●トラブルシューティング |
ウィンドシンセ関連での色々なトラブルとその解決法です。掲示板などでやり取りされた質問も載せていこうと思っています(最新の情報が一番上にくるようになってます)。
疑問・質問がある方は掲示板にぜひ書き込みして下さいね(色々レス付きますし!)。
WXを吹いてるんですが、しばらく演奏していると右手親指が痛くて辛いです。なんとかなりませんか?
A.ストラップを使う、または長さを調整しましょう。
ストラップは使っていますか? 付属のもので充分ですので、ぜひ使いましょう。
もし中古で買ったとかなくしてしまった・・・といった場合は今すぐ買いに行きましょう!
サックスの売っている楽器屋さんなら細いのから太いの、フックがロックするのから楽にハズせるのまで色々取り揃えてあります。ウィンドシンセ用途でしたらそんなに長いのは必要ないので、アルト用が良いでしょう。また、重量がサックスほどないため、頑健さはあまり気にしなくても大丈夫です。
また、ちょっと太めのものでしたら携帯電話を首から下げるストラップでも代用できますが、フックの形状がポイントとなりますし、構造的にウィンドシンセをぶら下げられるだけの耐久性がないようなものがありますので、できればサックス用を使うのが無難かと。
もし使用していても指が痛いという場合は長さの調整をきちんとすれば解決します。
サックス奏者の場合、基本姿勢として「口とストラップ支点と右手親指できちんと固定」というのがあるためか、親指にストレスのかかるようなストラップの長さ調整をしている方を時々見かけます。しかしウィンドシンセはサックスと違い、そこまできちんと固定しなくても音に影響は出ないのと、指ベンドをする必要から、右手親指は若干フリー気味にして口とストラップ支点の2点で固定するほうがなにかと便利ですし痛みもひどくなりません。
ストラップが長めだと痛くなるケースが多いので、親指が痛いという方は普段より若干短めにセットして演奏するのがよいでしょう。
Q.EWI音源の電池交換を自分でやったけど・・・(音源の工場出荷時リセット)
EWI音源に内蔵されている音色データ保持用電池の交換を自分でやりましたが、音が鳴らなくなりました。ひょっとして壊しちゃった!?
A.音源を工場出荷時状態にリセットしましょう
下の方でも書いてますが、チャレンジャーな方ですね。ともあれ、きちんとした電気知識がある場合はコスト的にも時間的にも有効ですので、正直うらやましいです。
さて、壊してしまったと嘆く前に、「ファクトリーリセット」は試されましたか?
これは電池交換時や、不測の事態(メモリーが暴走してる、音色データがおかしい)の際、工場出荷時状態に戻す機能で、その方法は各EWI音源によって異なります(マニュアルには載っていません)。
■EWV2000
「UPボタン」と「DOWNボタン」の両方を押しながら電源オン■3000m
「MIDIボタン」と「UPボタン」の両方を押しながら電源オン■3020m
「UPボタン」と「DOWNボタン」と「WRITEボタン」の全部を押しながら電源オン■3030m
「SOUND LEVELボタン」と「LABELボタン」の両方を押しながら電源オン
当然工場出荷時に戻るということは、今まで作った音色は全てパーになります。また3000m以降の機種に見られる「プリセットROMの音色内でいじれるブレス関連のパラメータ」も工場出荷時に戻ります。
特に、プリセットROMを持たない(つまり音源全てのデータはRAMに書かれている)EWV2000は注意が必要です。うっかりリセットしてしまった日にはゼロからのスタートということになりますので(ある意味自爆ボタン)。
日ごろからのバックアップを取っておくのは前提とし、音色データの誤作動などがあった場合は覚えておいて損はないでしょう。あくまで自己責任でという但し書き付きですけどね。
Q.EWI3020mのMODパラメータで、たまにBENDとGLIDが表示されない
エディットをしていると、たまにBENDとGLIDが表示されません。あまり使わないのでどうでもいいのですが、なんとなく気持ち悪くて・・・。
A.DESTINATIONをOSC-A、OSC-B、VCA以外にしてからSOURCEをBENDにしてみましょう。
MODの各パラメータ名は以下の通り。よく見てみると、そのSOURCEでは「使えない」DESTINATIONがありますよね?
