邦画三昧
いやこれホントもう、 江角マキコキュート! の一言に尽きます。 なんか、カワイイのかキレイなのかカッコイイのか分からない。むしろ全部持ってる。 ガタイでかいのにカラダ柔らかいのかしら、丸まるとやたらコンパクトでラクラク収納可能みたいなところもすごい。 和服でピストルぶっぱなす殺し屋・江角マキコ。ピストル無しでも強そな江角マキコ。レズっ気ありそな江角マキコ。コードネームは「野良猫」。殺し屋ギルドではナンバー3の実力者。しかし猫のように気まぐれで気にいった仕事しか引き受けない。 しかし殺し屋ギルド内で異変が。ナンバー1実力者「百目」を始末したいギルド、それに先手をうって他のギルドのメンバーを消しにかかる「百目」。やがて江角マキコの元にも「百目」の息のかかった殺し屋達が差し向けられる! なんとなく全編にわたってエロティシズムとロマンティシズムとハードボイルドがパラパラッとちりばめられていて倒錯的な耽美な世界。 特に江角マキコにくっついてくる子役の娘のシュール&エロティシズムったら。 樹木希林の語りもなんか鬼々迫るものがあるねえ。
対決シーンについては賛否分かれそうだなあ。アクション描写がリアル、とかいう映画とは正反対であり、
よく歌舞伎では「この振り付けを行ったとき、それはこの動作を表している」
というルール
があるが、そんなミュージカルに近い感じの描写です。
まあでも、
江角マキコがオナニーにふけっているシーンが一番衝撃的か!?
子役の娘のオールヌードが一番衝撃的か!?
ド迫力! 2時間半ぐらいあるのだけれど、その長丁場を感じさせない展開。 12才未満禁止映画だから中学生は観れるんだね。「バトルロワイヤル」よりエグいのに。 凶悪犯二人が脱走。逃がす手引きを請け負う組織と「黄泉返りの森」という場所で落ち合う。 組織のボスの命令で誘拐されてつれてこられた謎の女性、そしてその組織の腕利き達。 なぜこの面子がこの森に集められた?果たしてボスの本当の意図は? やがて500年前のサムライだった前世の記憶と状況はシンクロし、壮絶なバトルが始まる! 設定やストーリー展開は少年漫画みたいにわかりやすく単純、その分特撮やアクションに重点が置かれている。しょっぱなから生き返った死人達をサムライがメッタ切りのシーンでくぎづけ。 銃のぶっぱなし方も派手、殺陣も斬新で、 日本人、ハリウッドに勝ちたけりゃ、やっぱりカタナですよ ってな具合。 しかし主人公の顔が 新庄選手にソックリなのはなんともオドロキ。 そしてヒロインの「都会にでてきてあかぬけた田舎娘」ってな雰囲気がグー。 映画にはそぐわないが。 他のキャラクターも全員クドいぐらい個性あるし。 そういや洋画のアクションはやたら火薬で爆発、というシチュエーションが多いけど、これは爆発シーンなんて特にないのに派手に感じる。観ておくべし。
「『赤影』はやめとけ・・・」と遺し絶命した友の言葉どおりあっちはやめてこっちにするが・・・
幼いころの事故で鉄塔の電流を浴びて特種能力を身に付けた その街で、昼は電気技術者、夜は暗殺者としての営みを続ける顔半分だけ仏像の仮面をつけた男 雷電仏蔵! さあ二人の対決の行く末は! いやもうこんだけ。1時間程度の長さなのになんで退屈なんでしょ。 これ多分、ノリがこんなだから、大学とかの映研の文化祭の出し物だったら大喝采なところなんだけど・・・ 名前を憶えられるのにはワケがあります。観ればわかります。
