邦画三昧8
2007/05/08 う…確かに「乱射事件」ではあるが… 東北の小さな町:松ヶ根で警察官をしている新井浩文。 双子の兄:山中崇は実家の酪農をややダラダラ手伝っている。 一見平和ながら、知恵遅れの娘に売春させる床屋のママとか、なかなかクレイジーな住民達であふれているこの町。 ある日凍りついた湖の上に、ひき逃げされた女性:川越美和が発見される。死んだと思ったら生きていた! 轢いたのは双子の兄:山中崇。川越美和とその恋人:キム兄は、山中崇を脅してあることを手伝わせる。 それはなんと湖の底から、金塊と死体の入ったカバンを引き上げること・・・ 三浦友和が最初三浦友和とは気づかない体たらくで登場。私的にはビッグサプライズ。 警官の制服を着た新井浩文の「だめだよ〜警察よぼうよ〜」の腰抜けっぷりがなんともおかしくて。このプチおかしい状態が延々続く感じ。
ラスト、町の住民達はみんながみんな、クレイジーなりになんかぼんやりうまくいっている様子、それと対比して新井浩文がだんだんプチ狂気に走るさまにハラハラしつつ、ついに!ついに!拳銃が抜かれ!!!・・・あらら、ちょっとしたストレス発散?
2007/03/04 う〜んなんとなく深みを感じづらい雰囲気が。ポップ、と捉えればいいのかも。 遊郭に売られた気性の激しい少女。花魁菅野美穂のもとでそっちの英才教育うけつつ育つ。 やがて大人になったその少女:土屋アンナ。あいかわらず気性激しくけんかっぱやいが、花魁木村佳乃が永瀬正敏に殺害されたため、 そんなにはなりたくない花魁に祭り上げられる… プロモーションビデオのような美しいシーンに圧倒。 花魁になった土屋アンナが真っ赤なちょうちんが整然と並ぶ通りを練り歩くとことか、金魚鉢の部屋で跨りながら振り返りニヤリとするとことか。 ただ、土屋アンナは誰もが振り向く花魁、という感じがあんまりしない。 菅野美穂の妖艶な魅力にしょっぱな圧倒されたので、そこに及ぶべくもないという感じで。 女性は啖呵をきる土屋アンナを見て、スカッとするのかな。安藤政信がいい塩梅です。
2007/03/23 オレンジデイズな豪華キャストでB級テイスト。かなり好きなパターンです。 ニッポンっぽい国で、中井貴一は天下をとる力を得る引き換えに、48人の魔物に自分の子供の体を差し出す。 かくして生まれてきた子供はヒルコのような肉塊。川に流されていたその肉塊を拾った呪術師:原田芳雄。 呪術で作った手足耳鼻内臓をその肉塊にとりつけ息子として育てる。 やがて立派な剣士として育った元肉塊:妻夫木聡。自分の体を取り戻すため腕に仕込んだ妖刀で魔物退治の旅に出る。 そしてその魔物退治の現場を目撃した自称天下の大泥棒:柴咲コウ、「アニキィ」と慕いついて行く・・・ 「ハチャメチャ妖怪退治アクション」。あるいは「ハチャメチャ柴咲コウアクション」。 「バトルロワイヤル」でウリャーと叫んでいたころの柴咲コウが好きだったので、本作の柴咲コウのはしゃぎっぷり、イタさっぷり(鼓をでけでんって鳴らすとことか)が愉快で最高です。 何度も妖怪の血しぶきを顔面に浴びせられてます。後は、寡黙な妻夫木聡ってのがこんなにもかっこいいとは。 残念なのは魔物がチープなこと。CGもなんかオープニングの女郎蜘蛛がかっこよかったのに、後はいまひとつで。 ヘビの魔物や子供の霊の集合体なんか、ゴム着ぐるみ感たっぷりで、真剣に話しかけてる二人が痛々しくて。 ラストはかなりウケました。いい泣き顔だったのになぁ。「さくらん」に並んで土屋アンナが豪華な和服でキツい性格。むしろこちらがはまり役。
