いんちきな映画レビューのパイオニア!

邦画三昧
私的映画感想


生きてるものはいないのか
201/03/02

なんというか、これ群像劇というんでしょうか。 誰が主役、とか明確でなくて。

大きな病院のそばにある大学のキャンパスで、 まあいろんな人々がいろんな会話をしているのですが、 まあこの市一帯で「突然死」する現象が多発していて、 会話途中でどんどん死ぬわけですよ。 その謎やら原因やら解明されることなく、ただただ死んでいく。

大勢登場人物がいるけど、どの人もめちゃめちゃキャラがたっていて、 群像劇なのに埋もれることなく魅力・個性を発揮して、そしていきなり死んで退場。

あらゆる悩みやら人の事情やらは、すべて死の前には小さなこと、死は平等、ということでしょうか。 メメントモリ!

ラストのクレジットで、イカロスの森でもよく見かける劇団ヴァダーさんが記載されていてびっくりしました。 地味ですが面白かったです。 でも映画ならではの派手な迫力映像を楽しみたい人には退屈かもしれないです。


いろいろ
2012/02/29

ここのところ映画館に行ってないので、もう何年も前に見た映画の感想を、うろ覚えで羅列

ねじ式

つげ義春の衝撃作を映画化…

ねじ式をモチーフにした「バネ式」って映画があって、こちらは、ねじ式も持っている少し怖くて幻想的な世界観を、様々な要素を盛り込み、映画一本分にまで拡大していたけど、
本作は、ねじ式を漫画通りに再現して、当然30分くらいで終わってしまうので、あとはつげ義春の他の漫画をいろいろ掻い摘んだ日常編という形式でした。

どっちが良いとかいうわけではないけど、個人的には前者のやり方の方が好きです。

スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ

ホンキの悪ふざけって感じが好きです。 平家と源氏の末裔が西部で対立、ふらりやってきた凄腕ガンマンと町の人。この三つ巴の戦い。

日本人キャストがみんな英語でしゃべっているので、 この感覚、ああ、新春かくし芸大会で英語ドラマにチャレンジ、って雰囲気なんだ。 そう考えると合間合間のいまひとつなギャグも納得…いくよないかないよな。

ラストの一騎打ちが実にカッコよすぎ。
タランティーノが実に楽しそうにやっています。佐藤浩市の情けない悪役っぷりも見所。 ちらほらでているゲストが豪華。ラストに歌うは北島三郎。もう無駄に豪華。


七つまでは神のうち
2011/09/01

久々に映画館で悲鳴あげてしまいました…
恥ずかしい…市松人形はずるいょ。

不登校の日南響子は、ある日父親の車に乗せられている途中、どう見ても誘拐されている女の子発見、 なぜか警察に通報もせずにその車を追跡するよう父親に頼む。
山奥までのこのこ付いて行き、止まっている車にのこのこ近づいたダディ、瞬殺
日南響子もその子を助けたかと思いきや、謎の人物に追いかけられて…

こんな感じで短編ホラーが3作ほど。日南響子の薄幸っぷりの表情と、2話の市松人形がたまりません。

最初は不条理パニックホラー短編連作だと思っていたけど、終盤で関連が明らかに。 そんなにも練りこんであるストーリーではないけど、辻褄があっているというか、 単なる不条理じゃないというか、そういう話だと分かるだけでホラーとして上質な気分になります。 まあ気づく人は気づくんだろうけど、劇場でどっぷりのめり込んでると、ちょっとしたサプライズでも 「アッ」と驚くことができで、なんかお得な気分。

まあ何が一番怖かったって、クラスメイトをいじめ殺した奴らがのうのうとそれなりに幸せそうに暮らしていたことだね…


プリンセストヨトミ
2011/07/24

長いこと住んでるのに、大阪が私を受け入れてくれない理由がわかった!

