2004年8月19・20日旅行記 鉄道最高地点を目指せ
 
 
(1) 山梨・勝沼にてワイン三昧・前編。
 
 
 
一昨年に訪れた稚内・去年に旅した枕崎・西大山…。これで僕は日本の鉄道の最北端と最南端へと(鉄道のみを使って)到達していることになります。(沖縄モノレールのことは積極的に忘れます>笑)
 
となると、今度は「最東端」根室か「最西端」たびら平戸口を目指したいところなのですが…しかし今の僕にはそんな時間のゆとりなんて全くない!!バカみたいに有給使えた去年までの職場が懐かしい。でもどこかへ旅はしたい、そう、一泊二日くらいで行ける、そんなに遠くない場所。それでいて鉄道絡みの「何か」がある場所へ…。
 
と思ってたら、ちゃんとあるじゃないですかホラ!! JRの小海線にある駅[野辺山]がなんでも「日本の鉄道で一番高い場所にある駅」だそうで。その近辺には日本の鉄道の最高地点があって、きちんと碑だとかも立ってるらしい…。これはもう、制覇しないワケにはいきません!! 距離的にもちょうど良さそうですし。
 
 
そんなワケで半ば思いつきで計画した(笑)今回の旅。8月の半ばにうまいことニ連休が取れたので、そこで決行とあいなりました。
 
 
8月19日(水)。早朝に目を覚ますと、天気も快晴の模様。その付近では天候が崩れ勝ちだったりしたこともあって天気だけが心配だったけど…自分の相変わらずの晴れ男ぶりに我ながら感心(笑)
 
朝6時くらいにマンションを出て、勝どき橋を渡って築地から勝どきへと歩きます。早朝の隅田川がなかなかにいい風情。そして勝どきの駅から都営大江戸線に乗り込み、途中で東京メトロ半蔵門線へと乗り換えて錦糸町へ。ここが今回の旅のスタートです。
 

錦糸町の駅。
あまりパッとしません(笑)

これが錦糸町駅のホームの様子。
やはりあまりパッとしません。
 
駅のホームでまずは朝食を購入。今朝のメニューは菓子パン二つにコーヒー。…と、いつもの僕ならばこんな時は「朝からビール!!」となるのですが、今日はアルコールを取りません。なぜなら今日は、山梨県は勝沼でワインを楽しみまくる予定だからです!!
 
今回の旅行、メインは鉄道日本最高地点を目指すことなのですが、それだけに二日を費やすのはもったいない。更にオプションに何か…と思っていたら、ありました。小海線の起点[小淵沢]へは中央線で行くワケですが、小淵沢よりもやや手前、山梨県の勝沼あたりは国産ワインの生産地として非常に有名。ワイナリーも大小様々にたくさんあります。ならば、ワイナリー見学にワイン試飲・そしてワインレストランで昼間っから気分良く酔っ払うと言う、ワイン三昧の一日と言うのはいかがでしょう!! 
 
 
さて、待つことしばらく。僕の乗る[あずさ3号]は7時過ぎにホームへとやってきました。使用車両はJR東日本の中ではかなり新しい部類の、そして今後の特急スタンダードとなる(?)E257系。白いボディーに、パステルカラーの帯が美しい車両です。それでいて前面のブラックフェイスのおかげで、決して甘すぎる印象にはなっていない。デザイン的にはかなり僕の好みのタイプ。
 
そして今回は奮発して、いきなりグリーン車に乗ってしまうことにします。初体験のE257系。当然ながらそのグリーン車も初体験です。 
 

入線してきたE257系。
[あずさ3号]

E257系グリーン車内。
木目で重厚な印象です。
 
ドアから乗り込むと、デッキ部分の造作もいい感じ。E257系のグリーン車は半室構造になっていて、半分が普通車・半分がグリーン車という形になっています。そしてその中間部分にデッキと乗降口があるというちょっと変わったスタイル。デッキはシンプルながらもダウンライト等で印象的な演出がなされてます。
 
グリーン車内に入ると、一面に木目調が広がります。天井や、壁面が木目調(と言うか木材そのもの)で飾られ、そこに天井からの照明が間接照明主体に、ダウンライトで黄色い光が差し込み、全体的に重厚な、それでいて明るいイメージで統一されています。
 
床は一面に絨毯が敷き詰められ、なかなかに抜かりの無い雰囲気造り。この車両のグリーン車は割と酷評さがちなのをよく聞くのですが、雰囲気だけ見ればかなり高いレベルだと個人的には思います。ただ、シート配置が通路を挟んで2対1の三列ではなく、普通車同様2対2の四列配置。これがどうしても大きなマイナス面になってしまいます。座席定員を考えてのことなのでしょうが、ならば最初から半室グリーンなどにせずに全室グリーンにして、三列配置にした方が良かったのでは?
 