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||||||||||
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|||||||||
ENV1 | OSC-A | OSC-B | PWM-A | PWM-B | VCF | RESON | VCA | LFO | BALNC | FM |
ENV2 | OSC-A | OSC-B | PWM-A | PWM-B | VCF | RESON | VCA | LFO | BALNC | FM |
LFO | OSC-A | OSC-B | PWM-A | PWM-B | VCF | RESON | VCA |
− |
BALNC | FM |
BRTH | OSC-A | OSC-B | PWM-A | PWM-B | VCF | RESON | VCA | LFO | BALNC | FM |
VIB | OSC-A | OSC-B | PWM-A | PWM-B | VCF | RESON | VCA |
− |
BALNC | FM |
BEND |
− |
− |
PWM-A | PWM-B | VCF | RESON |
− |
LFO | BALNC | FM |
GLID |
− |
− |
PWM-A | PWM-B | VCF | RESON |
− |
LFO | BALNC | FM |
ここで注意したいのが、表示のさせかたです。例えばMOD-DESTINATIONが「OSC-B」をディスプレィに表示している時にMOD-SOURCEを変えようとしてもENV1〜VIBしか表示されません。
「BEND,GLIDなどのパラメータをいじりたくても表示できない!」という状況に陥った場合は、MOD-DESTINATIONをPWM-AやVCFなど、BENDやGLIDが元々持っているデータを表示させてからMOD-SOURCEをいじる・・・といった使い方をすればきちんと表示されるようになります。
なお、未確認ですが3030mでも同じアサイナブル・モジュレーションの方式を採ってますので、同じように回避して下さい。
このパラメータ変更方式は確かに使いづらいので、次機種ではぜひ改善していただきたいものです。>AKAI様
WX7のキーが押した状態からスムーズに戻らなくなりました。
A.バラして掃除しましょう。
これもWX7、11、5共通の問題です。WXはEWIと違い、メカニカルなキーが取り付けられています。ここが汚れていたり、グリスがネバついていたりするとキーの戻りが悪くなります。
思い切ってキーの部分を分解して掃除しちゃいましょう。キーポスト(キーの根元)にネジ式のシャフトが通ってますので、精密ドライバー等でシャフトを抜き、キーとシャフトを中性洗剤で洗います。その際、キーに開いている「シャフトを通す穴」を捩ったティッシュ等でよく洗っておきます。
分解する際の注意点として、
を念頭に。
分解・洗浄した後は楽器用のキーオイルや、コルクグリスなどをシャフトに塗って元に戻します。
元に戻す際はシャフトを力いっぱい締め込むと動きがシブくなることがあるので、ほんの少しだけ余裕を持たせると良いでしょう。余裕を持たせた場合は使っていくうちに緩んできますので、日ごろのメンテを忘れずに!
これだけやってもまだ動きがスムーズでない場合は、キーと本体が接触する「ゴム」の部分を見て下さい。隣り合ったキー同士ゴムが触っていないか確認。触っているようならその部分をカッターなどで切り取ります。
さらにこれでも駄目な場合はシャフトがユガんでるケースが考えられますのでシャフト交換。それでも駄目なら楽器屋さんに持ち込みとなります。
WX7を中古で購入しましたが、リップセンサーの調子が悪く、ピッチベンド幅がせまかったり、LIP ZEROをいくら回しても音が高かったりします。完動品とのことだったのですが・・・。
A.マウスピースをきちんとハメてみましょう。
これはWX7、11、5全てに言えることですが、まずマウスピースがきちんとハマっているか確認してみましょう。
WXシリーズは構造上リップセンサーに唾対策としてゴムのカバーがかぶせられています。これがマウスピースを差し込む際、変にネジれた状態でハマってしまったり、ゆがんだ状態でハマるとカンチレバーが正常に動作出来なくなります。
回避策としては、ゴムカバーにサックス用のコルクグリスやリコーダーグリスを塗ってからハメると良いでしょう。この手のグリスがなくても「マーガリン」等の潤滑剤としての役目があるものなら何でも良いのですが、匂いや汚れ、グリスの特性を考えるとコルクグリス・リコーダーグリスが一番かと。サックスやリコーダーの置いてある楽器屋さんなら必ず置いてありますし、一本数百円ですのでぜひ買っておきましょう。
ゴムカバーがきちんとした状態でマウスピース内に挿入され、かつマウスピースがきちんと本体の根元まで入ったのを確認すれば大丈夫だと思います。
もし、これでも症状が改善されない場合はセンサー部の故障が考えられるので、楽器屋さんに持ち込みましょう。
音色保存用のバックアップ電池がそろそろヤバイので交換したいのですが、自分での交換は可能でしょうか?
また、その方法は?
A.できないことはないのですが・・・。
3020mのバックアップ電池は、本体基盤に電池がハンダ付けされており、それを交換すればOK。
ただし、バックアップ(バルク保存、もしくはデータを書いて記録等)しないとプリセット音色以外の音色データは消えてしまいますので御注意を。
裏技として、本体電源をONにした状態で電池交換してしまえば、ストアした音色データを消さずに交換作業が完了できるのですが・・・危険なのでお勧めはしません。
通電中の作業ですから、感電事故という起きれば即死に直結する危険を伴う作業なので、ハード屋さん、もしくはそういった電気関係に強い方や、「自分でEWI治せるなら死んでもいい」という奇特な方以外は楽器屋さん経由でAKAIに持ち込むことをお勧めします。
その場合も不測の事態に備え、バックアップは取っておいた方が無難です。
とにかく、一にも二にも大事なデータはバックアップ。これ大事です。
冬になるたびEWIのキーの反応がニブくなります。トリルキー等演奏中に触っても音が変わらなくなることしばしば・・・。気温が関係してるのでしょうか?
A.気温ではなく湿度です。
EWIのタッチセンサーは触った瞬間、指に電気を流して反応します。よって、肌が感想している場合など反応がニブくなる場合があります。
対策として、乾燥しがちな時(エアコン等も)にはハンドクリームを塗ると良いでしょう。
EWIユーザーは予備ケーブル(下記参照)とハンドクリームは必携です!
