邦画三昧4
こういうタイトルなので、妖怪退治屋のヒルコさん?と思ったが、妖怪の名前がヒルコ。ホラー、というより奇形スタンドバイミー? 異端の考古学者の沢田研二。教師の竹中直人から、夏休み中に自分の学校で「妖怪を封じ込めた古墳」を発見した、と手紙をもらう。しかしジュリーがついたときには竹中直人と女子学生の上野めぐみが揃って行方不明。 上野めぐみに恋している竹中直人の息子、仲間達と学校を捜索するが、ここで得体の知れないものに襲われ、運良く現れたジュリーに助けてもらうが、仲間達は首をちょんぎられ死亡。 この得体の知れない妖怪が、どうも上野めぐみに感じられた息子、ジュリーと共に古墳の謎解きに挑む・・・ もうジュリーが妖怪を見るたびに「ひぃぃぃぃ!!!」「ふわぁぁぁ!!!」とか絶叫して。流石往年のボーカルってな感じの素敵な悲鳴で妖怪退治屋の片鱗もありません。好きな女の子が妖怪ヒルコに化けてショックのどん底の少年なのに、隣でジュリーがちゃめっ気たっぷりの悲鳴をまき散らし、悲愴感なし。だからおどろおどろしいのにたまらなくポップ。
でも自分が好きになった女の子、首がちぎれて、その首からクモみたいな足が生えてワシャワシャ走り回ったら。つらいよなあ。この上野めぐみがいい。綺麗だけど妖怪時の表情の豊かさがいい。 密かな見所は用務員の室田日出男。自分がヒルコに化けかかってると知って自決するのだが、その様がニヒル。渋すぎる。
12禁です。理由は濃厚なラブシーンと、身体障害者に対する「リアル身障者」「あんたはこわれもの」といった台詞か。 大学生でナンパな妻夫木聡。子犬の散歩中、坂道から乳母車が突進。街でウワサの妖怪ばあさんが押す乳母車。ばあさん坂の上から、大丈夫かどうか中を見てくれとお願い。おそるおそる毛布をめくると、おびえた表情の少女・池脇千鶴が持っていた包丁でいきなり切り掛かる。 ちょっとしたホラー映画のような登場。 足が不自由で歩けないので乳母車で散歩する池脇千鶴。ドスのきいた関西弁の池脇千鶴。小説の主人公になぞらえてジョゼと名乗る。妻夫木聡、助けたお礼に朝食に呼ばれるが、これが抜群のうまさ。 「どあつかましい男やなあ」とどなられつつも、この朝食目当てに日々訪れる妻夫木聡。 しかし身障者に偏見持つばあさん、世間様に隠さねば、とジョゼを家に閉じ込めたがる。 妻夫木聡、改造乳母車でジョゼを街に連れ出す。少しづつ心を開いていくジョゼ。 ジョゼのドスのきいた関西弁のセリフが、どれもこれもいちいちカッコよくて。 でもそれは弱さを隠すため。 それが分かったとき、妻夫木聡とこれが運命の人、とばかりに激しく結ばれるのだが。そして実に幸せそうにふたり過ごすのだが。 ジョゼは近々ひとりになることを予感しているのだが「それもまたよし」。あきらめている強さ。そんなものを身につけたような。 身体障害者は「障害あるけどがんばってます!」みたいなお涙ちょうだいものでしか主役になれない、という概念を崩し、あくまで個性のひとつとして描いている。これ本来あるべき姿では? 最後、電動車椅子で街を駆け抜ける後ろ姿が、一人で台所に佇む姿が、凛としていて、でもなぜか切なくて、なぜか、ごめんなさい、とか思ってしまう。 動物園のシーンがすごくいい。私的には今年は何観てもジョゼがNo1のような気が。
ずいぶん前に観たのに放置してしまった。