2007/02/09 「塚本晋也チックな遊びゴコロ」(不思議なSFメカとか絶叫とか)が抑えられていて、替わりに人の内面にもぐりこんでいくような感覚(死の予感に焦燥していくhitomiとか)が強調されていていい塩梅。 不可思議な事件が発生。助けを求めながらも、自らをメッタ刺しにして死んだ女性。 隣に寝ている妻の目の前で、自らをカッターでメッタ切りにして死んだ男性。 刑事:大杉漣が自殺だろうと断定する中、現場配属を希望してやってきたエリート:hitomi。 殺人現場にミニスカートで美脚丸出しでやってくるhitomi。 死んだ2人が死の直前「ゼロ」という謎の人物と電話で会話していたことが判明。 殺人だと目星をつけたものの、通常の捜査では埒が明かないので、悪夢探偵:松田龍平を教えてもらうhitomi。 しかし松田龍平は夢に入り人の醜さを見続けたことで極度の人間不信。果たして「ゼロ」の殺人をとめられるのか? まず安藤政信のキレっぷりが衝撃的。あんな真面目刑事が、ココロの奥底ではずっと狂気を抱えていたって感じが。 そんでhitomi。かなりイイです。演技力うんぬんはわたしは分かりませんが、かもしだす空気・雰囲気がすごい。 錯乱気味になるところなんて、緊張感を感じさせつつも奇妙な色気が漂っていていい塩梅。 松田龍平のいまいましそうにいう「ああやだやだ。やだやだやだ・・・」がホントに辛そうでいい塩梅。 なんでこんな能力持っちゃったんだろうって感じで。 塚本晋也が台所で包丁を構えるシーンは、ちょっぴり滑稽であり、ちょっぴり神々しくもあり、異形の神のような不思議な雰囲気でグー。 悪夢探偵とはいうものの悪いヤツを徹底的に懲らしめるなんて訳じゃ無い。悲しい記憶を呼び戻し成仏(ちょっと違うが)。 「ゼロ」にしても、自殺願望者の手助けをしていると見れば、奇妙な優しさかも知れない。 ラストやっとちょっぴりココロをひらいた二人のはにかんだ表情が素敵です。イヤミ口調・皮肉屋のくせに影で見守ってる刑事:大杉漣が密かな見所。
2007/02/04 夏目漱石の「夢十夜」を映画化、ということだが、十個もあったら途中で「もう結構です…」っていいそうになることも。 特に第三夜(背負った子供が石地蔵のように重くなる)・四夜(講演で訪れた町の神隠しの話)が印象的で。 七夜のアニメーションもびっくり。「船は船でしょ?」って感じの心意気がグー。 まったく別物にしてしまった第十夜。なんじゃこりゃ!?と思ったが、 9つもエピソードを見てお腹いっぱいの観客には、ラストはこのぐらいぶっとんでて丁度いいのかも。 六夜の阿部サダヲが一番ツボでした。後はよく覚えてない・・・
2007/01/05 田中麗奈が素晴らしい!! 交通事故で盲目になった田中麗奈。父の岸部一徳と二人暮し。しかし父病死。ひとりぼっちになってしまう。 ある日家のそばの駅で、佐藤浩市が突き落とされてスプラッタという事件が発生。 同じ職場の容疑者のチェンは、田中麗奈の家に(見えてないから)堂々と忍び込み、(見えてないから)堂々と居座る。 無実を晴らすため真犯人を探そうとするのだが・・・ 二人の間に絆が芽生えるために、もう少しエピソードがあったらなあ、ともちょっぴり思ったけど、 だんだんと盲目の彼女へ同志のような感情が募ってくるところいい塩梅です。 ほとんどすっぴんな田中麗奈。「お母さん!」と絶叫するところや、 夜中に突然クライ&ダッシュかまして岸部一徳の点字手紙を読みつつ泣くところなど、 なんかもう涙腺にきます。大層なBGMやら演出やらじゃなく、田中麗奈の演技で泣けます。 友人がちょっとミスキャストな気もするが全体としてオススメ。岸部一徳の佇まいや井川遥のマッドっぷりも密かな見所。
2007/2/1
ぬるい。ひたすらぬるい。辛島美登里がどんな演技するのかな?と思ったが ぬるい夢を抱きぬるい覚悟で上京した西山茉希。ぬるい態度の面接なので次々不採用。 ぬるく落ち込みつつぬるく町を歩くと、雑貨屋のアルバイト募集を見つけ、ぬるい動機で面接。 今までぼんやりしてたのに、突如「毎日メロンパンはいや!!」とブチぎれて採用決定。怖い。 で、公園で休憩してたら、木の隙間に宝箱発見。中に入っていたメッセージカードを気に入り、置手紙をしてカードを持ち帰る。 翌日訪れると、置手紙の返事が。その日から、謎の絵描きと交換日記が始まる・・・ いやありえないし。顔がかわいければ、人生なんでもうまくいくものですか?なんて、 作り事のファンタジーをさもリアリティあるように説得力もたせるためには、やはり演技力が大きな比重を占めると思うのだが、 ヒロインと店の先輩の掛け合いがややひどいんで、ちぐはぐ感豊富に。 交換日記の相手の保育士:井上芳雄の日常は、リアリティあるんだけどね。 まあでも、今までややエグい映画ばかり好んで見てきたので、このぬるさが新鮮。 やけに「映画好きな友達が作ったかのような身近さ」がある。バーチャル親近感。
