第15回目釜ヶ崎「寄ってき」まつりレポート 二日目編!はこちら
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text bySENGOKU

天井にさりげなく咲く
藤の花の下に大きな看板。
前日に行われた
労働組合のメーデー集会の名残である。

運動の後に娯楽
これも釜ヶ崎。
ともあれこの看板にブルーシートをかければ簡単に壁が作れる。

今回、寄ってきの看板は、しもピーとあかりさんが描く。

遊び心にちょっとだけ
アートをちりばめた素敵な看板。
花びらを描くあかりさんの傍らで
菓子屋さんがなぜか
幼稚な蛇の絵を描き足してかなり台無し気味になった15回目の看板。

菓子屋さぁぁぁん、僕のささやかな感動を返せ!!

さて第15回
釜ヶ崎「寄ってき」まつりの
看板も揚がったところで、
初日のレポートは仙石が務めさせて頂きます。

 出演者の皆様につきましては歴史上の人物並に
リスペクト申し上げます故
同様に敬称略でご無礼いたします。

わんことぽんぽこ
ある人が釜ヶ崎の事を「緩さと緊張感が同居する街」と形容してたが
舞台でハの字に向かい合いすわる二人は緩い釜ヶ崎にぴったり合う。
 小柄なわんこを
恰幅のいいぽんぽこが暖かく見守ってるようにも見え、まるで親子みたい。。
 心地よい脱力系ブルースで
15回目の「寄ってき」が幕を開ける。

垣井しょうゆ
藤宮 隼が時間なのにまだ舞台袖にもいなくて進行に間ができる。
 折りよく客席にいた
のこぎり奏者垣井しょうゆが急きょ飛び入りで時間をつなぐ。
前回、フォークソングを唄う阿部ひろ江の横で、
レッチリTシャツを着て、のこぎりを奏でてた
垣井しょうゆの二度目の登場はソロ。
 のこぎりの緩い音色にゴザに横たわる労働者のガードも下がる。
心地よい時間が続く。

藤宮隼
いつもは意欲的に参加する藤宮隼だが
この日はかなり無気力モード。
つぶやくようなぼそぼそボーカルは新境地か?
力まかせに言葉を叩き付けるような
彼の唄いっぷりを知る人達は意表をつかれた感じ。
無気力の自分もさらけ出しちゃう藤宮隼は
絵に描いたような正直者である。

ジュンコとロミ
前回出演したロックバンド“ハプニングガールズ”から、
打って変わってウクレレ歌謡。
ボーカルのジュンコとドラムのロミで
1日限定ユニット。
 本番一週間前「お座敷小唄とか懐メロしようかな」なんて言ってたが、
結局実現しなかった。
 でもジュンコの歌声にウクレレの音色が加えると、
大抵の唄は懐メロに聞こえたりする。


さっちゃん&バナナーズ

ずっと舞台袖で
音響操作してた加納さちあが
三線を手に演者として舞台に立つ。
ここの出演者は皆、裏方と観客と演者を
掛け持ちしてる。

紅一点の山田あかりをセンターに据えても目立ってるのは加納さちあ。
曲がバラードや沖縄民謡になっても
一直線に魂をぶつける。

ベースの岳陽もドラムのだいご、ギターのKOEIも器用にさりげなく
そのちからわざを支えてる。
釜ヶ崎のボルテージが一気に上がる。


先ほどのさっちゃん&バナナーズで
力を使いきったのか腕相撲の参加者はたった一人。
このままじゃ前代未聞の取組無しの不戦勝で優勝が決まってしまう。
しばらくすると一人また一人現れる。
MCJunkoも勝負に参加して結局例年通りの大盛り上がり。
終わって見れば 参加賞の発泡酒は全て無くなってた。
優勝は一番目に並んでたかんちゃんの二連覇。
優勝賞品の日本酒を独り占めせず皆に振る舞ってた気前のいいオヤジさんでした。


La.Johnny.Joint

福井のカリスマLa.Johnny.Joint三回目の登場は4人編成。
幻想的なメロディーに
叙情的な詩が乗っかって公園中に広がる。
朗読にも耐えうる歌詞を書ける人は少なくなった今、貴重な存在である。
ここでその彼の詩を中途半端に載せてもあまり意味がないので、
どこかで機会を設けたい。
La・Johnny・Jointの世界に頻繁に触れれる福井のお客さん達がうらやましい。


しもピー&世色

ゆったりとした空気を身にまとったしもピーが
舞台に現れただけで釜ヶ崎がまた
のんびりムードになる。

今日は懐メロを織り交ぜての選曲。
「黒の舟唄」になると余りの懐かしさに
思わず舞台に上がったおっちゃんが
マイクの前にたつ。
「シロウ アンド ロウ♪」
マイクを占領されてもしもピーは慌てない。
自分の世界におっちゃんを招き入れ
「シロウ アンド ロウ♪」
マイクから距離があっても声量はしもピーの勝ち。

でかいけどうるさくないのがしもピーの歌声。

この日の深夜に世色から届いた訃報メール。
そう言えば「デイ ドリーム ビリーバー」「イマジン」清志郎version
数時間後に持ち主が亡くなる事も知らずに二人は演奏してた。


菓子屋

いつも以上に包容力に満ちた菓子屋ワールド。
 何年か前の冬
「ガソリンとマッチ」を唄う菓子屋の横で
丹羽さんと野央が
コーラスに加わりたくてマイクを奪いあってた事がある。
結局丹羽さんがマイクを手離さず
野央のパンチを頭上に浴びながら
機嫌よく唄ってた。

そんな思い出に浸ってるといつの間にかジュンコやロミにわんこ達もステージに上がる。

急がなきゃ慌てなきゃ心の火が消える

足早に去ってゆく人々の罪も許容するような
ぶっきらぼうで暖かい空気に包まれて
初日はおしまい。
二日目はまちゅこけのレポートでよろしくです。