ちょこっと立ち読みした「屈辱ポンチ」がまさか映画化されていたとは全く驚きであるが、 あの読点のなく延々と続く文体の小説のマッドな世界観が、ビデオクリップ風の斬新な映像で表現されており、その意味でお勧めである次第。 脚本家永瀬正敏は仕事が来なく妻は家を出て無気力になり家事もこなさないので家はあれ放題でまるで廃屋のごとき風体を醸し出して近所の人は粗大ゴミ捨て場と勘違いする有り様で、そのゴミにたかるムシたちがどんどん成長し実は肉食であることが判明し生命の危機まで感じる始末。 そこで唐突にやってくる得体の知れない映画監督小松方正の脚本依頼を受けてシナリオハンティングに出かけるのだが、行く先々で異常な体験を強いられることになり生命の危機を感じるも、小松方正は「その体験が脚本に活かされることでございましょう」などとのたまい、前金も貰っている以上いまさら降りる訳にもいかない有り様。 この登場人物のほとんどが麻薬常習者のような異質な行動・言動を発し、鳥肌実はまあ当然として、特にミルクシェーキをつくろうとして延々と卵を割り続ける老婆にも私は深く深く恐怖を感じ、これは実際に劇場で観覧しないと体験できない迫力であり、永瀬正敏も変人なハズなのだがやがて普通に見えてくるのは致し方ないところ。 瞬間瞬間を楽しむジェットコースタームービーであり、見終わった後での印象の薄さはいかんともしがたいところ。
ホラーです。なにやら美少年二人組アイドルのビデオクリップともウワサされているような映画ですが、 あの 三輪ひとみが共演です。こりゃ観なくちゃ。 死体とまぐわってみたり ミニスカートで回し蹴りしたり 白目でベロだして絶命したり およそ普通の美少女がやらないことやってくれる彼女、今回も わざわざ幽体離脱までして少年の股間に顔をうずめてゴソゴソ したりしています。2話形式。 主人公の高校生、ふとしたきっかけでクラス中で敬遠されているブキミ少女三輪ひとみにつきまとわれだす。なんでも幽体離脱するとかしないとか。 そのうち恋人が変死、励ましてくれたクラスメイトも変死、尋常ならざるものを感じ、意を決して三輪ひとみの家に乗り込む主人公・・・ いやもうヘタな特撮なんかいらない。怨霊系の和風(輪風?)な怖さ。 ビバ三輪ひとみ。
さてびっくりすることに、第2話では三輪ひとみの妹が主演です。きっとこの人もスゴイはずなのだが、姉がぶっちぎりなので普通の人にみえます。 なんだか小さい頃、家人が皆出かけてお留守番、というとき、異常に家の暗がりが怖くて。 そのときの闇への恐怖を思い出す感じ。いやマジで。 細かいところでは煮詰めきれてないような設定とか、NHKのぬいぐるみ番組の背景セットのごときしょぼい特撮とか、揚げ足とりだしたらキリがないけど、 恐怖映画の価値が「いかにゾッとしたか」「どれだけビックリしたか」を基準にすれば、 かなりの秀作。 でもエンディングのいやにポップな歌が・・・「おとなたちーはー♪まだがんばってるー♪」・・・ あらららら・・・彼等の歌だそうな。
「定期巡回」などとエラそうなことをほざいて いつものように内容も確認せず映画館に飛び込み驚く私。原作は少女漫画? 館内は若い女の子ばかり。とまどう年寄り。ひゃー。 中学生になったチアキ。モットーは、「いつもクールに」そして「友達はつくらない」。実は小学生時代、 信じていた友達に裏切られたのだ。学校ではクールに振る舞うものの、毎晩いじめの夢にうなされるチアキ。 ある雨の日、たまたま橋の上でオカマバーのママ「菊ちゃん」に出くわす。願いをかなえてくれるという言い伝えの「ミドリのオバサン」と思い込んだチアキは、咄嗟にひざまづき「たすけて・・・」 ここから始まる中学生と中年オカマの不思議な友情。