ホームレス3人組。オヤジのギンちゃん・ゲイのハナちゃん・家出娘のミユキ。
クリスマスの夜、捨てられていた赤ちゃんを拾う。ママになるのが夢だったハナちゃんは「キヨコ」と名前までつけて育てる気マンマン。 状況はリアル。 街行く人々の冷たい視線。ホームレス狩りと称して浴びせられる暴力。お金のない現実。 その反面ストーリーは偶然の出会いの連発。でも偶然が自然、必然と感じさせるのはアニメーションだからなのか。
このキヨコが起こす偶然の出会い。見失っていた家族の愛、逃げてきた家族、それらと向かいあわせてくれる。でもハナちゃんだけは身寄りがない。だから赤ちゃんや家族への思い入れ、理想、憧れが強いのか。そしてそれがなんとも切なさ、やるせなさを全体にかもしだして。
声の出演、主役の3人は、それぞれ俳優・コメディアン・アイドル、という具合に、声優さんではない。しかし皆、すごくいい。グッとくる。アニメーションで吹き込むのは声だけだから、と声の修行だけをする専門家(声優ね)の存在意義はわかる。でも、もしかしたらアートという観点で同じラインにあるなら、多くの人前で賞賛も非難もダイレクトに浴びてきた役者さんとかのほうが、SFでなく、現実に近いこういう設定の物語のとき、とても豊かな表情ある声を出せるのかな、と思ったり。 映画館で声上げて笑ったのは久しぶり。もうこれは観なきゃ。ホンマに。
15禁です。
海辺で粧し込んで昭和歌謡を歌うのが好きな少年グループ。対してバツイチ女性のサークル「みどり会」。あるけだるい昼下がり、少年とおばさんが肩をぶつける。詫びもせず憮然と立ち去るおばさん。後をつけた少年は「どうすればそんな風に生きていけるのか」等と問い、答えないおばさんの喉笛をナイフで切り裂く。 殺されたおばさんの無念を晴らそうと、おばさんグループは犯人の少年をつきとめて報復。さあ決着の行方は!?
グロ・グロ・ナンセンス 報復として、立ち小便している最中に原付きで突進、首にヤリをぐっさり。首から血の噴水、下から尿の噴水。同時に流れ出す「チャンチキおけさ」。ヘンにはまってる!残酷なのにやはりズレ加減が可笑しくて可笑しくて。 おばさん、とはいっても、細川ふみえとか森尾由美とか、おシャレでリッチなオバサンの方。しかしホストといい感じになりそうなところでピップエレキバン見られて振られたり、と妙に切なくなったりするんだなあ。 もっとたくさん昭和歌謡を盛り込んで欲しかったなあ。というのが正直なところ。まあなにせもっと報復合戦するのかと思ったら、バズーカで一気に少年グループが片付いて、結構あっけなくて。ダラダラした演出部分を全部カットして、はちゃめちゃに報復報復また報復、という具合に詰め込んだほうが良かったのでは。 あともう一息狂いきって欲しいところ。ただ原田芳雄は素敵。
漫画家つげ義春は、自分の旅行記をよく漫画にしたためているが、 その旅行記を、氏の描く漫画の奇妙で猟奇的な幻想的世界観で表現した映画。 日々の生活から脱却すべく、ファンレターを送ってくれた顔も知らない自分のファンの女性清子に結婚を申し込むべく突然旅立つ漫画家津部氏。
ついた宿にファンの女性・清子を呼び出す。看護婦で、おかっぱ頭の清子。美人なので安心した、結婚してくれ、泊まっていってくれ、と突然のたまい、困惑する清子。
