを流れる川の名前からマージー・ビート)と呼ばれている。

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ブリティッシュ・インヴェイジョンとフォーク・ロック(1964年-1965年)
1964年、ビートルズはロックンロールの本場であるアメリカへの上陸をはたし、そのサウンドは全米を席巻することになった。ビートルズ以外にも、ローリング・ストーンズやザ・フーといったイギリスのロックバンドがこの時期つぎつぎとアメリカでヒットしたことから、これをブリティッシュ・インヴェイジョン (British Invasion: イギリスの侵略)と呼ぶ。

アメリカでもブリティッシュ・インヴェイジョンの影響を受けて、ガレージロック・グループが次々と登場し、一部のバンドは成功を収めた。

時を同じくしてブリティッシュ・インヴェイジョンの影響を受けたフォーク・グループも次々と登場した。これらのグループの多くは元々はフォークを演奏していた若者たちによって結成されたものであり、彼らの音楽性もフォークからの影響を消化したものだった為、この動きはフォーク・ロックと呼ばれる。フォーク・ロックの代表的アーティストは、ボブ・ディラン、バーズ、タートルズ、ママス&パパス、ボー・ブラメルズ、グラスルーツ、(カントリーロックの範疇かも知れないが)バッファロー・スプリングフィールドなどがある。

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サイケデリックとロックの多様化(1966年-1968年)
また、この時期に、その後のロックサウンドを決定付けるギターのフィードバックサウンドやエフェクターの一種であるファズが生まれている。それまでは、真空管アンプによるナチュラルに歪んだ音で演奏されていたものが、よりヘヴィな音で表現可能となった。そこで生まれたジャンルの一つに、クリーム、ジミ・ヘンドリックスに代表される強烈にハードなブルースを演奏するブルースロックがあった。これらはファズより少し遅れて流行したエフェクターであるワウをファズと一緒に使用した。

実験的なサウンド作りという手法は次第に他のアーティストにも波及していった。中でも、音楽によってドラッグで起きるトリップ体験を表現するムーブメントが起こった。その幻惑的なサウンドはサイケデリック・ロックと呼ばれた。ドアーズ、初期ピンク・フロイド、ホークウィンドなどが代表格として知られる。これらもテープエコーやチェンバーなどといったエフェクターが鍵だった。楽器では、シタールを用いることが多かった。

実験性とは別に、他のジャンルの要素を取り込む動きも盛んになった。ブルースの影響を消化したブルース・ロック、カントリーとの合体を試みたカントリー・ロックなどである。ロックンロールが誕生した頃にはブルースやカントリーの影響を受けていることは当たり前だったが、60年代後半に登場したこれらのサウンドを敢えて “○○ロック” と呼ぶこと自体に、この頃までにロックが音楽として自立したことを示唆している。

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ハードロックサウンドの誕生(1969年-1976年)
60年代の終わりにレッド・ツェッペリン、ジェフ・ベック・グループが登場しブルース・ロックの演奏者たちは次第に、「ブルースをよりロックらしく演奏する」ことに重点を置くようになった。これは、ブルースをよりヘヴィで電気的な音で演奏することを意味する。前項で触れたエレキ・ギターのエフェクター類の発展や、大音量の出せるPA等も、これらの新しいサウンドを支えた。こうして生まれた潮流がハードロックである。特にレッド・ツェッペリンは、マスコミに露出することを嫌い、メディアにあまり登場しなかったにもかかわらず70年代、世界で最も成功したスーパースターとなった。ディープ・パープル、グランド・ファンク・レイルロード、ブラック・サバスらが後に続き、1973年にはその影響を受けたクイーン、キッス、エアロスミスがデビューした。

同様に60年代の終わりには実験的サウンドへの志向が強まり、長尺の曲や、哲学的なメッセージを込めた歌詞、楽器の演奏技術を極限まで高める風潮を呼んだ。この傾向はヨーロッパ、特にイギリスにおいて強く、シンセサイザーやメロトロンをフィーチャーしたロックをプログレッシブ・ロックと呼ぶ。代表的なバンドはピンク・フロイド、イエス、キング・クリムゾン、エマーソン・レイク・アンド・パーマー等である。

この時期にはウッドストック・フェスティヴァル(ラテン・ロックのサンタナが華々しく登場)やモンタレー・ポップ・フェスティヴァルなどの大型野外イベントが開催され、ロックの社会的影響力が大いに増した。

