第二十章 〜 ライト&シャドウ 〜
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お祭りの帰り道、カンナを家まで送って行った。向こうの山ではまだ唄や祭囃子が聞こえる。提灯が山並みをまるで燃やすように照らしていた。
「初めて友達とお祭り行ったよ。た、楽しかった?」
本当は言って欲しかった。
いや、言って欲しくなかった?分からない。なんて聞けばいいか分からなかったけど、僕は「楽しかった?」っていう言葉しか思いつかなかったんだ。
『 うん、楽しかった。友達と行った初めてのお祭りだから。』
「そうだよね・・・そう・・・僕も楽しかった。・・・さ、三人だから・・・」
もうすぐカンナの家が見える山道の入り口。
「ね、カンナ・・・」
虫とカエルの声が溢れている中、カンナが振り向く。