会計検査院の 堤真一・ 綾瀬はるか・ 岡田将生は 実地検査のため大阪を訪れるが、 その中には国から多額の補助金を貰っている謎の団体「社団法人大阪城趾整備機構(OJO)」が入っていた。
OJOの古びたビルを調査、特におかしいとこないが、なにか釈然としないまま一旦立ち去る。
しかし中井貴一のお好み焼き屋で昼食中、携帯を忘れたことに気づき堤真一はOJOビルに戻るが、 ついさっきまで職員のいたオフィスはもぬけのカラ。電話も通じていない。果たしてOJOの正体は!?堤真一は徹底調査を開始する!(割とあっさり中井貴一が種明かしするのだが)

なんか、意外にあっさりしてます。いろいろエピソードが入っているようでいて、しかしあっさり。 大阪らしくこってりいって欲しかったのですが、無人の大阪という一発芸にエネルギー使いすぎたのかな。
はじめの方は軽くホラー風ミステリーっぽくてハラハラしたのですが(富士山の麓の十字架の群れとか無人のビルとか) あっさり中井貴一が堤真一に謎をバラしてます。 時間内にまとめなきゃいけないからかなぁ。

もっとカルト映画的な方向へもっていってくれたほうが個人的には好きかなぁ。 でも大阪イコールお笑いにもっていくという図式を崩しているのはグー。

無人の大阪を薄手のブラウスで疾走する綾瀬はるかの胸元が、CGか?SFか?ってくらいすさまじく揺れ動く様は圧巻。 さすがそれでバレーできそうな大きさではある。

密かな見所は、沢木ルカのハンサムっぷり。
仕事の出張で大阪に来ている人もいるだろう、とか、なんで大阪城が赤く点滅するんだ、とか、そんな野暮なツッコミは無しで!


劇場版 マクロスF 恋離飛翼〜サヨナラノツバサ〜
2011/05/24

すばらしくすがすがしいバッドエンド

スパイ容疑で超人気美人シンガーシェリルが死刑ってんで、 主人公の傭兵部隊ともう一人のヒロインが監獄から救出大作戦起こすんだけど、 脱出途中でそのヒロインをかばってシェリルが宇宙空間に放り出されて行方不明。 するとライバル死亡のここぞとばかりそのヒロイン、主人公に愛の告白。たとえ命の恩人でもライバルはライバル。 このしたたかさ、銀河規模。

なんか洗脳されてるっぽい人が襲ってきたり洗脳とけたり実はおにいちゃんだったり、目まぐるしい展開です。 しかし目まぐるしいけどついていけないほどではない良いさじ加減です。

TV放送したストーリーをまったく別物に作り変えるセンスというか根性が素晴らしいです。 ちょちょっと追加シーンを入れてTV版の総集編みたいな感じにして予算を浮かせるなんてするもんか!っていう気合入った造り。 黒幕だったキャラクターが正反対の立ち位置だったり、死んでたキャラクターが生きてたり、その逆もあったり。 まったく別物として観れます。

まあなんしか残酷な結末にあっけにとられます。そういうの嫌いではないです。
ただ、洗脳されている人が襲ってきているのに、シェリルがやたら丁寧に洗脳プロセスの説明をするのは面白かったです。


冷たい熱帯魚
2011/03/24

エロ・グロ・ナンセンスの極み!
すんごい賢いキチガイが、すんごい気弱な人を巻き込んで、すんごいバレそうでバレない犯罪を重ねまくるある意味SF。

吹越満は小さな熱帯魚店の店主。娘の梶原ひかりと、やたら胸の谷間をアピールする若い後妻の神楽坂恵との相性は最悪。
ある日、娘が万引きして警察沙汰になりかけたところ、突如あらわれたでんでん氏。 店長をうまくとりなしてくれた上に自分の熱帯魚店に招待してくれるという。
連れていかれたところは立派なまるでデパートみたいな熱帯魚店。奥さんは負けずとやたら胸の谷間をアピールする黒沢あすか。 ハイテンションで豪快でサービス精神旺盛なでんでんトークに、娘も妻もメロメロ。

娘はそこで住み込みバイトとして雇ってもらい、その上、ビジネスパートナーにならないかと誘われたのだが…

もうこのでんでん氏のハイテンションぶりが最後の最後まで突き抜けて衝撃的です。 もうキチガイすぎて美しい。これだけ猟奇殺人重ねてるくせに、 しかも途中から、弟子というか後継者を育てるかのような口ぶりに。 こんだけ自信たっぷりに主張されたら、例えキチガイ発言でも流されて言うことに従ってしまうのも分かりそうな気がする。

そして後半、弟子として覚醒した吹越満のりりしさ。これも必見。もうキチガイのはずなのにどこか清清しい。 こりゃ観ているうちに私もでんでん氏に教育されてたのかも。 そりゃもう黒沢あすかに至っては「オレが新しい主人だ」発言にうっとりです。あまりにも恋する少女の表情。これも必見。

