early times 駄菓子屋バーボンナイトいつのまにか5月のララバイ太陽の雫ラブソングデジャヴ氷点下の中で白い道風の中に巣を作る鳥




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駄菓子屋


町の路地裏のちっちゃな駄菓子屋
のれんをくぐるとまた若返り
幼い夢がぎっしり詰まった
駄菓子屋はおっきなおもちゃ箱

    一個五円のロウ石は 僕の家まで続いてた
   
  駄菓子屋のおばちゃんはにっこり笑い
  駄菓子屋のおばちゃんは夢売り商人

駄菓子屋の娘さんが嫁いで行った
おばちゃんは一人で駄菓子屋に残ったんだ
幼い夢に包まれてるから
おばちゃんは歳をとらないのかな

    夕暮れ時まで子供で賑わう 駄菓子屋さんは今も繁盛

  駄菓子屋のおばちゃんはにっこり笑い
  駄菓子屋のおばちゃんは夢売り商人

久しぶりに駄菓子屋に行ってみた
おばちゃんは僕を見てまだ坊やって呼ぶよ
おばちゃんにとってはみんなが坊やで
みんな駄菓子屋の揺りかごで育ったんだ
    
    季節外れの花火を買って 二十歳の年を打ち上げました

  駄菓子屋のおばちゃんはにっこり笑い
  駄菓子屋のおばちゃんは夢売り商人


















バーボンナイト


   割り切れない思い 笑顔で割って
    空けてしまおう このアーリータイムス
    生きてる奴は誰もいないのか
    今の暮らしに揺れる 僕らのアーリータイムス

懐かしさだけでは笑えないものか
あの頃は間違っていたと後悔ばかりか
カウンターに並べた愚痴をつまむ程
記憶の中のお前まで俯いてしまう

自分の歴史ぐらい信じてやろうぜ
あの頃はあの頃に精一杯だった
背伸びしてでもしがみついていたい
俺にもお前にもそんな夢があった

世代が泣いてるぜ俺達の背中で
もっとしたたかに生きてくれよと
青いわがままほとばしる命の
今に繋がるほこりを見せていてくれ

    割り切れない思い 笑顔で割って
    空けてしまおう このアーリータイムス
    生きてる奴は誰もいないのか
    今の暮らしに揺れる 僕らのアーリータイムス



