2007/01 あの「自殺サークル」の答えがコレ、とすると、ちょっぴりパンチ弱い気もするけど、「外伝」として見たら良いかも。 地方新聞社の編集長の父・テツゾウとその娘の高校生:吹石一恵。田舎の退屈な毎日に疎んでいるある日、 学校のインターネットルームで『廃墟ドットコム』を知り、管理人の「上野駅54」に惹かれ、彼女に会おうと家出する。 やがて新宿駅で女子高生50数名が飛び込み自殺する事件発生。 失踪したお姉ちゃんがこの中にいるかも?と妹:吉高由里子がネットで調べているうち『廃墟ドットコム』に行き着く。 私が失踪したら父テツゾウはどんな行動をとるか?を詳細に小説のように書き付けて妹も家出。 「上野駅54」ことつぐみ。彼女は「レンタル家族サークル」なるものを経営していた。そこに所属する吹石一恵。 客の要望はどんな詳細なシチュエーションも再現するのだが、そのサークルは「包丁で刺されて死ぬ役」なんてのも引き受ける。 社会において、自らライオンではなくウサギを演じることを自覚するのは崇高であるとばかりに。 娘たちの手がかりを探し『廃墟ドットコム』にたどり着いた父テツゾウ。さていかに「家族」をとりもどすのか・・・ いやぁ〜家族の絆ってもんの幻想とかまざまざと見せられた気がして。 円満一家団欒なんて、皆がその場だけ演じて興すもの、あるいは金払って買うもの。 「娘の役」を演じている娘ってのが、こんなにもほがらかに見えてこんなにも薄気味悪いだなんて。 まあただ「あなたはあなたに関係していますか?」っていう「サークルの人」が、エラそうでやだな。 こんな質問をさも得意げに行う暇があるなら、自分のその関係はどうなんだ?答え出せたのか? まあ、実際の社会では、ライオン役はウサギ役を、崇高なスケープゴートとは思わずに、さらに見下すだけなんだが。 見る人を選ぶかも。 吉高由里子がキュート。基本的に舌ったらずなしゃべりの人はニガテだが、この人は別。
2006/12/28 久々のマッドハウス。微エロ・微グロ・サイエンス。 精神医療総合研究所に勤める冷酷な風貌のエリート千葉敦子。 同研究所の人なつっこい天才デブ・時田が発明した「DCミニ」という人の夢の中に入れる機械。 彼女はこの「DCミニ」を使い、他人の夢に「夢探偵パプリカ」として入り込み、心療カウンセリングを行うのだ。 この(現実の敦子と違って)愛嬌たっぷりキュートなパプリカの魅力に、患者たちはみな癒されていくのだ。 だがあるとき、試作型「DCミニ」3個が盗まれてしまう。 悪用すれば人格破壊などお手の物。やがて研究所の職員たちが次々と発狂し始め、ついには所長もイカれてしまう。 「パプリカ」になって所長を救い出した敦子は、デブ時田や所長と共に犯人探しに乗り出すのだが・・・ 夢の中のぶっとび具合は「千年女優」のほうが迫力あったけど、こちらはこちらで「悪夢」がいい塩梅。 ホントキチガイじみた世界で、神経にくる行進曲。人形の不気味さ。それらが実に極彩色で動き回る。 悪夢っていうと暗闇の中でなにか蠢いていそうなイメージがあるが、むしろこちらのほうがしっかり悪夢。 ラストはあっけなかった気もするけど、夢の世界を疾走するパプリカは見ごたえあり。 マッドハウス作品らしく、今回もオヤジがいい味だしてます。オススメ。
2006/12/01 ショートホラー3連発。とりあえずヒヤっとできます。ドラマ性は低いです。
「カタカタ」
「鋼(はがね)」
「うけつぐもの」
2006/11/22 これは映画じゃない…ライブだ!大日如来だってロックンロール! 昔の彼女に「フジキタ組長につかまってる今の恋人を助けろ!」と言われ、 未練タラタラなので助けにいくパンクロッカーオカジマ。 そしてオカジマを追う、謎の最強学ラン武闘派思想家トラキチ、 そしてそのトラキチを追う、顔がちょっと新庄似のロック好きフジキタ組長。 三人が三人とも追いつつ追われつつの命がけの鬼ごっこ。 途中知恵遅れ気味少女:はるかを助け冒険は続く!