一番最初の、とてつもなく大きな河の向こう岸でたたずむ津部氏の映像はとてもきれいで。あと、喫茶店のレトロながらサイケデリックな印象のデザインも秀逸。そこのウェイトレスのこれまた奇妙なエロチシズム。 裸の少年がウロウロしていて、なんかクスクス笑ってて、耽美なエロスを表現したかったんかしらんけど、あんまり綺麗じゃないんでなんだありゃ?という感じ。 もう一息。あともう少しなにか加わればすごくよくなると思うのに。何が足りないんだろう。
超豪華な箱庭でペット観察記
恋人をレイプした犯人6人を惨殺したあげく、恋人も殺したため死刑囚となった榊英雄。
対して、次々と女性をレイプ、時には殺害したため死刑囚となった杉本哲太。
しかし、レイプ犯とレイプ犯連続殺人魔、まあ言わばカエルとヘビ、天敵、つうか餌食、杉本哲太、モヒカンでいきがってるわりに、ことあるごとに返り打ちでボコボコにされます。 さらに数日経過したのち、強化ガラスで遮られた部屋に美女りょう登場。 戦って生き残った方にいいことしてアゲル、ってな台詞。 罠だ、という榊英雄に対して、もうヤル気マンマン杉本哲太襲いかかるも、 やっぱりカエルとヘビ、天敵、つうか餌食、杉本哲太ボコボコ。 でもこのあとがなんか。心理サスペンスチックと思いきや、じつはりょうには宇宙から飛来してきたなんかがとり憑いていて、とりあえず杉本哲太ボコボコ、その宇宙のなんかが今度は榊英雄にとり憑いて、特殊部隊と撃ち合ったり軍隊の作った改造人間と殴り合ったり。なんじゃこりゃ? なんかねぇ、監視センターでのベンガルと小雪の会話が噛み合ってないの。質問に対して返答がいっこづつズレとんちゃう?ってな感じで。なんか小雪が一生懸命大声張り上げて感情こめて絶叫するほどにおかしくておかしくて。 なんかむちゃくちゃ。終始おかしくてニヤニヤしてました。
「殺し屋」をテーマにした短編オムニバス5編。まあどれか一個でもおもろいのあればいいか〜という気分で観たのだが、終わってみると全部が全部なかなか面白くてオトクな気分。
Pay Off
CANDY
PERFECT PARTNER
KILLER IDOL
.50 WOMAN 同じテーマ決めてやっても「刑事まつり」とは段違いの良さ。
メジャーなんだけどね 盲目の按摩屋の市ことビートたけし。実は居合い抜きの達人。旅の末、岸辺一徳一家が牛耳るある宿場に辿り着く。時を同じくしてこの宿場に辿り着く凄腕の剣士浅野忠信。芸者の格好の暗殺者姉妹。 やがて岸辺一徳一家の悪辣非道ぶり騒動に、巻き込まれるっつーか自分から首つっこむっつーか、とにかく戦う羽目に。さあ勝負の行方は!? もう普段の市の、何か言われて「へへ・・へへへ」とエヘラエヘラ笑いする様がなんかよくて。それがとにかく殺気とか感じると即座に仕込み杖を光らせるのが渋い。 そして殺陣が速い速い。 「時代劇」とはちょっと違うかなあ、ガダルカナルタカのおかげで、なんかコントっぽさも。実際ギャグもたくさん入ってるし。 北野作品だと毎回テーマがどうのこうの、取り沙汰されるけど、これは難しいこと考えないで見れたなあ。 わたしゃもうストレートにやんややんやだけど、隠されたテーマとか、汲み取れるひとは汲み取るんやろなぁ。 随所に盛り込まれるタップがいい塩梅。ラストの祭りのシーンのタップが取り沙汰されてるけど、わたしゃ大工さん達が家を建ててるシーンのほうが好きだなあ。 しかし市のカタナ、ちょいと頑丈すぎ。普通あの細さじゃあれだけ斬ると折れるって。素材は何?