なんかねえ、もう切ないわあ。人によっては、というか年代によっては感じ方が随分違うかも知れないけど。世の中にはホントーっにおもしろ半分で人の人生狂わせるヤツがいて、それでも人を信じる人がいて。
また、成長過程のヒロインを大人たちが温かく見守る、という訳では決してなく、大人たちもいろいろあって、大きくなればなんでもかなう、なんていうことはなくて。 最後の、いじめっ子を「友達だと思ってたのに!」と連呼して叩き付けるシーンがグー。 恋愛ものとかに流れずテーマが一貫しているところもグー。 しーかしヒロインチアキ役の派谷恵美。存在感あるなー。演技がウマイのかヘタなのか、よく分からないところもグー。
本来このコーナーは、誰もが敬遠しそうなレイトショーやカルト映画を取り上げる、というコンセプトで作ったつもり。こいつはオススメ。 仕事に行き詰まり、工場だらけの故郷へ帰ってきた映画監督志望の岩井俊二。そこで偶然、 線路の上に寝転がりサイケデリックな衣装とメークで赤い傘を振り回し「儀式してたの」とのたまう美少女 藤谷文子と遭遇。 「明日は私の誕生日なの」の言葉に翌日、花束を用意して訪れる岩井俊二。 しかし藤谷文子は「私の誕生日は明日よ!」
いつ会っても「明日は私の誕生日なの」。永遠に歳をとらない不思議な美少女藤谷文子。
彼女に興味を持ち被写体としてプラトニックな付き合いを続ける岩井俊二。
やがて彼女が一人で暮らす廃ビルに招待され一緒に暮らす岩井俊二(でもプラトニック)。
しかし徐々に彼女の不思議さに、不思議というより偏執狂じみたものを感じはじめる岩井俊二。 シュール。そしてハンパじゃない映像美です。 そして藤谷文子がすごくいいです。カワイイです。でも怖いです。すんごく怖いです。 急にキレます。過去のシガラミから抜けだせなくて苦悶する様を熱演してます。 ちょっとでも冷たくされようものならユカ転げ回って 「はぅぅ・・嫌われた嫌われた嫌われた嫌われた嫌われた・・・・・」 まあしかし考えようによっては、誰しもが彼女のようになってしまう可能性はある訳で。 よく「自殺するのは弱いヤツのすることだ」などと言う輩がいるが、その言葉が >自殺を考えるほどツライ目に遭ってない運のいいやつのたわごと に思えてくる訳で。 ところで彼女のすさまじいメークとファッションは見ていて楽しい。シュールが苦手な人でも、先入観持たずアタマ空っぽにして観に行くと絶対ココロ動かされるはず。ラストもなんとなくハッピーエンドだし。 やーれ原作は藤谷文子の小説「逃避夢」。って・・・アンタぁ原作者で主演!? そりゃ熱もはいるさ。
実は1993年の映画。そんな古い映像も平気で新作のごとく劇場で流すナニワ商魂・・・いや、古典を大事にする澪つくし。まだあどけない横山めぐみと怪優・佐野史郎のレイトショー。とはいえ二人カラミ合う訳じゃありません。 ただちょっとスプラッタ。 女子大生の飛び下り自殺を捜査する刑事・横山めぐみ。関係があったと思われる大学教授の佐野史郎の身辺を調べると、過去にもこの教授がらみの失踪事件が起こっていることが発覚。 大きな屋敷に一人で住んでいるはずの佐野史郎。しかし張り込み捜査を続けるうち、館を抜け出してはレズバーに通う謎の女の姿が。 果たしてノイローゼになり出雲の実家で療養しているという妻の行方は? やがて出雲で発見されたバラバラ殺人死体と失踪事件は結びついて・・・