エロ・グロ・ナンセンス&ラヴを下品&下ネタでコーティング。 登場人物達がなにかにつけ自分の置かれた状況を「まるで今のオレ、○○みたいやなぁ」って例えるのだが、 その例えが面白い上に、その例えを寸劇みたいにいちいち映像化しているので、 この目まぐるしいジェットコースター感覚をかもしだしていて、いい塩梅。 見る人を選ぶかもしれないが、映像という先入観を捨てて、パンクライブを見るつもりで行くと吉。 ごちゃごちゃ解説を拒む。もう見て。
2006/11/04
「女の子4人の日常を綴るお話」プラス、この甘いタイトルからしてキュートな物語かと思ってたら、
想像をはるかに裏切るハードエロス・現実グロテスク描写でびっくりたまげた! デリヘルの電話受付の池脇千鶴、そこで働くデリヘル嬢の秋代こと中村優子、 イラストレーターとして毅然とクールに振舞う岩瀬塔子。 そんな塔子に「自分には恋人がいる」と自慢することで優越感を感じる同居人のOLのちはること中越典子。 彼女たちの波乱に満ちた「日常」がかわるがわる綴られる。 言いたいことを言えず、実際嘔吐を繰り返す塔子。本命の彼の前と絶対一緒になれないと確信して、 それでも正体を隠して会う秋代。特別な職業の塔子へのコンプレックスゆえ、結婚にあせるちひろ。 どのケースでも、女の子は大変やね。
ちひろの誕生日があんまりにも悲惨。本命の彼に無視されて、自分自身へのプレゼント買って(なんでか痛々しい)
たまたま電話のつながった男と寂しくてセックスしたら、
「♪ハッピーバースデー」歌われながら、顔に精液を浴びせられる(こやつの不気味さ相当なもの)。
あんまりだと思いつつ、どこかサディスティックなザマミロ劣情を催すところ、男は残酷か私が残酷か。 ハードなシーンも確かにインパクトだが、 さりげないシーン(池脇千鶴がトイレにかけこんだり石にお祈りしたり、ちひろがハムスターの絵を捨てたり、トマト道路にぶちまけてあったり)がすごくいいので、ハードなシーンが際立っているのかも。いい映画です。言いたいことを言えない塔子に一番共感したり。
どうしても「ガラスの脳」と比較してしまうなぁ。 病気で11年間も眠り続けている加藤ローサ。その妹の菅野莉央は、夏休みでも勉強勉強のガリ勉めがねっ娘さ。 しかしある日、ママの妹の写真家:カヒミ・カリィが海外事故に遭い生死不明。パパもママもとんでっちゃったなぜパパも? その日の晩、姉のごはん(点滴)を換えに行くと、姉が目覚めてる! びっくりとまどいながらも、精神年齢は小学生のままの姉と2人きりの夏休みが始まる・・・ 小学生の娘を置いて、両親揃って海外に行かなくてもいいんちゃう?とか、11年間眠ってたのにリハビリも無しで精神的な戸惑いもそれほど無く現実を早くに受け入れて、いきなりエンジンフルスロットル?とか、11年間眠ってた姉が目覚めたのに、両親に一報も入れず何事もなかったかのように塾には行くのかよ妹!とか、疑問点が山のように沸いて、なかなか映画に感情移入できなくて。 ラストの地下水脈のシーンは確かにキレイ。「きれいな水」にまつわるダークな背景(いけにえ)も単純にキレイキレイしてなくてグー。 ただキレイな景色を映像にしたかったのが念頭にありすぎて、細かいディテールがおろそかになったのかも。残念。