一触即発の空気の中で食事を用意する、しかし次の瞬間には割とおとなしく「いただきます」してる。 この感覚は「紀子の食卓」にもあったかな?この監督さんはこの演出が好きなんだなぁ。

黒沢あすかと神楽坂恵の激しいファック対決もひそかな見所。 SFとかいいましたが、実話を元にした話。恐ろしや…


劇場版マクロスF〜イツワリノウタヒメ〜
2011/02/24

すんごい美青年パイロットが、すんごい美人シンガーとすんごいかわいい歌手志望の娘に同時に好かれてこまっちゃうな〜っていう SF(スケコマシが・フタマタ)。

巨大な宇宙移民船フロンティア。そこにギャラクシー船団の超人気美人シンガーがやってくるってんで大騒ぎ。 そしてライブ当日なんかとんでもない生命体が移民船に攻撃をしかけてきて…

なんとな〜く観てる分には良い感じです。楽曲がいちいちカッコいいです。戦闘はあんまりにも目まぐるしくて目が回りそうです。 あとなんでギャラクシー船団とフロンティア船団は別行動してるのかなぁ。仲良く一緒に行動すればもっと被害が防げないかなぁ。


SPACE BATTLESHIP ヤマト
2011/01/11

壮大なスケールと豪華ゲストで送るSMAP×SMAPコント!!

謎の星ガミラスからの攻撃を受け、放射能に覆われた地球。なけなしの宇宙艦隊も壊滅して人類の希望は潰えたかと思われた。
そんなある日、くず鉄拾い屋のキムタクが地表をあさっていると、謎の宇宙船が落下。 中には波動エンジンの設計図と惑星イスカンダルの座標入りのカプセル。
かくして人類最後の希望、宇宙戦艦ヤマトは建造され、キムタクや黒木メイサは乗員に志願したのであった…

始まりの部分はホントワクワクしたのですが、急速に減少…
なぜワクワクが消えるか考えると、ツッコミどころが多すぎて感情移入できないってのもありますが、 最近作られたアニメの「宇宙戦艦ヤマト・復活篇」と同じく、タメがないのが原因かなあ、と。
初期のアニメ版を見ると、なんといっても実際に地球上の戦艦でも最大の凶悪な破壊力を持つ46インチ主砲で敵をまず圧倒、多勢に無勢でどうにもこうにもいかなくなったとき、核兵器を使うくらいの慎重さで波動砲の発射を決断、そしてその波動砲の発射プロセスも手間がかかるという感じだったわけで。その手間に「とんでもないことをしようとしているんだな」とハラハラしたわけで。
ところが、あのボロボロの戦艦大和が生まれ変わる!という大きな少年たちがワクワクする見せ場シーンでも、軽快にサクサク飛び立つし、結構お気楽に波動砲を撃つし(画面に登場する前に波動砲で消し去ったので、どんな敵が登場したのか不明)、ワープ連発してアレっという間にイスカンダルに到着したり、と、とにかく軽くサクサクという現代のインスタント世代に向けた感じで。ひどく言えば新春かくし芸大会のように尺が足りないからサクサク進めよう、みたいな感じ。

こんな現代向けの軽いチャラ坊どもだから、軍人としての責任感といった重苦しいものなんかないよーって具合なので、 レーダー係はほんっとレーダーをいつも見ず、いつも他の人が目視で敵を発見したり、攻撃を喰らってから報告したりする始末。初期アニメ版の森雪を見習いなさい。
作戦もずぼらで、とにかくツッコミどころの枚挙に暇はありません。おバカさんが多いので、感情移入しにくいです。

一番最初の地球艦隊とガミラス艦隊の対決シーンはわくわくしました。導入部分はわくわくできます。
映画向けに変わった設定やデザインは個人的には好きです。
結末的には、もう30年くらい昔の小説「宇宙戦艦ヤマト」(なんかSFというよりオカルトみたいな話)をモチーフにしてるんかな。
まあキムタク頑張ってるし、黒木メイサは綺麗だし、見所はそこか。

あと、いいかげんあの第三艦橋(船の下にぶら下がってる棺おけみたいな場所)は撤去しませんか。


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