シュール・ホラー。シュールシュール。もう雰囲気というか流れる空気がシュール。バックで流れる音楽もシュール。おシャレなのにスプラッタ。もう劇場の大画面ならトリップ必至。 しかし佐野史郎、妻をかばうためとはいえ、 「僕が女装してレズバーに行き、そこで知り合った女を屋敷につれこんだんだ」 って言い訳は苦しすぎるぞ。いやシュールすぎるぞ。女装してる佐野史郎・・・レズの人はついていかないだろう。いけないルージュマジックみたいだった。 しかし私が一番衝撃的だったのはBGM。ベースのストリングにやたらピッチのかかったキザっぷり、まさか音楽担当がzabadakの吉良知彦だとは! ストーリーとかキッチリしている良質B級。ぜひ御覧あれ。
忙しさにかまけて「party7」「毒婦マチルダ」などなどキテる映画を次々に 見逃してしまった。この映画も封切りは正月明けやったね。 とある大企業に届く脅迫メール、差出人は「溺れる魚」。 その要求というのが「部長・全裸で都内ダッシュ」「専務・モー娘。都内で熱唱(ダンス・衣装もキメる)」などなど。
公安刑事でありながら借金をかかえる伊武雅刀は、事件を表ざたにしたくない会社から、犯人を見つけてやるといい大金をゆする。どうやらライブハウスを経営している芸術家IZAMを怪しんでいるようだ。
金にがめつい伊武雅刀は、会社とIZAM両方を脅して双方から金をせしめようとするが失敗。 そこでみなを巻き込む大騒動を計画する。 そしてクライマックスは街のど真ん中で激しい「金の入った袋争奪戦」。 金の行方は?IZAMの過去とは?裏で皆を操る渡辺謙の正体は?
中盤まではコミカルながらもいいストーリー展開なのだが、後半のバカラッシュは何?
銃撃戦には野際陽子や宍戸錠が乱入してくるわストーリーとかもうそういうのお構いなし。
豪華キャストみんなで、真剣にバカやってます。しかし残念。
「発狂する唇」のように最初からバカします、と宣言しているならともかく、途中まで順調にきてるのに・・・
見どころは
眉間に銃弾を喰らいデコから血を吹き出す野際陽子
か?
あ、でも仲間由紀恵はカッコいい。ファンになりそうだ。
「うる星やつら」「機動警察パトレイバー」「甲殻機動隊」で有名な押井守監督、実写も撮るんですねぇ。一応邦画扱い。 頽廃した近未来、人々は仮想現実戦闘ゲーム「アヴァロン」に熱中していた。 なにせ戦闘で稼いだポイントは換金できるのでいい大人もどっぷりハマッてる。 戦闘で死ぬことがあっても「リセット」をかければ脱出可能なのだが、病院にはゲームにハマりすぎて脳をやられた通称「未帰還者」が大勢収容されている。 このゲームの隠れたスペシャルエリア(リセット不可能だが莫大なポイントが稼げる)を求めてヒロインのアッシュは今日も架空戦場で戦い続ける・・・ 昔「ファミコンロッキー」っていう漫画があったんですわ。 ファミコンゲームでハイスコアだすために命をかける、 まったくGNP上昇に貢献しない少年達の物語。 ストーリーはなんとなくそういう感じ。つまり、いまひとつ。 「映像新世紀」なんていうがどういうところが? 戦車やヘリが爆発しているが、別段、驚くような映像美ではないし。 実はすべてコンピュータグラフィックで処理しているそうな。でも、 そんなの言われなきゃ解りません。 そして映画を観る人にとって、実写であろうがCGであろうがあまり関係ありません。 まあ最後のモノトーン画像が急にカラーになるシーンはハッとさせられたけどね。もしやゲームの世界の方が現実だったの? 押井守監督はアニメで有名になったんだから、 アニメだけ作っててください という感じ。