もったいない!後半投げ出したような印象が・・・ 下北沢に7年ぶりに帰ってきたDJタイガーこと竹中直人。 時を同じくして、かつての憧れのマドンナ:鈴木京香も離婚して下北沢に戻ってきていた。 仕事せずダラダラ、マドンナに会ってデレデレ、のフリーな毎日だったが、 下北沢に巨大ソープランド建設計画が浮上。
潔癖な鈴木京香に頼まれて、町の仲間を引き連れてDJタイガー、ソープランドの社長の説明会に乗り込むが、
無料体験会で体験しまくっちゃって骨抜き。
さあ一体どうやって解決するんかな?とワクワクしていたが、実はソープランド計画は、
世界征服を目論む天狗の仕業だった・・・って急に妖怪ものSFになって、
しかもなんかカラオケバトルっつーか夜もヒッパレになって乱闘の末、鈴木京香あんた一番歌いたかったのねってな結末で、唖然。 小池栄子の恋の行方とか、みんなぶち壊し。このキャスト達を揃えてこの結末は残念。わからん、ムービーウォーカーの採点で満点つけた人、この映画のよさを教えてくれ!
結局は千葉真一が全部一人で解決してます。 かつて世界征服を目論んだ平安時代の悪霊:松村雄基が復活しようとしているっ! 和尚:倉田保昭の弟子およそ50人の武道家が「鬼封じ」の儀式に出かけるが、瞬く間に全滅。 生き残った弟子:木下あゆ美は、かつて悪霊を封じた7人組の末裔を探す旅へ。時間の都合か瞬く間に7人揃うが、これがコスプレアイドルとそのおっかけ、ナンパ師、ヤンキー娘とその妹のガリ勉、アドゴニー、と、チームワークに相当難ありな面子っぽいが、時間の都合かヤンキー娘のひとことで瞬く間に一致団結。修行開始。 7人がかりなら、という作戦だったはずなのに、いきなりバラバラに分散して各個撃破。結局かつての7人組:千葉真一が突如あらわれて倉田保昭とのアクションバトルの後、解決。 みんな同じアクションやった仲間だから友情・絆はあるんだろうけど、映画を観ている私には、 「(ストーリ上では)無理やり突然集まった連中が、なんでこんなに簡単に連帯感を身に付ける?」という疑問でいっぱい。 瞬間瞬間を魅せるアクション畑の人が、全体を司るストーリー脚本を手がけたのかな。どうもイタイ。ギャグの入れ方とか。 せっかく背景(松村雄基の真の目的は世界征服などではなく愛する人の復活)が良いので、もっと重厚にしたりとか、 7人それぞれにもっと見せ場を作ったりとか、なんしかもうひとエッセンスでグンと良くなった気がするのだが。 松村雄基の怨霊は、なかなか耽美です。 「私なんて何にも取り柄がないし・・・」と木下あゆ美が仲間にグチるが、 トラックに派手に轢かれても、大男に後頭部をコンクリート壁にガンガン打ち付けられてもへっちゃらなタフっぷりがどう考えても取り柄だ!