7:08に錦糸町を出発する[あずさ3号]。車中では朝食を取り、車内販売でコーヒーを頼んだり、景色を眺めながら過ごす車内。朝からグリーン車というのもなんとも贅沢でいい気分。
 
ただ、このグリーン車。乗っているうちにいくつかの気になることが…。まずシートに関しては、座り心地そのものは決して悪くない。どっしりしたシートはなかなかの掛け心地。でもやっぱり四列配置と言うのが痛い…。隣に人が座った時など、どうしても圧迫感を感じてしまいます。そんな圧迫感から開放されてこそのグリーン車なのに…。
 
次に騒音。たまたま僕の座った席が一番壁面より、すなわちちょうど台車の真上辺りだったせいもあるのでしょうが、走行音が結構気になります。別にVVVFのモータ音とかはいいのですが、線路のジョイント音がもろに車内に響いてくるのはちょっと…やはり特急・それもグリーン車となれば客室の静寂さというのはどうしても欲しいところなのでは?
 
そして…これはもう、あまりに痛過ぎるマイナスポイントなんですが…。
 
 
あの…クサいんですけど
 
いやホント、冗談抜きに臭いです。たまたま僕の座った席が一番壁面より、すなわちトイレのあるデッキよりだったせいもあるのかもしれないのですが、トイレの利用がある度に、あの何ともいえない臭いが漂ってくるのです…これにはホント参りました。いくらトイレの近くの席だからって、客室内にトイレがあるワケでなく、きちんとデッキで区切られているのに…これはなぜ? いや、デッキが無くて客室内に直接トイレの設置してある近郊型車両だって、こんな体験したことはありません!!(笑) なんだろうこれは…トイレで水を流す度に、汚物タンクの中の臭いが逆に客室内に逆流してきてしまっている様な、どうもそんな感じがするのです。でももし本当にそうなら、これは明らかに設計ミス。いやホント、マジで早急にどうにか対応すべきです。お願いしますよJR東日本さん、マジで!!
 
とまあ、快適なんだか快適じゃないんだかよく分からない時間を過ごすE257系グリーン車の旅(笑) 列車は中央線をひた走り、8:54に[塩山]に到着。
 

塩山に到着したE257系サイドビュー。
パステルカラーのラインが美しい。

塩山駅前。
まあ、どこにでもある田舎の駅の感じ。
 
ここから本日のワイン三昧の旅、スタートです。駅前でタクシーを拾い、[メルシャン勝沼ワイナリー]へと行ってもらうことに。勝沼近辺には大小様々にワイナリーがあって、どこへ行こうか迷ったのですが、大きな規模のこのワイナリーを結局選択。ここの[甲州グリ・ド・グリ]というワインを以前に何度か飲んだことがあって、それがとても美味しかったというのもあるので(本当に美味しいワインです)
 
ワイナリーに到着すると、降りる時にタクシーの運転手さんが、タクシー会社の電話番号に運転手さんの携帯番号まで書かれた名刺を手渡してくれました。なんて親切な…と思いましたが、まさかこれがあとあとで助けてくれることになるとは…。
 
さて、まずはワイナリー見学に先立ち、近辺のぶどう畑だとかをぶらぶらと散策。このワイナリー所有の[ワイン資料館]と言うのも近所にあって、そこも凄く見てみたかったのですが…でも今のシーズンは開いていないということで何とも残念。でもこの建物が何でも元は日本最古のワイン醸造所ということらしくて、趣のある建物だけでも見る価値はあります。
 