極上カンフーを最低シナリオで台無し映画 ええと、カンフー好きな彼氏のために売れ残ったヌンチャクをプレゼントとしてバイト先の骨董品屋からもってかえったヒロイン、しかしそれは2本あわせれば莫大な富みを生む伝説のなんとやらで、そいつを巡って殺し屋とかチャイニーズマフィアとか暗躍したりしなかったり、銃をもってるのにあえてみんなカンフーだったり。 いやぁアクションを魅せる映画ならストーリーありがちだとか、ストーリーちゃちでも許せるのだが、ストーリーひどすぎ。せっかくのカンフーアクションも台無し。 長い長いそしてつまらない前ふりストーリー。 なんとか練り込もうとしたのだけど感情移入ができないのでメインイベントのカンフーをどう見ればいいのやら。あとヒロインがひどい。半端にくどい。淡々としていたらむしろよかったかも。
わかっちゃったよ。海外の二流アクション映画でターミネーターとかプレデターとかのストーリーを模倣してるなー、というのは、魅せたいのはアクションシーンやオブジェなので、その邪魔にならないように、しかしつじつまはあうように、という配慮ゆえなのではないか?! 遅刻して館内にはいって、カンフーだけ見ればよかった・・・
沖縄イタコチック散歩アドベンチャー 夏休みのシーズン。高校生の松田龍平。民俗学者の父は行方知れず、沖縄出身の母は亡くなり天涯孤独の身となってしまう。親戚を頼りに沖縄にはじめて足を踏み入れる松田龍平。 この親戚の家は巫女の家系。巫女のばあちゃんと母の妹と、その娘でやっぱり巫女のマレニこと末永遥。松田龍平もはじめはぎこちないが、台風の夜にギターと手作り三線を交換してなかよしに。 ある日マレニが、ガジュマルの木の精霊キジムナーの導きで、とり憑かれたように家を出る。とまどう松田龍平に、ばあちゃんも母も平然として、着替えと旅費を渡し「ついてお行き」。 こうしてとり憑かれたマレニが導く先々で、運命的な出会いをくり返す松田龍平。そしてふたりをカメラで追いかける自称研究家のヒステリックブルーのタマ。 マレニを導くものの正体は?三人が最後に見たものは? 末永遥がめちゃめちゃいい感じで。正統派メガネ美少女。台風の夜のはしゃぎっぷりとか、ホンマに愛くるしくて。ラストのぎこちなさげで初々しくて大事そうにするキスもグーで。「ガラスの脳」の後藤理沙を思い出してしまった。 ガジュマルの木の精霊、キジムナー。これが。アロハに短パン。ふつうのあんちゃんの格好の斉藤和義。精霊なのに全然ファンタシーじゃないのがヘンにナイス。木の精霊のくせに、ラスト近くになると、木のないところでも出没。 反戦映画とかキチンとしてる映画は、どうもユーモア入れちゃいけない、みたいな雰囲気がながれてるけど、こちらはさり気なく盛り込まれていて。激戦地となった沖縄。一見観光地的な、ともすればノーテンキなやりとりの陰にちらりと見えかくれする戦争の傷跡。ともすれば重くなりがちなんだけど、若者三人の爽やかさが、カラッとした後味を残す。戦争最中でも青春はあったさ恋はあったさ。 戦争で悲しい別れを遂げた人たちがたくさんいるから、巫女さんマレニの冒険はまだまだ続くのでしょう。そしてなぜか村山元総理が出てるんですが。
漫☆画太郎の異色ギャグスプラッター漫画が、まさかの映画化!? 試合中の事故にみせかけて殺人ビーンボールや凶器攻撃で相手チームを再起不能にして勝ち進む外道高校。対する星道高校の校長。甲子園が夢なのだが、この外道高校相手では勝ち目なし、と出場を辞退しようとする。 しかし校長、突如あらわれた転校生の野球十兵衛とこの学校の番長のケンカを見て、十兵衛が野球部に入れば外道高校に勝てる!と熱心に勧誘する。 だが野球を嫌う十兵衛。野球にまつわる悲しい悲しい過去があったのだ・・・(とはいいつつも、ミュージカル調に歌いながら語るのだが)