さあ!レイトショーだよ!身分証明書がいるんだよ!でもエッチなシーンなんか期待するなよ。 ぜ〜んぶスプラッタ。
舞台は近未来の日本。国防上のデータ採取と称して
抽選で選ばれた中学生1クラス42人を、最後の一人になるまでお互い殺しあわせる
BR法が施行されていた・・・ 「ビートたけし」「山本太郎」ときたらメロリンキュー だな〜って感じなのだが、今回は山本太郎、ちょいと渋いです。
全体的にせわしない感じがするが、原作の小説は国語辞典並みのブ厚さ。
2時間ぐらいにまとめるには駆け足にならざるを得ないんでしょうな。 私的な見どころは千草貴子役の栗山千明。怪奇映画「死国」で、 映画史上に輝く爆笑殺人方法(抱きついてサバ折り)を決めまくった栗山千明。 「ち●こ」とか言ってるし! そして男を転ばせてその「ち●こ」をナイフでメッタ刺しにしてるし! ビバ栗山千明!ブラボゥ栗山千明!もう君はホラーでしか活躍できない! 残念なのは心中するふたり。原作の小説では、天国で一緒になろう、ってパラノイアなぐらい燃え上がるさまをキレイにドラマチックに描いているのに。映画ではエッなにこれ?って感じで。 国会とかで非道だと騒がれていたけど、単純に殺しまくってハッピーエンドなハリウッド流アクション映画と違い、生命賛歌という気がするのだが。
私の好きな深津絵里の原点がここに! どこで観たのか思い出せないしストーリーも結構忘れてるな。ただ、ストーリー展開を楽しむ映画、 というよりは、映像美を楽しむというかなんというか。外部から隔離された世界、というよりは、 むしろこの世からも隔離されているかのようなファンタスティックな映像。 う〜んどう説明すればいいか分からん。あからさま前衛的、という訳でもないし。 ただ私は夢の中で見た景色が再現されているようでえらくはまった。 全寮制の男子校。夏休みに入り生徒のほぼ全員は帰省、寮には帰るあてのない少年3人が残る。 そこに唐突にやってきた転校生。新学期よりひと足先にやってきた転校生。 しかしこの少年、この寮の近くの湖で自殺したはずのクラスメイトに顔がそっくり。 彼を巡り、美少年達は愛と憎しみのうずまく幻想的な夏休みを送ることになる。 おいおい、登場人物は少年ばかりじゃないか。じゃあ深津絵里はなんだ?っつーとこれが実は 映画のキャストはみんな女の子。宝塚だよ。 この時点ですでにインパクト。 まあなんちゅうかストーリーの設定上では男の子同士でイチャイチャしてるんだわ。でもキャストはみんな女の子だから実際にはレズってるんだわ。チュウとかしてるし。糸ひいてるし。 ともかく倒錯的な映像美。耽美系好きな人はとりあえず観るべし。