こうした時代を象徴するのが、シンガーソングライター、スワンプ・ロック、サザン・ロックといった動きである。シンガーソングライターというのは本来、自作自演の歌手という意味だが、ここではパーソナルな心情をアコースティック・ギターを中心とする控え目なサウンドに乗せて歌う人たちを指す。ジェームス・テイラーやキャロル・キングがこのムーヴメントの中心である。1960年代のロックの社会変革的な思想に疲れた人々の耳を、彼らのサウンドは優しく癒したのである。

スワンプ・ロックとサザン・ロックは、カントリー・ロックと同様、土の香りへの回帰を意図するサウンドである。この動きもまた、それまでのひたすら革新を求める動きとは異なり、聴き手に安らぎを与えるものとして機能した。スワンプ・ロックはロサンゼルスで活動するデラニー&ボニーやレオン・ラッセルを中心とした動きだが、イギリスのジョージ・ハリスンやエリック・クラプトンも同傾向のサウンドへと向かった。サザン・ロックもサウンドの傾向は近いが、アメリカ南部を活動拠点とするオールマン・ブラザーズ・バンドやレイナード・スキナードの音楽を特にこう呼ぶ。

一方で1960年代後半に誕生したカントリー・ロック、ハード・ロック、プログレッシブ・ロックといった動きはこの時期にも盛んで、1960年代の思想的背景を失ったことにより、むしろ商業音楽としての自由度を確保したとも言える。また、この時期にはロックの持つある種の過激さを極度に薄めて、むしろポップスと呼んだ方が適切とも言えるカーペンターズやブレッドが登場し、ロックの裾野を広げた。

1970年代前半、イギリスではファッションと演劇性を重視したT・レックス、デヴィッド・ボウイらのグラム・ロックが人気を集めた。

また1974年から1977年、ティーンエージャーのアイドルとしてベイ・シティ・ローラーズが第二のビートルズと呼ばれるほどの人気を得た。ロックはポピュラー音楽の中心としての地位を確実なものにしていった。

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パンク・ロック・ムーブメント(1976年-1981年)
1970年代前半は、複雑で大作主義のプログレッシブ・ロックに代表される、“凝った”ロックに支配されていた。それに対して「ロックは死んだ」として反旗を翻したロック・スタイルが、1970年代パンク・ロックだった。

ブロンディやパティ・スミス、ラモーンズなどによりニューヨークで誕生したパンク・ロック(いわゆるニューヨーク・パンク)は、ラモーンズのロンドン公演などを機にロンドンでブレイクし、ストラングラーズやセックス・ピストルズなどによりロンドン・パンクが興隆、大きな社会現象となる。当時のロンドン・パンクは、ロックンロールの原点に戻った、テクニックを気にしない「衝動」と「勢い」の攻撃的な演奏、権力や体制に反抗的な態度により、不満を抱えた労働者階級の若者たちの間で熱狂的に支持されていった。また、短くカットした髪を逆立たせ服を破いたそのスタイルも、パンク・ファッションとして当時の若者の間でブームとなる。

しかし、旗手であったセックス・ピストルズの解散以後、急速にパンクロック・シーンは衰退、わずか数年ほどの短期間でこのムーブメントは終わることになる。その後、パンク・ロック・ムーブメントの渦中にいたミュージシャンたちは、トーキング・ヘッズ、ディーヴォ、パブリック・イメージ・リミテッド等のニューウェーブ、キリング・ジョークやジョイ・ディヴィジョンに代表されるポスト・パンク、より強力なイデオロギーと過激な音楽形態を追求したハードコア・パンク等へと音楽性をそれぞれ変化させ、1980年代に大きく活躍することとなる。また、アメリカにわたったパンクロックはノーウェーブやジャンクなどのより先鋭的なサウンドを生み出し、オルタナティヴ・ロックの基礎を作り上げていった。

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NWOBHMとLAメタル・ムーブメント(1980年-1986年)
1970年代初頭に一時代を築き上げたブリティッシュ・ハード・ロック・シーンは、1970年代半ばのパンク・ロック・ムーブメントによりその勢いを失うものの、1980年のアイアン・メイデン、デフ・レパードのメジャーデビューなどにより、シーンは勢いを取り戻す。『NWOBHM(ニュー・ウェイヴ・オブ・ブリティッシュ・ヘヴィ・メタル)』と名付けられたこのムーブメントはイギリス全土に広がり、シーンは一気に活性化していく。