爆笑シーンというより、クスクス、くらいが多いんだが、これはこのナンセンス世界を照れもなく「VERSUS」の坂口拓がチカラいっぱい演りきってるから、それほど笑えないシチュエーションでも可笑しくしているため。 しっかしラスト、せっかく9人そろったんだから、野球やれよ! いきなり乱闘になって。おかしな野球映画(「メジャーリーグ」みたいなのをさらに過激にした感じ)を期待していたのに。結局なんだったんかね? ところでラストの女学生はもしや藤谷文子?!コメント提供だけかと思ったら、なんかちょっと出てるし。はうぁ。 くだらないけどつまらない訳じゃない。アクションシーンはいい感じの、極上のB級。
10分足らずだけど、そのせいでテンポがよくて面白すぎ。すさまじいブラック。このぐらいの長さでいっぱいつめこんで短編集したらいいのでは? 12禁ぐらいの内容かも。本編より面白いかも。
ショムニなんてオーホホホのイメージが強い人だけど、山崎まさよしと共演したドラマのほうが本分なんだろうなあ。 東京から逃げるようにこの北海道の鹿追町に引っ越してきた遠藤憲一。彼を追ってきた戸田菜穂。遠藤憲一の兄の嫁。ふたりはダンスのパートナーで大きな大会で準優勝とる腕前。しかしダンスだけでなく男女の関係に。やがて兄は事故死。罪悪感からか、兄の夢だった手打ちそば屋になろうと修行を始める遠藤憲一。 つれない遠藤憲一。戸田菜穂やむなく町をうろうろ。しかしあれだけ自分を拒みつつも、町のコミュニティで町民が結婚式で披露するダンスを教える遠藤憲一に寂しさと憤りを隠せない戸田菜穂・・・ 本当〜に戸田菜穂がいい表情を魅せてくれます。特にそば粉練ってる遠藤憲一に「そば屋のおかみさんやってみようかな」「お前には似合わない」でパニック・ヒステリー起こしてそば粉をけちらかす場面は印象的。そしてそばの師匠のおじいちゃん。これがまたいい。実にいい。最後遠藤憲一の打ったそばを3人で食べてるシーンがなんか妙にくる。
そして結婚式の会場にあらわれた戸田菜穂。田舎の結婚式のほんわか空気のなか、ひとりバリバリ勝負スタイル。決め衣装。そしておもむろにダンス。なんつーのこれ?サルサ?突如戸田菜穂&遠藤憲一ふたりきりのステージ。 ラストはそれでも田舎に馴染めず帰っていく戸田菜穂。美容室で髪と思いを断ち切ってせつなく綺麗なラスト。 多分これ、鹿追町の町おこし映画。町おこし映画のくせにすさまじくスタイリッシュ。「鹿追町はいいところですよ〜」とゲスに宣伝しないシャープさに、逆にこの町の良さが知らず知らず染みてくる。
世界の塚本晋也、始動! ヒロインのりん子は悩みごと相談室の電話カウンセラー。 そして(多分)歳の離れた夫。髪の毛もほぼ抜けてお腹もでている。会社から帰ってもりん子のことよりも部屋の目立たないところを神経質に潔癖に磨くことの方が大事。
りん子のカウンセリングで生きる望みを取り戻したカメラマン塚本晋也。彼から送られる、りん子のオナニー盗撮写真。「ネガを返して欲しければ言う通りにしろ」と脅迫。いや、脅迫とは少し違う。お礼に、と男は言う。「本当にやりたいけど、自制していることを解放させてあげる」というような意味のことを言う男。
ミッションは際どいミニスカートで街を歩き、バイブレータを購入、装着して商店街を闊歩、八百屋で買い物しろ、というもの。
羞恥の末成し遂げるりん子。号泣するりん子。しかしそれは実は喜びをあらわす号泣・・・
白黒、ではなく白青。かすかに陽がさしたばかりのような早朝の部屋の中のような映像。リアルでも幻想でもない抒情的な映像。その映像美の中で、雨にうたれ野獣のような咆哮をあげ服を脱ぎ散らかすシーンは圧巻。 そしてラスト。男とりん子の携帯電話の会話を聞いてしまい、激しく嫉妬してどこで入手したのかピストルをぶっぱなす夫。今までりん子なんかそっちのけだった夫が、男とりん子に嫉妬。やっと通じあえた、というような表情で夫を見るりん子。やがて二人はベッドへ。 このセックスシーンが実に純粋で優しくで。お互いパートナーを愛でて慈しみ撫でるだけ。二人の嬉しそうな表情。これ本来あるべき姿!