黒渦町というハッピーな名前の町に暮らす高校生のヒロイン。その彼氏の父親は 「うずまきマニア」。家族は気味悪がってやめるよう説得しているが、 そっちのけで町中のうずまき模様の物をかたっぱしから集めている。 終いには、洗濯機に自ら入り、体をうずまき状にして死亡。 ここから「うずまきにとりつかれた町」の惨劇(?)が始まる。 ヒロインもその彼氏役もすっごい大根芝居。 観ている方が赤面しそうだ! ところが、その大根芝居で学園祭みたいな雰囲気を醸し出しているところに 突如、グロテスクな特撮が入るのでこりゃなんともいえない、なんというか、 やたらすっぱいものを食べたときのような軽い痛みに似た感覚が耳の下の辺りに押し寄せてきて、 でも口の中にはマシュマロが入っているような感覚で、 キャッチコピーの「『キモチワルイ』がキモチイイ」に納得いく訳で。 原作の漫画は終盤苦しそうなのがモロにわかる。どういうオチにしようか迷って、 結局「うずまき模様の古代文明がどうのこうの」というよくわからない結末なのだが、 映画の方では、新聞記者が神社などを取材し「うずまき→とぐろ→ヘビの邪神信仰」とまで謎を解きあかし、若干、背景の世界観の設定をしっかりさせている。 また原作では、町から逃げようとしても道がうずまき状になって出られない、というものだが、映画では町を出ていこうと思った人は出ていってる。つまり町に残ってる人は、やむをえずではなく、うずまきに魅入られたから、がより強く強調されてグー。 でも別にいいの。設定とかストーリーとかは。この「キモチイイ気持ち悪さ」があれば。
カッパ・たぬきと共演して中井貴一、お次は梟(ふくろう)!? 天下統一に伊賀忍者が邪魔になると判断した織田信長、伊賀の里を攻め滅ぼす。 僅かに逃げ延びた伊賀忍者が復讐の機会をうかがっているうちに、信長は滅んで豊臣秀吉の時代。 秀吉暗殺を依頼された伊賀忍者の中井貴一。渋りながらも都を目指すが依頼主も暗殺される。 もう暗殺の義務はないのだが、殺された仲間や自分へのけじめのため、大阪城に忍び込む。 だが己とは一体何者だ、という悩みを秀吉から語られる。自分と同じ悩み。 中井貴一、秀吉を一発こづいて許してやり大阪城を後にする・・・ 序盤はちょっと退屈なんですわ。展開が。映像はすこぶる綺麗で迫力あるんだけどねぇ。 そんでもって、襲い掛かる刺客が弱すぎて肩透かし。甲賀忍者のボスとか。もうちょっと粘れ。 でも「面白い時代劇」ではあるかな。中井貴一はかなり時代劇が似合う人だ。
カトリック系の高校に通い、演劇部に所属している深田恭子。 この学校に伝わるドイツ人美術教授と校長の娘の悲恋の伝説を題材にした舞台を上演しようとするが、 次々と演劇部の友人らが殺害されてゆく。友の無念を晴らすため、いんちき探偵になった深田恭子、 やがてこの悲恋の伝説の真相を知る。伝説では帰国したはずのドイツ人教授が実は学内で殺害!? 謎の絵画贋作組織とは!?元画家の父、根津甚八とのつながりは!? 赤川次郎の小説の王道パターンを踏襲していて 「悪の組織が秘密を知った人間を消して、余計大事件になる」というやぶへび具合。 女子高生忙しいんだし、ほっときゃ忘れるでしょ!ってーのに。 ちょこちょこ凝った風な伝説にまつわる謎解きらしきものもあるが、 ここでも赤川次郎の小説の王道パターンを踏襲していて 悪の親玉が冥土の土産に全ての真相を解説してくれます。 途中ちょっとぐらい居眠りしていても大丈夫。 赤川次郎の小説の王道パターンどおり、最後は円満解決大団円となるのだが、 ラストシーン、深キョンはやけに薄地のTシャツを着ていたのだが、 キスシーンの直後、乳首が妙にトンガッた ところが見どころですかい?
