殺人喧嘩REVIEW

HARDCORE FUCKTORY Inc.

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ANTHRAX STATE OF EUPHORIA

1988年発表。正しくスラッシュメタル全盛期のアルバムである。


この時代、スラッシュメタル四天王と称されるバンドが存在した。

METALLICA、MEGADETH、SLAYER、そしてこのANTHRAXである。

80年代中期、スラッシュメタル業界は混沌としていて、
「カオス」という言葉がピッタリなくらいに様々なバンドが出ては消えていった。

そこには、このWebでも度々登場する文節「METALLICAになりたかったバンド」がしのぎを削っていた。

その中にあって、先程称したように四天王や四強と言われたバンドは神格化していく。

ここに挙げた4バンドは独自の路線を築き上げ、他のバンドはコピーに過ぎなかった。
ちょうどPV全盛期でもあり、METALLICAが初めて「ONE」のPVを作ったと思えば
MEGADETHはピストルズのカバー「Anarchy in the U.K.」を発表し、 SLAYERは先発の「Angel of death」でスピード路線をぶっちぎる。

そして、ANTHRAXは「antisocial」でキャッチーさをアピールし、

後発の「who cares wins」でホームレス問題を取り上げ、社会を斬る。

オリジナルメンバーでギターのスコット・イアンはHardcoreにも傾倒していて、
以前紹介したS.O.Dにも参加している。(ドラムのチャーリー・ベナンテも)

しかし、ANTHRAXのグッズに(*脚注)N.Y.H.Cと書き込んだ事により、
本当のN.Y.H.Cからちょっと嫌われるw

本来、N.Y.H.Cとはsick of it allやsubzeroと言ったザクザクのギターに
アンキャッチーなヴォーカルが乗りスラッシュメタルとは異なるものだからだ。

アルバムレビューから脱線してしまったが、このアルバムは総じて完成度が高く
2012年の今聴いても「1980年代凄いじゃん!」と唸るくらいに出来は良い。

月日は経ち、24年前の懐かしいアルバムになってしまった。

が、オルタナティブやグランジ、90年代以降の流行り音楽に辟易している貴方には
最高の1枚と言えるだろう

(*脚注)N.Y.H.Cとは…New York Hard Coreの略称で、実際はスラッシュメタルとは無関係である。



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