なんか全自動洗濯機に閉じ込められた人が溺れ死ぬところを観賞するおっかないクラブがでてきて。えらい恐い。塚本晋也が夫をここに連れてきたのは何故だろう? 男とりん子の絆、だけでなく、りん子と夫の絆も、ってところがいい。やっぱり塚本晋也。少しSFメカ入れるところもやっぱり塚本晋也。
さて今回も2本立て。1本目の印象が薄れるのはやむを得ず。スケールが大きくなって、前作の「箱庭感覚」がないのはちょっとさびしいかも。 警察所長を父に持つ仲根かすみ。念願の刑事になり現場を希望するが、配属早々、爆弾事件に遭遇、同僚3人殉職で1人だけ生き残り失意の日々。 飲んだくれ刑事・布施博とコンビの車上荒らし取り締まりにまわされるが、あの爆弾事件の手がかりを見つけ布施博を巻き込み独断で捜査開始。その背後に、本宮泰風率いる国際的犯罪組織の影を見つける。次の爆破ターゲットは・・・
結構ハラハラしたりするのだが、最後の爆弾解除のシーンはなんだったんだろう?という感じで。でも全体的にはオーソドックスで安心して観れるので、ストレス解消とかにはもってこいですか。大団円だし。
優柔不断の女子大生の加藤夏希、その親友の上杉梨華が中近東のある国でテロリストに誘拐される。彼女の父の商社のすすめた強引な開発プロジェクトに対する反発か? なんかねぇ、ダイジェスト、っていう感じが。テロリストのキャンプにつくまでが早い早い。そんでいいとこ撮り。戦争映画の中での、絆とか殉じて逝くところとか。だから観ていて取り残されるような気もするが、一杯ひっかけて観ればまあ。 商社内部のいざこざやら現地で逮捕されるエピソードを盛り込みすぎてアクションの方が短かめだったかなーという感じで。 あと加藤夏希は「羊のうた」でえらい綺麗な黒髪和服姿を魅せてくれたのに、なんであんなケバい髪型にしたのかねぇ? 江原修、前作にも引き続き名(迷?)サポートぶりで。 個人的には、誘拐された上杉梨華のほうをヒロインにして欲しかったなーという次第。
「カラアゲが小さいです!」でキレて弁当屋でケンカするオダギリジョー。
対するクールな兄貴がわりの浅野忠信。二人はおしぼり工場で働く同僚。
こんなジョーに対して浅野忠信は「待て」「行け」のサイン通り動くよう指示。 2人のつとめるおしぼり工場の社長、家でも孤立してるのか寂しいのかやたら二人と溶け込もうと一生懸命。 だが社長とケンカした浅野忠信、大事に飼っている毒クラゲをジョーに預けて失踪。 ジョー、ある晩突然カッとなり鉄パイプ持って社長宅に押しかけるが、 すでに一家は浅野忠信がバット葬。 刑務所で浅野忠信、針金で手を「行け」のサインに固定して首吊り自殺。 葬儀で知り合った浅野忠信の父・藤竜也の修理工場で働くようになったジョー。 だがクラゲに執着して浅野忠信の亡き影を追い続けるジョー、藤竜也に「現実を見ろ!」と叱られ飛び出す・・・ いや一番よかったのは悪さして逃げ戻って震えているジョーを藤竜也が抱きしめるシーンやね。 しかしこの後、二人の考えの属性が逆転するところ展開として切ないんだなあ。 「行け」のサインが出ているのに留まっていたジョーを進むよう促した藤竜也が、 逆に養子縁組をしようとし、しかしジョーは歩みだそうとする。 ジョーを叱った直後に、藤竜也「いいすぎちゃったよ〜」とか、なんかちょっと情けない部分がすごいキュートで。 