イギリス同様、アメリカにおいても、1980年代に入り、ハードロックシーンは低迷期を迎える。 そのような中、モトリー・クルーやラットの成功によりロサンゼルスを中心としたシーンが活性化、LAメタルと呼ばれるジャンルが誕生、ドッケン、W.A.S.P.、ナイト・レンジャーなどのバンドが次々とメジャーデビューを果たす。そして、ボン・ジョヴィの大ヒットにより、MTVがHM/HRを大々的にバックアップ、ヘヴィメタルの産業化が進んでいくこととなる。

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ヘヴィメタルの産業化と先鋭化(1986年-1990年)
ボン・ジョヴィの3rdアルバム『ワイルド・イン・ザ・ストリーツ』(1986年)、ガンズ・アンド・ローゼズのメジャーデビューアルバム『アペタイト・フォー・デストラクション』(1987年)などの大ヒットにより、ヘヴィメタルは産業化の度合いを強めていき、ポイズン、シンデレラ、スキッド・ロウなどが次々とブレイク、適度なワイルドさとキャッチーさを合わせ持ったヘヴィメタルがミュージックシーンを席巻することとなる。

上記のとおり、1980年代のロックシーンを語る上でさけて通れないのがMTVである。1981年、バグルスの “ラジオスターの悲劇” (Video Killed the Radio Star) で放送開始した音楽専門のケーブル放送チャンネルは、ロックシーンを産業化していき、巨大な影響力をもつようになっていく。MTVでインパクトのあるビデオクリップを流すことが、「売れる」要素になっていき、ビリー・アイドル、マイケル・ジャクソン、マドンナらがスーパースターとなっていった。

産業化したヘヴィメタルが派手な方向を目指す一方、アンダーグラウンドではハードコア・パンクの影響もあり、ヘヴィメタルの攻撃性・速さを追求したロックミュージシャンが勢力を拡大した。メタリカ、スレイヤー、アンスラックスらにより確立されたスラッシュメタルは、アンダーグラウンドで多くのファンを獲得していき、後のブラックメタル、デスメタルに多大な影響を与えた。

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オルタナティブ・ロックのメインストリーム化(1991年-1994年)
MTVが派手な産業ロックを流す一方、有線放送チャートやインディーズチャンネルでは、パンクに影響をうけたオルタナティブ・ロックと呼ばれるサウンドが姿を現していた。特にシアトルのインディペンデント・レーベルのサブ・ポップがサウンドガーデンやグリーン・リヴァーといった地元の有望バンドを精力的にバックアップしていたことから、シアトルのアンダーグラウンドシーンは次第に注目を集めることとなる。そのような中、1991年にニルヴァーナが『ネヴァーマインド - NEVERMIND - 』でメジャーデビューし、全世界で1,000万枚を売り上げる大ヒットを記録、グランジ・ブームが訪れる。

また、ほぼ同時期に、ファンクやヒップホップのグルーヴ感を取り入れたミクスチャー・ロック・バンドとして注目されていたロサンゼルス出身のレッド・ホット・チリ・ペッパーズが、5thアルバム『ブラッド・シュガー・セックス・マジック - BLOOD SUGAR SEX MAGIK - 』(1991年)をリリースし大ヒットを記録、ヘヴィメタルに代わってオルタナティブ・ロックがロックのメインストリームとなっていく。

一方、メタリカが5thアルバム『メタリカ - METALLICA - 』(1991年)で提示したヘヴィなサウンドは、パンテラの6thアルバム『俗悪 - VULGAR DISPLAY OF POWER - 』(1992年)においてよりヘヴィで攻撃的なサウンドとなって、数々のバンドの手本とするところとなり、ミクスチャー・ロックと相まって、次代のコーンやレイジ・アゲインスト・ザ・マシーン、マリリン・マンソンなどのヘヴィ系ロックバンドがメジャーデビューする下地を切り開いた。

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ポスト・グランジの時代(1994年-2000年)
1994年のニルヴァーナのリーダーであったカート・コバーンの自殺により、グランジブームはオルタナティブ・ロック・ムーブメントに呑み込まれる形で終わりを迎える。そして多様性を増したオルタナティブ・シーンは、ドラマティックな楽曲展開で絶大な支持を得たスマッシング・パンプキンズらを中心に、フー・ファイターズやウィーザーのようなキャッチーなメロディを売りにしたバンドや、コーンやレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンといったヘヴィなミクスチャーロックバンド群に後押しされる形で肥大化。『オルタナティブ・ロック』は一ジャンル用語に転化していく。

