風来 光合成旅愁ノクターン棲処(すみか)いつか風来睡海(まどろみ)ギャンブル風化路次へ 




songbook menu 枯淡(せぴあ)へ















光合成


  空 から幸せは降って来ないけど 
  暖かい恵みはいつも君に降り注ぐ
  この世に生まれてきて良かったと 
  体一杯満たされて君が芽吹くように

  さすらいを手に入れた遠い昔から 
  陽に病んだ胸癒しながら歩いて来れたんだ
  背中に当たる太陽が君を後押しする 
  前に伸ばした影はまだ俯いているのかい

  聞かせておくれ涙した恋を 
  汗に流れた夢を挫けかけた心を
  雨冠の胸晴れるまでは 
  二人一緒に黄昏れてもそばにいるから

  君の涙が思い出潤す 
  君の汗が未来を耕す
  溜め息ひとつが陽の光浴びれば 
  始まりの力になる事を知っているかい

  空 から幸せは降って来ないけど 
  暖かい恵みはいつも君に降り注ぐ
  この世に生まれてきて良かったと 
  体一杯満たされて君が芽吹くように


















旅愁



雨上がり 庭先 窓の下
何処から迷い込んだの 白い猫
 もうとっくに 雲は切れて晴れてるよ
 いつまでそこで 寝たフリしてるの 君は
 僕は

Uh lalala  落陽につのる胸
Uh lalala  摩天楼を焦がして
Uh lalala 遠く離れるだけが
Uh lalala 答じゃないと知る

居心地のいい場所で暮らしたい
旅人を感じない町に埋もれたい
 巡り合えて良かったと 笑える日まで
 でもどうしてここで 立ち止まっているんだ 僕は
 夢は

Uh lalala  日常が飛び交ってる 
Uh lalala 言葉の町流れて
Uh lalala 落ち着く旅の終わりは
Uh lalala ここではないと知る

太陽の下では 笑顔が溢れた
    でもたったひとつの悲しみにも 入り込めない
    落陽につのる胸 摩天楼を焦がして
 

Uh lalala  遠く離れるだけが
Uh lalala 答じゃないと知る
Uh lalala 落ち着く旅の終わりは
Uh lalala ここではないと知る

















ノクターン


優しさに傷ついて独りぼっち 心は何処まで流れていく
昨日なら聞き逃したに違いないきっとね 些細な日常の憂さと

    ゆっくりとね 時に洗われて
    羽ばたいてく 貴女を見ててあげる

静けさに救われて 淋しさと紙一重の素敵な独りに帰る
あどけない明日の約束を重ねて 安らぎの時間が変わる

    うたかたの夢 紡ぎあった
    貴女となら 恋も恐くない

飛び倦ねる寒い夜には
息をかけて 翼暖めてあげよう
























棲処(すみか)