2006/10/1 あややが 出るのに R指定
スケバン刑事:麻宮サキこと斉藤由貴も、一児の母となり、娘:松浦亜弥とニューヨーク在住。しかしスパイ容疑で逮捕。
そこで暗闇指令の長門裕之率いる特務機関、強制送還された松浦亜弥に「特命刑事として協力したら母を釈放」と持ちかける。 松浦亜弥、何の因果かマッポの手先、期間限定で「麻宮サキ」の名を引き継ぎ、 刑事:竹内力の支援の元、転校生として潜入することに・・・ オープニングのシルエットが妙にカッコよくていい塩梅。 正直ストーリーは煮詰め足りていないけど、どことなく重厚で世紀末的な雰囲気がただよい、 ただのアイドル映画だ〜なんて簡単に片付けられない作りこみで、意外やオススメ。マッドマックス風です。 そんで、あややの顔つきがなかなか迫力あってグー。内出血で真っ赤な眼球ぎょろつかせてるとこなんか。 ちょっと声が高めで軽いので「てめーら!」とか叫んでもかわいらしいのはご愛嬌だが。 戦闘シーンも敵の攻撃をひらりひらりかわすんじゃなくて、 特殊防弾スーツが頑丈なのが救いで、殴られるわ撃たれるわ斬られるわ、 満身創痍でも戦うあたりも、泥臭さ出ていて重厚でいい塩梅です。 まあでもこりゃ確かに小学生あややファンには見せられんな。
イケメンが 奪い続ける 物語。 人気カメラマン:オダギリジョー。田舎の母の一周忌のため帰郷する。 実家には、父:伊武雅刀のガソリンスタンドを継ぐ兄:香川照之。 従業員にはかつての幼馴染:真木よう子。 兄ちゃんがじっくりゆっくり真木よう子と仲良く絆を作り上げているのに、 オダギリジョーその日に真木よう子の家に上がりこみ、 即座にセックス。「オラ舌出せよ」とハードにファック。
翌日山の中散策に出かけた3人。しかし写真撮影を始めたジョーを追いかけて
吊り橋を渡る真木よう子と、彼女を追う兄ちゃん。そこで真木よう子吊り橋から転落・死亡。 裁判が始まるも、果たして兄は真木よう子との情事を認識しているのか?と、 ジョーも兄を助けたいと思いつつ、彼女を寝取ったことをバレないようにと思いつつ、微妙に立ち回り、 兄も、イイ人の仮面を投げ捨てた後は、本気で無罪を勝ち取る気があるのか無いのか、という態度。 検察も絶妙なタイミングで「彼女の膣内から別の男性の精液が検出されて・・・」なんて切り出し、 面会室でどんどん兄ちゃんが別人のように。 「ゆれる」って、つり橋だけならず、登場人物みんなのココロが揺れまくりです。 真木よう子も売れっ子オダギリジョーと一緒になってこの田舎を脱出したいと思いつつ、 もしそれがかなわなくても兄ちゃんと、という具合に逃げ道を残そうとして、 何か狡猾さが感じられて、そりゃあんた殺されてもしゃーないよ、とちょっぴり思ってしまう。殺されちゃいないが。 なんか兄ちゃんの、 「持つ者」を横目で見つつ、どうやってもかなわないのでおとなしくせざるをえなかった 感覚が痛いほど伝わり、切なくてしょうがないです。 さて最後、果たして兄のあの笑顔の真意は・・・
2006// う〜ん、前半はスタイリッシュでスピード感あふれるおしゃれ映画だったのだが、中盤にどんよりしてもったいないなあ。
銀行に偶然居合わせた特殊能力を持つ4人。狂言の銀行強盗犯人をとっちめて知り合う。
しかし、
「息子を誘拐したから、返して欲しければ身代金」なら分かるけど、
「息子を誘拐しようと思うので、やめて欲しければ身代金」って、説得力にかけるなあ。
前半の軽快さがめちゃめちゃ痛快で面白いんだけど、何でかなあ途中ですごく観るのがしんどくなる。
多分軽快さでノッているのに、せっかくこんな面子が揃っているのに、覆面武装集団の言いなりっぽくなってしまうからかなぁ。
佐藤浩市のおとぼけリーダーでルパン三世みたくしたらもっと面白かったかも。
重箱のスミつついてなんだけど、 鈴木京香の体内時計だけで計画進めていいのか?他のメンバーが正確じゃないかも知れないのに (軍隊とかでは、みんな同じ腕時計を同時刻にセットして作戦にとりかかる)。
2006//