あとひそかに社長がいい味。もうホント若者は白けるだろう、っていうおっちゃん独特のはしゃぎ方を熱演。 年配のきめ細やかな演技が支えてるねえ。あとクラゲが綺麗で。あれCGですか? 残念なのは浅野忠信の亡霊がうろうろしているところ。映画にのめりこんでるのに醒める。SFちゃうし、いらんやん。 タイトルとはまったく逆の陰惨な希望もあったものじゃない未来を予感させるエンディングが、むしろ後味をよくさせる不思議な映画。
二枚目変態妄想活劇! 田口トモロヲはなかなか味のあるレトロな理髪店を営んでいる。 ここにSMクラブのオーナー柄本明がやってきて、かみそりあててもらってる最中に、愛人とのめくるめく特殊プレイの数々を得意げに語り出す。 また、女王様につれられてやってくる自称「犬畜生」が、醜いトラ刈りにして下さいきゃいーん、などとのたまうものだからトモロヲ、毎日の妄想はつのるばかり。 そんなある日、柄本明のもとから逃げ出してきた愛人・須之内美帆子をうまくかくまう田口トモロヲ。結局は手下に連れ戻されるのだが、それ以来トモロヲのもとへ密通。 彼女(の美脚)に惚れた田口トモロヲ、二人で柄本明を暗殺しようと計画するのだが・・・ 田口トモロヲがほんっとーにハンサムで。ハイヒールに注がれたワインを飲み干しそっと差し出すところ、須之内美帆子の足をまじまじと見つめながら洗ってあげるところ、ラストのハイヒールで蹴られまくってるところとか。なんか自分のプライドなんかかなぐり捨ててひたすら、という姿がむしろカッコよくみえるんかな。 妄想の中で、榎本明が実にいろんなコミカルな殺され方していてグー。ずっと散髪やってたんだもの。いきなり完全犯罪なんかできないさ。 ただ、序盤の方に、トモロヲの妄想と称してしょーもないエロ挿し絵が表示されて最高に興醒め。変態世界なのに映像はキレイ、というところがいいのに。 むしろ画面真っ暗にして声だけ聴こえてきて「何やってんだ?」と思わせたほうが良かったのでは?この場面がなければパーフェクト。 ただ女王様が最後パン屋になってしまうのだが、すこぶるかわいい。
10年前にすでに「アメリ」がいた! 遊佐未森は平日は図書館で司書をしているが、日曜が来ると「日曜大工」ならぬ「日曜探偵」に颯爽と変身。頼まれてもいないのに街をパトロールだ。 「食べると笑いの止まらなくなるヤバそうな成分のキャンデー(1つ5,000円)」を300円で買い叩き街をひたすらパトロール。取引先と大ゲンカしている会社員をキャンデーで無理矢理ハッピーにしたり白昼夢にひたってみたり。 しかしデパートで万引きしている女性を発見、機転をきかせて阻止したのだが、逆ギレした万引き女に屋上に連行される。さあ遊佐未森の運命やいかに!? 正直、起承転結の起伏あまり無し。予算がもっとあれば盛り上がるイベントを入れれたことだろうに。 映像は牧歌的・幻想的でかなりキレイなのだが、なんというか「生」がないというか。綺麗な景色も「綺麗な景色という記号」として機能しているような感じ。 例えば、日本語独特のやわらかい情緒あふれる小説を映画にしても、その文体や言い回しから繰り出される雰囲気はなかなか伝わらない、という感じだろうか。 これは日本語を賜った大和民俗として文章で伝えなければならない領域!
