ライブ・レポ

《jazz》トリオ・ザ・マサチャンズ
日時:03/03/02
場所:宮城県大河原町「えずこホール」
佐山雅弘(p)小井政都志(b)大坂昌彦(dr)


 3月2日宮城県のとある町にM'sがやってきました。

パントマイム&絵本朗読&ジャズという企画。
イマドキの言葉でいうところの「こらぼれーと」(これって突然流行り出した言葉だよね)ってやつッスかね。
子供騙しというか、親子向けというかそんなところかもしれないけども、M'sのジャズ講座もあるし、チケットも安いし、M'sは個人的思い入れもあるし、打ち上げにもお誘い頂いたし、とても楽しみに思って見に行きました。

ところが以外にこの企画が面白くって楽しめました。
絵本の絵が舞台上のスクリーンに映し出されて、朗読が始まり、パントマイマーが絵と言葉に合わせて動きで表現する。そしてM'sが演奏する。。。
これは絵本の朗読以外は「即興」で行われる。(朗読の“間”の取り方、スライドの進行の“間”は即興で)

これは結構すごかったです。こういう表現方法もあるのか!なんて思ったね。なんてったって方向の違うエンターテイメントが融合する訳だから、例えばJazzを部屋で聞きながら寝ながら酒飲んでインターネットしてるみたいな状態である。

さらに客から3つの言葉を貰って即興で物語を作るなんてのもあった。
「ひな祭り」「野球」「すもも」というテーマでお話が作られました。
「すもも」には苦労したんだろうなぁ。ちょっと無理があったけどシュールな絵本ならアリな内容。(?)

また別の企画でM'sが子供たちの描いた絵(決まった形の絵ではなくてイメージを色で表現したような抽象的なもの)を見て即興演奏する企画もありました。
観客も絵を見ながら音楽を聴けるのでイメージの共有感や、目で見た情報の捕らえ方の違い、Outputの表現の違いが楽しめたのではないでしょうか。私はこれが一番面白かったなぁ。

後に行われた打ち上げの席で大坂氏と喋ったときに、コレがホントのフリーな音楽だと語っていました。
絵という視覚的なものをテーマにしたフリーな演奏ということでしょう。

第2部にはM's単独の演奏。
佐山氏はいつものようにノリノリの状態、というかBとDrがそういう状態にもっていき、佐山氏がつい乗ってしまう。
マサに小粋なトリオといった感じを満喫。
まぁ、前回みた時より進化していたM'sだったけど、座った場所がまずかったのか、ベースが弱い。
狭いところで聞かないと面白さが半減してしまうのは仕方ないか。
とはいえ私も観客も拍手したり笑ったり子供もよく聴いてましたね。

ラストの曲Take Five The A Trein のドラムソロは、、、そうだな、
5分くらいやったかな。5拍子中にドラムだけ3拍子に捕らえたり、ソレを倍にしたり半分にしたり。
そして辻褄が合ったのかどうかも解らなくなってしまうワタシ。情けない。。。

打ち上げの席では本番でやったような、客からお題をもらって即興話&パントマイム&演奏(pのみ)が行われましたが、
酒飲みながらやっていたので、お子様には見せれない状態になりました。すぐに。(笑)


この日の、絵を見て演奏するなんてのは絵のイメージという無限の枠の中でのフリーだったんじゃないだろうか。
何もテーマが無かったら、コードが無かったら、スケールが無かったら・・・。つまり本当に音楽的制限がなにも無かったら多分これは音楽にはならない。
つまりそれらを一旦絵に置き換え、個人が絵から受ける視覚的情報をひとつのルールとして音楽をOutputする。またこちらも同じ絵を見ながら一緒に楽しめました。

絵はスクリーンに映し出されるので、「オレならこんなかな」なんて考えながら見てましたが、同じ絵を見てるんだけど、ぜんぜん違う感じに演奏してました。(当たり前のことなんだけどね)
ちょっと前に村上ポンタが「ステージ上で音楽で会話する時がたまにある」って言っていたのを思い出しました。絶対嘘だ!と思っていたのですが(笑)、ちょっとわかった気がしました。

イメージの共有感を味わえたのは興味深いところです。



Da文:onemiss:Drum


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