「大人向けおとぎ話」でしょうか。 医師のササキンこと竹中直人の病院に入院してきたガラス職人の原田知世。実は高校生時代に恋していたマドンナ。 しかし彼女は全然記憶にない。なんとか思い出してほしいと毎日病室を訪ねるがしまいにゃ疎まれる始末。 原田知世の病気は結構すすんだガン。 恋人の段田安則もチャンスとばかり浮気に精を出す。 そんな中、あきらめず向き合ってくれるササキンに心を開いてゆく原田知世。 しかしササキン、自分自身のガンも相当進行していたのだ・・・ ともすればストーカーみたいだが、目的が「ただ自分を思い出して欲しい」って理由ならオーケーですか。 細かい胸キュンが散りばめられてて。例えば「好きです」ってラブレターじゃなく、「夜7時、耳をすませてください」って手紙。 そんで夜7時に「好きだ〜!」ってシャウト。うをぉ! 手術成功後、クラシックの流れるなか、バレリーナの格好で踊る竹中直人。 あんなに見た目が滑稽なのに、荘厳というか神々しいというか、冒すべからざる存在に見えて不思議な素敵ぶり。 ラストの森三中の人と援交の娘との不思議な連帯感。キレイですね。実際ありえるんかな。ファンタジーですね。 原田知世素敵だなぁ。限らず、なんか登場人物全員に愛情こめてあるみたいな優しさ溢れる映画です。 ミュージシャン含めゲストがすさまじく豪華。見終わった後の不思議なカラッとした気分がグーです。
2006/8/01 勝手に人の家に上がりこみ、ケーキを食らう卑しい娘に、田口トモロヲ先生が天誅! 予知能力のある小学生:ソウこと小林翼(ちゅうか死者復活やいろいろ能力もってるんだが)。 姉の渋谷飛鳥に、予知夢で見た田口トモロヲパパが娘への絵本を書くのを阻止するよう告げて入院。 なにせその娘:清水萌々子は、ホラー好きかしらんが、登場人物の女の子がエグい死に方をする絵本をせがむせがむ。 田口トモロヲパパも、「作品のリアリティは徹底した取材から!」とばかりに少女惨殺しまくり。 渋谷飛鳥は弟の指示どおり、遠く離れた町に赴き、行方不明の少女(トモロヲ先生取材済み!)を探す前田愛と合流、少女を探すのだが・・・ かでなれおんがあんまりにも素敵でした。後輩の返り血をあびたケーキを、いくつもいくつも無理やり喰わされる。 噴水のようにゲロ吐いても、トモロヲ先生はまるで田舎のおばあちゃんみたいに「晩餐の量は足りない方が失礼に当たる!」とばかりにケーキ鬼追加。 しっかし弟も弟で、 「お姉ちゃ〜ん、どうせ超能力で僕が生き返らせるから、死地に赴いてよ〜」って感じに姉をけしかけ、 おかげで渋谷飛鳥、トモロヲ先生と格闘の末、腹をクギ打ち台にされるわ、 復活したのに今度は包丁でメッタ刺しにされるわ、しまいにゃ弟のテレポートの肉土台にされたり、と散々な目に。 で、ラストは弟が超能力であっさり解決最初から君が行け。
他の娘らと違って、前田愛はキレイな死に様。やっぱだめですか?
なんしかパンク。B級はB級なんだけど、面白いです。残酷ギャグです。
ストーリーとかつじつまとか合ってないんだけどね。トモロヲ先生のハンサムぶりを見るだけでも価値あり。
2006/8/01 むごい・・・むごすぎる・・・ 「ミュージシャンになるんだ!」と上京した瑛太。しかし音楽活動は遅々として進まず、恋人:柴咲コウともだんだん気まずくなる。 ある日父が東京にやって来る。実は「松子」という叔母がいたこと、死体で発見され今葬式に出たこと、 松子の部屋を片付けてきて欲しい、等等告げられる。 ゴミタメのような松子の部屋を掃除していると、突然和服の美女:黒沢あすかとその手下にさらわれる。 実は松子の親友で、松子を殺した犯人を独自に捜していたのだ。黒沢あすかから聞かされる壮絶な松子の一生・・・ いやほんまむごいです。だってリヤルに暴力受けてるもん。 特にすさまじいのが刑期を終えた彼を出迎えたとき、
真っ白い雪の中で真っ赤なバラの花束を持つ松子。 確かに松子、うざいとこはある。「自分の」ってものが無い。全部相手のため相手のため、って感じで、 あんなに続けてた美容師もあっさり辞めたり。しかし愛すべき存在になり始めたとき、 すでに死亡は確定しているからなんとも苦い気持ちで見送る気分です。 ミュージカルシーンの豪華さ、華やかさは相当なもの。DVDとか市販されたらもう一度じっくり見てみたいもんです。 だって劇中では恋人が目の前で電車にミンチにされた直後、「ハッピーウエンズディ!」 ってミュージカル始まってもなかなかすぐについていけません。 よくこれだけ挑戦した中谷美紀の女優根性。最期の最期直前で光GENJIに熱狂。やってくれます。
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