鈍色に染まりかけた 胸から逃げ出した言葉を
僕は聞き逃したりしない
独りで生きて行ける ポツリとうそぶく君を
夢ごと抱きしめたくなる

笑顔を繕わないで
涙を怖がらないで

君の胸に棲みたい 心守っていたい
      命あるがままの姿で 瞳に宿りたい

めぐり逢う不思議を 他人事に通り過ぎた
二度と色褪せる恋なんてしない
穏やかに流れてく 日常と裏腹に
胸は君だけで溢れる

明日を閉じ込めないで
一人で傷つかないで

君の夢に棲みたい 心綴っていたい
      もっともっと熱い言葉を 君に刻みたい

遠い未来に弾かれた夜に
僕はもう一人で彷徨わない


















いつか

さよならの忌み言葉として ほんの少し柔らかく響く
いつか またいつかねって 曖昧に時をフェイドアウトする

諦めきれぬのパラフレーズ 淡い期待未練たっぷりと
いつか またいつかねって 僕は未来を甘やかしたくない

軽く口癖のように 時にコンマうつつもりでも
      

あまりに遠い日の 忘れられる為の約束
      いつか

夢見る頃は楽しくて 夢を生きるに辛すぎる
いつか またいつかねって 夢を夢で終わらせる決意

あまりに遠い日の 忘れられる為の約束
      いつか

何万年の未来でも 人は悔やみ続けるだろう
いつか またいつかねって 終わらせてしまった過去を



















風来

譲れないものはみんな この胸にあるさ
体ひとつ心ひとつ 何処へでも行けるさ
明日のことはみんな 夢吹く風に聞け
立ち枯れたまま薫る 昨日から遠離れ

今しかないんだと 若い唄が響く
ひたすらにがむしゃらに 眩しく映るよ
引き返すことはない 振り返ることも
焦らず白けず 今を愛してくれ

夢に泣いていたね
   青いときめき忘れないで

跳べない理由は 何ひとつないのさ
跳ばない自由を 弄んでいるのさ

風来 風が呼んでる
   ふわり 心を任せてごらん

引き返す逃げ道は 自分で閉ざすのさ
歩き続けたなら いつか会えるね


















 睡海(まどろみ)

眠りの浅瀬に逢いに行くよ
君がいない夜海を見たら
夜通し 夢を漕ぎ続け
夜明け前 微睡む岸辺で
君と出会うよ 

乾いた夜空に雨を奏で
灰色の雲間に虹を弾き
唄声 闇を駆け抜け
覚めやらぬ 夢見る窓辺に
君を訪ねる

    時が凪いだ水辺に
月を浮かべて
  頬をくすぐる光で
    君を目覚めさせるよ

彼方に眠りの海を見たら
夜を脱ぎ捨てて駈けておいで
しなやかな猫にかえって
伸び上がる両手受け止め
君を連れてく


















ギャンブル

汗に紛らせて 髪に移した
涙ひとしずく お前にすれば
精一杯の強がりなんだね

何ひとつ変わらない 夢ひとつ追えない
力及ばない 背伸び届かない
開き直るしかない 駄目でもともと

冷めた珈緋と 冴えた憂鬱で
夜を長くして どんどん尖らせる
なんでもない夜に勝負をかけるんだい

一か八か 吉か凶か

勝つか負けるか 生きるか死ぬか

一夜明ければ かけらも残さない

























風化

飛び交う言葉の隙間を縫って
思いはふいに込み上げる
曇り空の下すれすれに
いとしさがまっすぐ飛んでいく

   こんな切ない季節に どうして一人でいられる
   溜め息を紡ぐ日々は なんて嘘っぱちなんだろう

ひゅうるる ひゅるうる ひゅるる風に晒されて
  ひゅうるる ひゅるうる 素直な心に向き合うんだ

いつも頭で恋をしている
いつも答を求めてる
はやる胸押しとどめた辺りで
愛の形探してる

   そんな所に何もない 独りよがりと分かっても
   堂々巡り続けた 君に出会うまでは

ひゅうるる ひゅるうる ひゅるる風に削られて
  ひゅうるる ひゅるうる 限り無く硬く透き通るんだ

耳をすませ身を研ぎすまして 震える夜を感じてる
  巡る朝に繰り返す刹那 もう独りでいたくない

ひゅうるる ひゅるうる ひゅるる風に身を包み
  ひゅうるる ひゅるうる 何処までも君に沈みたい



























路次へ



夕餉も忘れ 路地裏の足元に広がり続けた
幼い世界を散らかしっぱなしに
何度も夕陽を見送り 無口な季節で立ち止まり
辿り着いた時代に 何を夢見てる

足跡大きくなって 地面が遠のいていっても
少しずつしか大人になれないんだから
しっぽ振らなくていい もっとわがままでいい
気紛れを綴るのは ずっと後でいい

さらけ出していく内に
     薄っぺらにならないように
     言葉を重ねていくだけで
     満足せぬように

あたため続けた心に嘘のないように

変わり続けていく内に
     見失わないように
     時を重ねていくだけで
     落ち着かぬように

こだわり続けた心に笑みがあるように