さあ!黒木瞳がバカ映画で主演ってだけでもワクワクしないか? しないな。「催眠」の続編だってね。 「『ミドリのサル』の謎が明かされる!」という宣伝文句だが、どーでもよくなって 「あれ?正体何だっけ?」と忘れちまう映画さ。 「ミドリのサル」と名乗るテロ集団が闊歩する日本。なんと米軍基地にノコノコと 一人の男が入り込み、ミサイル発射ボタンを押してしまう!目標日本!ナイスセキュリティ! 男をなだめるため、腕利精神カウンセラー黒木瞳と自衛隊のパイロット水野美紀が登場。 しかし男はその場で拳銃自殺。発射解除の10桁キーワードは男のみぞ知る。 ところが黒木瞳、男の表情が映ったビデオを見て思考を分析。パスワードを当ててしまう。 もうマスコミじゃ英雄扱い。こいつにキャッシュカード拾われたら終わりだってのに。 感動した水野美紀、「ミドリのサル」の調査も兼ねて、休暇とって黒木瞳の経営する 精神クリニックに弟子入り。 黒木瞳に貰ったCD-ROM。パソコンで再生した水野美紀、催眠術にかかる。 催眠術にかかった何十人にも及ぶ人たちがゾロゾロと何日もかけて、 対自衛隊用の妨害電波装置の部品を持って、 千葉の東京観音像までノコノコ歩いてゆき、てっぺんで組み立てるという 秘密計画にしては実にセンセーショナルで 注目度抜群な方法で装置を完成してしまう。トラックでやれよ。1日で済むぜ。 黒木瞳、実は「ミドリのサル」の親玉で、この装置の作動中に、もう一度米軍基地乗っ取って ミサイル発射を目論んでいた。催眠術の解けた水野美紀、 黒木瞳の放った刺客と突如カンフーバトル。 見どころはここだけ!めちゃ強いし実に技が華麗。ローリングソバットとかハイキックとか。 この人主役のカンフーアクションでも良かったんじゃないの? 「発狂する唇」に負けず劣らずバカラッシュ! 休暇をとる水野美紀に、 根津甚八がプラスチック爆弾!をプレゼントしたり、 ミサイル誤射の非常事態なのに、自衛官が米軍基地に入ろうとすると 「カケに勝ったら入れてやる」なんてコイントスする米兵がいたり。 ジャンルはギャグ。異論はあるまいな。
結構前に観たのに、まだ印象に残っている。最近、TVでこの続編やっていることを知った。
イグアナとかサイコ娘とか 全く関連のない人々が、突如「ミドリのサル」とつぶやき、自殺する事件が次々と発生。 金属のぶつかり合う音を聞いた瞬間、身投げしたり首くくったり心臓破裂するほど全力疾走したり。 あまりにも謎が多いため、悩む警察が助っ人に呼んだのが心理療法の研究をしている稲垣吾郎。 刑事宇津井健とコンビで捜査するうちに、催眠術をショーアップする男と、その男に見せ物にされている多重人格少女・菅野美穂と出逢う。菅野に惹かれる稲垣は、その催眠術師の男を犯人だと疑うが、実は菅野の人格の内の一人が・・・ 最後は菅野と稲垣の一騎討ち(っていうか鉄パイプでしばきまわされる稲垣)。 何とか菅野を説得して元の(ってどれだろう)人格に戻そうとする稲垣。 もうこのシーンの菅野の恐さったらないよ。必見だとも! ジャンル分けが難しいけど、エンターテイメントとしてはなかなか楽しめた。 複雑な謎解きを期待している人には拍子抜けかも知れないが、 しょぼいパニックホラーなんかよりは遥かに賢い作りで見ごたえあり。 催眠術を信じない宇津井健に「催眠術で過去の罪の意識を取り除いてあげる」と持ちかけ、 結局その(忘れかけていた)罪の意識を浮き彫りにしたため、宇津井健が自殺する、という悲劇も。 菅野の演技を目の当たりにするだけでも、これを見る価値あり。 密かな見所は刑事役の大杉漣。