一面広がるぶどう畑。
写真では分かり辛いですが、実もなってます。

[ワイン資料館]
趣のある建物。中も見たかった…。
 
そしていよいワイナリー見学。ワイナリー従業員のお姉さんの説明に従い、最初に映像でワイン製造工程を簡単に見て、それから実際に醸造所の中、更には地下のワイン倉庫(カーヴ)へと。
 
ただ、今はまだシーズンオフとのことで、実際に醸造所は稼動しておらず、使われている機械類を見るだけという形になってしまいました。時間も15分程度で終了してしまい、ちょっとあっけなかったかも…。また今度はシーズン中に来てみたいものです。
 

[メルシャン勝沼ワイナリ−]
思ってた程大きくはなかったです。

ワイン醸造の為の様々な機器。
圧搾機だとかがずらり。
 
さて、見学が終わったらお待ちかねの試飲タイム!! このワイナリーでは売店で無料の試飲も出来るのですが、でもそこで飲めるのは限られた種類の、いってみればスタンダードなワインだけ。それと別に試飲の為のちょっとしたバーみたいな場所があって、そこではお金がかかるものの、特別な種類のワインも色々と飲むことが出来ます。
 
せっかくなのでそこで、ちょっと高級なワインも試飲してみようと入ってみます。と、客は僕の他には誰もいない…て言うか、従業員の人もいない(笑)
 
待っているとすぐに、先ほどの見学の時に説明をしてくれたお姉さんがやってきました。そして待ちに待ったワインの試飲。せっかくなので、高級なランクのを飲んでみることにします。赤ワインの[城の平カベルネソーヴィニヨン]。先ほど工程見学の際に、最後のカーヴでお姉さんがその名前を口にし、その値段に客一同がため息をついたワイン。一本12,000円だそうです(笑)
 
これが試飲で、一杯1,200円。なかなかイイ値段がします。まあでも何事も経験、経験。
 
口に含んでみると、なるほどどっしりとした味わい。かなり樽香が強く、タンニンの渋みも強烈なフルボディの赤ワイン。これはそのまま飲むのよりも、何か料理と合わせてみるときっと美味しくなりそうな、そんな感じがします。クセの強いチーズや、味の濃い食べ物。重たい食べ物に美味く合いそうな気がします。
 
ワインを飲みつつ、お姉さんと色々話をします。お金を払ってまで試飲をする客(しかもたった独りでこんなとこまで来てますし)と言うことで、ワイン好きとバレてしまったのでしょうか。色々とワインの話とかしてくれます。そして、サービスで他のワインも少し、試飲させてくれました。
 
売店でも見つけて、気になっていた甲州種のワイン。それに、シャルドネで造られたちょっとランクの高いワインを飲ませてくれました。どちらも美味い。タダと思うと余計に美味い(笑) 特にシャルドネの方。これはちょっとした驚きです。とても日本産のシャルドネのワインとは思えないクオリティの高さ。知らずに飲んだら、ブルゴーニュだと言われても気づかない位。凄く美味しい。いやはや参りました…。
 
このシャルドネ[北信シャルドネ]は6,000円。気に入ったので売店で早速購入(笑)
 
 
こうして朝からワインを飲んで(まだ12時前)、ちょっとイイ気分で次の目的地へと向かいます。
 

[メルシャン勝沼ワイナリ−]全景。
色々とありがとうございました。

ワイナリー近隣の風景。
正しい日本の、里山が広がってます。
 
それにしてもこの[メルシャン勝沼ワイナリー]、なかなか良かったです。大きな会社のワイナリーだから設備も大きければ従業員もいかにもサラリーマン的で、見学とかするにしてももっとこう、ちょっと無機質的な感じなのかな…と思ってたのですが、そんなことはありませんでした。
 
ワイナリーの規模自体も思ってたほどに大きくは無かったですし、従業員の人も温かい感じで良かった。試飲サービスもしてもらえましたし(笑)、それに一般客には配ってない(と思われる)、ちょっと特製ぽいパンフレットまで戴いてしまいました。
 
[甲州グリ・ド・グリ]で、自分の中ではなかなかに好イメージだったこのワイナリー。更にイメージアップしそうです。
 
周りの風景もなんとものどかでいい感じ。今回の旅もいい旅になりそうな予感…。  
 
 
 
 
 
→鉄道最高地点の旅その(2)へ続く。