 いつのまにか


懐かしい人の顔を 妙に思い出させる
心がまた弱くなっていくのか
過ぎた事だと 新しいたばこをくわえて
今日の幸せに日を灯す

   生き方を変えるなんて笑わせる
   心の景色はちっとも変わらないのに

     一匹狼じゃない はぐれちまっただけ
     いつも羨ましそうに 群れを見てた


思い出に振られても なお忘れがたい時代
ラブソングをしたためていた
一人の心に鍵をかけながらも
笑顔をずっと待ち続けていた

   面影を辿れば後ろ姿ばかり
   でも夢って奴は 時には叶うもんだね

     一匹狼じゃない はぐれちまっただけ
     いつも羨ましそうに 群れを見てた


       いつのまにか 赤い空が広がって‥



















五月のララバイ


柔らかな陽射しに 踊る君の髪を見てた
このままずっと心静かに 君を見つめてられたら

漂う夢を見てた 光の海に浮かびながら
明け方の微睡みの中 君の面影だけを追っていた


     笑顔にかげりのないように
     君らしく 君の気に入るように
     あう度に募る思いは
     繰り返し呟く いつか祈りになって


優しくなれた頃を思い出す 君の言葉のひとつひとつを
木漏れ日の中流れる 子守唄のように聞いていた
          子守唄のように聞いていた


















太陽の雫


鳥の羽音に目覚める朝 通り雨に洗われた街
こぼれ落ちる太陽の雫を 水溜りに受け止める

   歩くことが 歩くことが こんなにもうれしいや
   熱い言葉を呟くだけで 僕は一杯になる

     難しい顔をすることはないぞ 
     ホラ笑顔が駈けてくる
     景色はいつも唄いかけてくるよ
     目をそらさないで唄い返そう


ねえやる気だけじゃ駄目なのかい 本当にそうなのかい
言葉よりは人を信じていたい でもあったかい言葉が欲しい時がある

   夢見ることが 夢見ることが こんなにも切ないや
   吐き出す言葉のひとつひとつが 風にさらわれていく

     でも難しい顔をすることはないぞ
     ホラ笑顔が駈けてくる
     思い出はいつも語りかけてくるよ
     目をそらさないで唄い返そう


















ラブソング


陽溜りはまた小さくなって 子供達を家に帰した
笑い声が消えた辺りを 僕はじっと見つめてた
 
      明日に続くものはいつも 乾いた休止符を打つ
      日が暮れてしまう前に 君を帰さなくちゃ

マーマレード色の通りで 振り向く君の
言葉を遮るように手を振る 分かってるよ‥


      君の相槌の中に消えた 多くの夢達は
      何一つ叶わないまま でもまだ見ていたい

水彩画の街に浮かべた 君へのラブソング
これがただひとつ夢の始まり そして‥

これがただひとつ夢の始まり それから‥






















デジャウ゛


アンデルセンのおばあさんが 日傘をさして歩くこの道は
ロウ石でめかす事もなく ひっそり閑とすましてるけど
町の名前と同じくらいに ハッキリと覚えているのは
懐かしい風の唄と 貴女の温もりと
 
   きっといつかこの風景の中に僕はいたんだ
   そして 貴女にあったんだ

いつか見た夢の中で 貴女は幸せそうでした
だから今貴女に 会うのが恐いのです
多分僕は貴女を 美しく見ているのでしょうから
写真の笑顔に 恋したのかも知れません

   きっといつかこの風景の中に僕はいたんだ
   そして 貴女を愛したんだ

夕暮れの海岸通り 揺れる波のキャンパスを
引き裂いて走る波が 心ふるわせた夏
立ちのぼる陽炎のように 揺れる不確かなやりとり
これほど確かなものはないと 思えた頃の足取りは何処だ

   きっといつかこの風景の中に僕はいたんだ
   そして 貴女と別れたんだ























氷点下の中で


何もない田舎にやってきた
ポケットの中に街を忍ばせて
気に入った奴と握手しようと
いつも両手はポケットで温めていた
陽溜りの中に座り込んでいると 
一人でも生きていける気がした
すがりつくものなど何もないんだと 
いつも心を明日に預けてきた

    少しは自分を取り戻したのか
    時に預けた日々の中から
    でもそれが 弱い僕だとしたら
    もう一度体を時に返そう

  氷点下の中で思いを凍らせて
  春には街を歩いていたい


人生なんだねいつの間にか 
季節の狭間でそう呟いた
いつまで続くこのさすらいが 
人生になってしまったんだね
旅の続きだね今この時も 
どんなにくつろいでいようと
生まれた街にいようと何処にいようと 
次の列車までの待ち時間だね

    今日もまた明日に はみ出してしまったよ
    独り言を書きとめる時間だけ
    思い通りに生きてきたのだから
    分かってくれとは云わないから

  氷点下の中で思いを凍らせて
  春には街を歩いていたい




















白い道


貴方が白い道を歩き始めたのは 
時の足音を聞いたからでしょう
もう若くないさとはにかんだ瞳は 
でも少年の光をたたえていた

勇気とためらいを戦わせながら 
ひたすら今は走りたいのでしょう
打ち消していても何も始まらない 
全てを認めようというのでですね

   ここから先はまだ土が柔らかいよ
   一人でお行きなさい
   人の心に惑わされないように
   一人でお行きなさい

途切れ途切れに口にした大きな夢 
笑う筈もない確かに聞いたよ
何年かが過ぎてこの大地で会った時 
貴方がその夢の中にいますように

冬の白い道はまっすぐに続く 
夏は曲がりくねってる道でも
全てが白く覆い隠された 
その上を足跡はまっすぐに続く

   ここから先はまだ土が柔らかいよ
   一人でお行きなさい
   人の言葉に惑わされないように
   一人でお行きなさい



















風の中に巣を作る鳥


パステルカラーのフィルター越しに
君が見えるのはそよ風のせいだね
時に馴染んで大きく膨らんだ
尽きぬ思いにほほえみを返す

   君は風の中に巣を作る鳥のように
   季節の間に間に夢をさえずってくれる
   君は風の中に巣を作る鳥だから
   でも 誰の心にも留まりはしない

遠く離れても もう淋しくないよ
この風の中に君の声が聞こえる


春風が吹いてくる 優しい南風
きっと君の笑顔の辺りから
懐かしいシャボンの匂いと一緒に
冬に閉ざされた僕の窓辺まで

   君は風の中に巣を作る鳥のように
   季節に間に間に夢をさえずってくれる
   君は風の中に巣を作る鳥だから
   でも 誰の心にも留まりはしない

新しい川を 渡る時には
同じ風に吹かれていたい