元々は劇団ジョビジョバの舞台演劇だとか。いつもの如く、 予備知識まったくなしでフラフラっと目についた映画館に足を運ぶ私。 ちょっとセンチ(!?)な気分だったので、コメディなんかがいいかな〜と思い。 孤児院育ちの3人組が銀行強盗を企てる。計画は順調に進むかに思われたが、 その銀行に居合わせた人間たちは曲者揃い。ガードマンの機転で金庫の内側から ロックを掛けられ、金は手に入らないわ、警官隊に包囲されるわ、 人質の中には自分らよりはるかに強い本物のテロリストがいるわ、大ピンチ。 ところでこの場所に集まった9人全員が、犯人3人組の中の一人が大好きなアニメ 「スペーストラベラーズ 」のキャラクター達にそっくり。 警察にハッタリをかます為、国際的な犯罪組織「スペーストラベラーズ 」を名乗り、 犯人も人質も一緒になって盛り上がってしまう。芽生える奇妙な連帯感と友情。 前半はユカイ。ちっちゃいネタの連発で(私は)笑えた。銀行内部はドタバタしてるのに、 中の様子が分からない警察やマスコミは一挙一動に右往左往、という対比もいい。 小技だが、大柄なテロリスト渡辺謙がいつのまにか犯人一味の背後に出現する演出がナイス。 観客も登場人物も、共にダレてきたところで結末を迎える。 最後はどんなユカイなどんでん返しがあるんだろうと期待していたのだが、 警察の機動隊に射殺されてオシマイ、 ってーのはあんまりなのでは? リアリティのないストーリーなのに結末だけはすごくリアリティ押し付けられてもねぇ。 密かな見所は銀行の支店長役の大杉漣。
富江。原作は漫画らしいね。ホラーです。でもこの映画、「宝生舞の妖怪は怖くない」の一言でかたずけられます。 私立病院に急患で運ばれてきた少女。腹部に巨大な異物が。 開腹してみるとなんと女性の生首が入っている!しかも生きている! 好奇心に負けた院長はナイショでこっそり、生首を培養槽で育てる。 さて行方不明になった院長、娘(主人公)は残された日記等を手がかりに 調査していくうちに「富江」の存在を知る。 日本犯罪史上迷宮入事件に必ず名前の出てくる「富江」・・・ まあでも最後は富江(宝生舞)の首をヒロインが斧ではねてオシマイ。
瞬間瞬間ではぞっとする秀逸な演出が多々見受けられるのだが、
全体の流れは・・・漂うトホホ感・・・
「なんでそうなんねん!」てな、ストーリーの矛盾ぶりもさる事ながら、
一番の難点は、結局「妖怪として登場する宝生舞」は怖くないということか。 いっそ「科学の発展のためなの!!」と逆ギレしながら、エグい 人体実験を行う科学者役なんかのほうがよろしいのではないかと。
レイトショー。坊やはお呼びじゃないのさ、という感じなのだが、 どういうところでレイトショーなのかというと、終わった後で 「金返せ!」とのたまうことなき大人の寛容さが必要、ってことかい? 美人姉妹とその母。一家の長男は女子学生頭部切断連続殺人の容疑で指名手配中。 家の周りはマスコミが取り囲み、連日の嫌がらせ電話や投石に耐えかねた妹、三輪ひとみは 心霊研究所に相談に訪れる。そこにいたのはむしろ占い師という感じの女と、その秘書の男。 占い師は、降霊の儀式で、首のない女子学生達の幽霊を使い魔にして真犯人の居場所を探させる。 しかしその後も二人は家に居座ってしまう。すさまじい図々しさだが、姉も母も秘書にレイプされ 言いなりになってしまう。三輪ひとみは自分にも超能力があることを知るが、 ついにR指定な内容でレイプされてしまう。 最後は女子学生の遺族達と激しいカンフーバトルアクション。三輪ひとみの強いこと強いこと。 もう真剣にバカやってる感じ。真顔で唐突に現れて「FBIだ」とかほざいたりと、後半のジェットコースターのようなめまぐるしいバカラッシュはもう可笑しいのに笑っていいのかどうか迷うぐらい。一所懸命なのにトホホ。ヘン?否ヘンじゃない。 「正統派エログロナンセンス」。チープだけど王道だよきっと。 ところで、 「あれだけカンフーが強いのにもかかわらず、実の兄と野外で情事の最中、 斧で後頭部割られて白目ひんむいて、口から舌をダラリとさらけ出して絶命したヒロイン」 てーのは、邦画史上、いや全映画史上で初めて! 密かな見所はFBI大佐役(!)の大杉漣。
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