2008 みおつくし 霞む勢い おみなえし 〜飛田で岡惚れ徒情け〜
廃墟探検隊ならず遺産探検隊。 大阪は西成の一大赤線地帯:飛田新地。 ここに鎮座するはかつての楼閣を改装してつくられた料亭「鯛よし百番」。 文化財にも認定されたこの建物を探検しようってわけだ。 この日の探検隊は、立花のイベントスペース「猫町西村」の常連20名。 後発隊に混じり新今宮から店を目指す。 あいりん地区を抜けて商店街から新地の旧正面入り口へ。 華やかかりし地区の周りを貧民街が取り囲むこの無常。 すでにそれぞれの「料亭」は店開きしており、毛氈に浮かぶは生え抜きの遊女達。 あまりやっちゃいけないのだがきょろきょろきょろきょろ。 世が世ならこの人が花魁だなぁというような人も。 街の奥に進むと、ひときわ大きな余りにも存在感のある時代劇に出てきそうな建物。 「鯛よし百番」。先発隊はすでに始めている様子。 わくわくしながら店ののれんをくぐるのであった。
到着した「鯛よし百番」の店構えに圧倒されつつのれんをくぐると、 いきなり中庭に大樹と石の置物。よくわからんがなんだか見事なものな気がする。 中庭を桟橋で渡り桃山殿へ。この店で一番大きくて豪勢な部屋「桃山殿」。 襖を開けると古いとはいえ、あちこちに様々な種類の豪華な装飾。 なんかその時その時のいろいろな豪華なものを とりあえず寄せ集めたような「ちぐはぐ感」がまたリアルだ。 かつての店の目的は遊女を抱くわけで、 なんしか高級そうなもので固めておけーって感じだったのかも。
勢ぞろいしたところで乾杯。この日は鍋。さっそくビールが空いたので、 やはりこの店では日本酒でしょう、と手酌でとっくり3つが空に。 あらあら飲んでも飲んでも酔わないような。すでに雰囲気に酔っているのやら。
店の中を少し回らせてもらおうと5人ほどで二階に。
二階は比較的小規模な部屋が沢山。
ははあ、さては下の桃山殿で芸者さんが踊ったりなんかして、
いい子と二階に、って構図なんじゃない?
とかイロイロ(エロエロ?)語る。
さて二階の小規模な部屋、これ各部屋にテーマがあるようで、
襖を開けると屋形船を模した構造になっている部屋などあり、
これいわば当時のイメクラかな?
とかイロイロ語る。 下に戻り貴賓室。 なんかここも店の中に突然宮殿のミニチュアを造ったみたいな雰囲気で、 やはりちぐはぐ感のある豪華さが不思議で。しばし満喫。
部屋に戻ると、メンツの中の陽気なおじさんが、 他の部屋の皆さんを呼んで記念撮影なんかしてて。 観光でこの店に来ている方々にはこの桃山殿は一番のみどころ。 独占せずにみんなで分かち合い。 その後も時間いっぱいまで語らい杯を酌み交わすのでありました。 各部屋の見学を許してくれた店の方に感謝。
帰りもまた女郎屋街を突っ切る。
客引きおばさんに「あんたら何の集団?」と問われる始末。
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