バンドマスターの愚痴


その1 吾が音楽人生の巻 

その1の11、『イカ天』出演に至るまでの苦悩


平成2年4月のイベント出演から、各々地元に帰った我々ですが
それから約1ヶ月、メンバー間で壮絶な意見の葛藤があったのでした。
はたして、このお誘いにノるべきか、蹴るべきか。

@「お坊さんのバンド」という色眼鏡で見られてしまうのは如何なものか

Aプロを目指して一生懸命頑張ってるバンドが他にもいるのに
 我々のような「ポッと集まってパッと演奏した」バンドが出演してよいのか

Bそもそも、お坊さん業界でこういう表立った場所に出て行った前例が無い
 同業の偉い方からお叱りを受けるのでは?

といった事を、4人は真剣に話し合いました。
話し合うといっても、全員集まって会う事はなかったので随分電話代がかかりましたが。


で、最終的には君ちゃんが皆を納得させる答えを出してくれました。それは

Bについては、言動には細心の注意を払い僧侶としての節度と品位を失わないよう心がける、
 それでもお叱りを受けることがあれば謝り倒すしかない。

Aについては、万に一つのご縁があって折角お声を掛けて頂いたのだから
 このご縁を大切にしましょう。

そして@について、
イロモノに見られるのは仕方が無い。
ただ、元々我々は音楽が好きで
たまたま同じ大学で知り合い、たまたまバンドを組むに至った、
これまた、たまたま全員坊さんだった、ってだけじゃないか。
音楽が好きで、自分達の音楽を演るという「揺るぎない信念」みたいなものがあれば、
他人からどうこう言われても大丈夫じゃないのか。

というものでした。
いやぁ〜、君ちゃんスバラシイ!まるでお坊さんみたい。

かくして、「自分たちの音楽」に改めて納得した我々は、『イカ天』出演を了承したのでした。



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