また、アメリカでグリーン・デイやオフスプリングなどのポップ・パンク・バンドが人気を博す一方、イギリスでは原点回帰的サウンドともいえる、オアシスとブラーに代表されるブリットポップムーブメントが発生した。そしてその後を追う形でレディオヘッドやトラヴィス、コールドプレイといった叙情的なバンドが登場し、2000年代も活躍を続けている。

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ロックンロール・リヴァイバル・ムーブメント(2001年以降)
コーン、リンプ・ビズキット、リンキン・パークなどのブレイクによりオルタナティブ・ロックがロックの本流としての地位を確立するにつれて、旧来のストレートなロックサウンドが見直されるようになる。そのような状況下、2001年にアルバム『イズ・ディス・イット』でデビューしたストロークスがそのガレージロック的なアプローチから注目を浴びることとなり、『ホワイト・ブラッド・セルズ』(2001年)でメジャーデビューしたホワイト・ストライプスや、リバティーンズ、ダットサンズなどのバンドとともに、『ロックンロール・リバイバル(又はガレージロック・リバイバル)』と名付けられ、現在(2006年)なお人気を博す。

また、その中からフランツ・フェルディナンドやアークティック・モンキーズといった、1980年代のニューウェーブやポストパンクを思わせる鋭角的でダンサブルなビートを取り入れたバンドたちも続々と台頭し、新たな勢力としてチャートをにぎわしている。

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ロックと音楽製作
ロックの発展期とレコードの製作技術と録音技術の発展期とは重なる。ロックンロールが生演奏を再現するためにレコードを用いたのに対して、1960年代以降のロックはレコードでこそ実現できる音楽を目指した。そのため、複雑な多重録音やステレオ再生を生かしたミキシングなどが多用された。これは全く新しい音楽の製作姿勢であり、多くのミュージシャンが様々な試みを導入することで短期間のうちに多様なスタイルが生まれた。その影響はレコード (CD) 製作される音楽全てに及んでいる。

その反面、複雑に構成された楽曲をライブで演奏することが不可能になり、レコードにおける完成度とライブ演奏との落差が指摘される事態にもなった。これにたいしてライブにテープレコーダーを持ち込み生演奏の補完をすることで乗り切る試みもおこなわれ、これによりステージ上では何人かのメンバーがヘッドフォンで録音されたガイド信号を聞きながら演奏する光景が多く見られるようになった。

さらには本来ドキュメンタリーとしての性格が強かったライブ録音までも後からの編集、オーバーダビングにより完成度を高める手法が多用されるようになり、一部の音楽ファンや評論家からは異論が出されることもある。

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ロックとファッション
グランジ・ファッション - パンク・ファッション

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ロックのサブジャンル
新しい感覚を盛り込んだロックが同時期に複数のヒット曲やアルバムを生んだ場合、新たなカテゴリで呼ばれるようになる。それをロックのスタイルという。多くは配給企業の営業目的から命名されるが、その後も音楽的な影響を保ちつづけ一過性に終わらないものもある。

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ロックスタイル一覧
リバプールサウンド - フォークロック - ハードロック - ソフトロック - プログレッシブ・ロック - サイケデリック・ロック - アート・ロック - クラウト・ロック - シンフォニック・ロック - ガレージロック - ブルーズロック - ラテンロック - グラムロック - サザンロック - スワンプロック - レイド・バック - ウエスト・コースト・ロック - シンガーソングライター - カンタベリー - ユーロ・ロック - ブラスロック - ヘヴィメタル - LAメタル - スラッシュメタル - デスメタル - ブラックメタル - ドゥームメタル - テクノポップ - パンク・ロック - サイコビリー - Oiパンク - ハードコアパンク - AOR - ネオアコ - パワーポップ - ホワイトソウル - ブルー・アイド・ソウル - パブロック - ニューウェーブ - オルタナティブ・ロック - エモーショナル・ハードコア - グランジ - インディーロック - ニューロマンティック - エレクトロニックポップ - マッドチェスター - シューゲイザー

ロック

ギターステーション/ギター/エフェクター/アンプ/ピックアップ/その他/相互リンク/ギターとは/エレキとは

Wikipediaより引用