バトン操作

吊り物機構は、用途・方式等により種類が多く色々に分けられていますが、ここでは、身近な
下記の四種類を選びました。

[A]手動巻取式

吊り物の重さを総て人力で巻取る為、パイプに吊るす物は軽いものに限ります。
例えば、看板とかスローガンを書いた布の様なもの。操作が簡単で大変便利なものです。
テニスやバレーのネットを張る時の物と同じで、力の方向を変え昇降型にしたものです。


[B]手動カウンターウェート式

バトンに吊す重さとカウンターウェートとのパランスを取る事で人力で操作するものです。
特徴は昇降のスピードに変化を付けることが出来る事です。
網元と呼ばれる所で吊り物の重に応じて、カウンターウェートを積み重ねたり取りはずしたりし
なければなりません。吊り物の重さと鎮を同じ重さにする事をくれぐれも注意して下さい。


[C]電動カウンターウェート式

カウンターウェートでバランスを取る事は同じですが、スノ子の上部にウインチを取り付け、ワ
イヤーを一度ウインチに巻き付けるので手引きのロープは有りません。総て電動で操作する
為、重さのパランスが少々くずれても心配有りません。


[D]電動巻取式

ワイヤーを直接巻取ドラムに取り込む様で出来ておりますので、カウンターウェートや、網元等
は必要有りません。制限重量は守って下さい。


バトン操作の事故例
・大道具吊り上げによる暗転幕破損事故。

・大道具吊り物撤去時における一文字破損事故

・第二バトンによる第一中割り幕損傷事故。

・美術バトンに吊っていた大道具をはずした際、ウエイトが急に落下鎮枠を破損。

・バトンに吊り込んだスポットライトを取りはずした時、急な上昇をおさえ様としてバトンに
つかま り、宙吊り状態のまま上昇上部の吊り物にぶつかり落下して死亡。

バトン操作及びバトンにパネルなどを吊ると
きの注意点

1.バトンに重量物を吊るときは、バトン自体の最大荷重を確認して下さい。各会館、劇
  場によって荷重は違いますが、平均250キロです。

2.バトン操作の際は、バトンの前後の安全確認してバトンの上昇、下降して下さい。

3.バトンの可動中は、バトンの上手と下手に舞台スタッフを付けて下さい。

4.綱元操作をする大道具もしくは照明さんは、舞台の中で作業中のスタッフ、お手伝い
   さん、小屋管理の全員に分かるように声をかけて下さい。

5.バトンに重量物を吊る場合、パイプのワイヤー近くでパネルや美術セットを吊りましょ
  う。ケタ吊りも同じです。

6.特に撤去時の吊り物を取り外しの際のバランスの変化に注意して下さい。



 
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