ただ遊佐未森の説教されてモジモジしている表情はかなりかなりグー。
なぜホラー映画をみるのか そういう意味でこの映画、奥菜恵のギャラで予算尽きたのか、ややチープで、怖がらせるパターンも同じシチュエーションを場所かえて品かえてがんばってるんだが「恐怖・驚き」という点ではレトロなホラーを踏襲していて原始的にうったえかけるものがあり秀逸。 ボランティアの奥菜恵。センターに頼まれてある痴呆老婆の家に。ちらかり放題の家を掃除していると、二階から物音が。上がってみるとガムテープでびっちり目貼りされた押し入れ。中の物音を確認しようとガムテープを剥がしてふすまを開けるとそこには全身傷だらけの少年が・・・
「見てる」だね基本は。いるはずのないところで、ふと気付くとじっと見てる。
もうひとつは登場人物が得体のしれない気配に不安になっているとき、猫とかでてきてホッとした直後に出現。似たシチュエーション繰り返していたら他のホラー映画なら慣れてくるのだが、これは最後までぞっとする。多分でてくるものが人間ライクだからか?
地縛霊ってやりやすいな。 ものすごい形相しながら顔の半分だけ顔面神経痛みたくケイレンさせる奥菜恵が私的にはベリーキュートで。ニヤリとニヒルに笑うともさかりえみたくお気に入り。
もしや剣太郎セガールってスティーブンセガールの息子?そういや、良く似た人が藤谷文子と並んで高原の自然の中でバーベキューがどうのこうのって広告を
阪急電車の中でみたような気がするなあ・・・ショック。 弟の剣太郎セガールと兄のぜんじろう。実家の葬儀屋を手伝いながらもストリップ小屋で漫才をしているが全然評判かんばしくなく。母をなくした幼馴染みのみれいゆと葬儀屋の手伝いの時に再開したぜんじろう、昔の恋心が燃え上がりビックになる!と熱くなるがカラ回り。 しかしある日、客のヤジにキレた剣太郎セガール、脱ぐは下ネタ連発するは、これが大ウケ。噂につられてやってきたテレビのプロデューサー、周囲の反対をよそにテレビ出演を依頼。 当然テレビでは放送禁止の「ピー」連発。これが視聴者の「何いってんだろう?」の好奇心をかきたて、たちまち話題の人に。 弟の性体験をぜんじろうが脚本化、というスタイルで人気はうなぎ登り。だが弟もみれいゆもそのスタイルに疑問を持ちぜんじろうをたしなめる。 しかし顕示欲にとらわれたぜんじろう、「誰かひっかけてこい!」と弟をせっつく。 だが迷った末に弟が抱いたその相手は・・・ いやーなんか実際はハートウォームな話で。みれいゆが。みれいゆがすごくいい。ラストの夫婦漫才悪くないぞ。おかげでぜんじろうが面白く思える。それに「本当の悪人」ってのがいないねえ。雑多な「ユートピア」。 ハ!もしやこの映画がR指定なのは、映画の中のキダタロープロデューサのように 「15歳未満禁止にしときゃみんなどんなんか気になって観にくるやろ」ってことか?
短編映画がいっぱい。ホントいろいろです。支離滅裂。ややユーモラスなものが多いか。 一番面白かったのは「ヒジキ」か。お涙ものか、と思わせつつ「オレひじき嫌いなんスよ!」でギャグオチか、と思いきや、またうまい具合でお涙もの感じさせつ・・・ ラストは広末涼子のひとり芝居っぽい「アリタ」。なんか次々に口の中にタマゴだかマシュマロだかわからないものをほおばるシーンがエロティック。それ以外は特に・・・アリタが燃えて駆け回るシーンが長過ぎて発狂。 結局映画として通っていたのは山崎まさよしの「けん玉」だけのような気が。これきっとテーマを一つ決めてやれば、それぞれの監督のテーマへの捕らえ方が垣間見れてよかったのでは。 ジャムじゃなくてジャンクかもしれない。
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