ライブ中、曲によってEWI音源をコントローラで使用したり外部音源として使ったりします。外部音源として使う場合、専用ケーブルを抜くということですが、電源を入れたまま抜き差ししても大丈夫なんでしょうか?
A.確実に壊れるのでやめましょう。
MIDIケーブルやオーディオケーブル(パッシブ接続)とは違い、EWIはコントローラとモジュールが常に「アクティブ」の状態で接続されており、電源の入った状態での抜き差しは大変危険です。
どんなにあわただしくても必ず電源をOFFにしてから抜き差ししましょう。
我が家にはすでにカセットへの録音環境がなくバックアップが取れません。MDでも大丈夫ですか?
A.MDで大丈夫です。
「ステレオ→モノラル」のケーブルもしくは「ステレオ→ステレオ」ケーブルにモノラル変換アダプタを付けたものを用意し、ステレオ側をMDに、モノラル側を音源のTEPE OUTにそれぞれ挿します。MDはmonoモードで録音。入力レベルを大体7〜8割程度で録音すると成功率が高いです。無論VERFYは必ず行いましょう。
また、SAVE時・VERFY時のMDのデータ(音量、入力レベル)をメモしておくと後々便利です。
EWI3000mユーザです。音色を作ってユーザ・バンクに登録しても電源を切るたび設定が消えてしまいます。何か悪い霊に取り憑かれているのでしょうか?
A.電池切れです。
悪霊のしわざではないので御安心を(笑)。
各EWI音源は音色の保存を維持するために内蔵電池が登載されています。これが消耗するとユーザバンクの音色は全てパーになります。交換はAKAIで行ってますので、購入した楽器屋さんもしくはAKAIに音源本体を送ることになります。
3020m、3030mには電池が消耗されるとディスプレィに表示される機能がありますが、3000mやEWV2000にはありませんので注意しましょう。また、大事なデータは日ごろからバックアップを取ることを心掛けましょう。
EWI初心者です。いくらAUTO TUNEボタンを押してもTUNEノブを右一杯に回しても音が低いんです・・・なぜなんでしょう?
A.BENDツマミを確認してみて下さい。
音源のパネル前面に「BEND」というツマミがありますが、そこのLEDランプが点灯してませんか?
このツマミは外側がベンド・プレートの感度、内側がどれだけ音を変化させるかの量です。外側のツマミを目一杯右に回し、次にLEDランプが消える位置まで戻します。これで正常な状態に戻るはずです。
なお、BREATH、GLIDE、BENDの各ツマミの外側はこの「右に回し、LEDランプが消える位置まで戻す」で全て調整しておきましょう。
ライブの最中、急にチューニングが合わなくなりました。AUTO TUNEボタンをいくら押してもダメ。家に帰ったら何でもなく動いてる・・・なんで〜?
A.電圧低下や温度が原因と思われます。
アナログ音源は文字通り電圧使って色々するモノなので、デジタル音源に比べ、それなりの対策しないと結構ヤバいです。
特に照明やアンプなど電圧の大きい機材を使用するライブ会場などでは何かの拍子に一気に電圧が下がります。その対策ですが、まず「タコ足配線」は極力避けましょう。ライブやスタジオのコンセント口の関係でタコ足配線しなければならない場合が多々あると思いますが、そんな時はなるべく遠くから延長コードで引っ張ってきたり、機材のコンセント差し込み口を分散させるよう心掛けましょう。使用機器が増えれば増えるほど電圧下がりますので。
一番いいのは「パワー・ディストリビューダー(電圧安定器)」を使うことでしょう。これはコンセントから来た電圧を安定させる機材でして、複数のコンセント口が付いてます。
あと、アナログ音源は温度・湿度も重要です(EWI音源はその辺不思議と平気みたいですけど)。
空調のそばに音源を置かざるを得ない時や、夏場冷房の効いた屋内だとピッチが狂うそうです。以前、知人がライブでアナログ音源のキーボードを使用したのですが、冷房の送風口がすぐ近くにあったのでシンセの入ってる部分にドライヤー(HOT)を当てっぱなしになるよう置いているのを見ました。
EWI音源の場合、そこまで神経質にならなくても良いようですが、「そういうこともあるんだ」と頭の片隅に覚えておきましょう。
オクターブやキーの操作ミスではありません。ロングトーンでもピロピロいいますから。これって一体・・・。
A.ケーブルの断線が考えられます。
EWIで一番トラブルの原因として多いのがこのケーブル断線です。注意していても数ヶ月〜数年で誰でも経験すると思います。
今はまだ「ピロピロ」位ですが、症状がヒドくなると「ブキャモドルルルキャボ」といったアルペジェイターも真っ青な超高速8オクターブランダムアルペジオが聞けるようになります(笑)。予防策ですが、しまう時にキツ目に巻いたり、しばったりするのは言語道断。吹かない時は重力でケーブルが下に曲がらないよう音源側を抜いたり、逆にコントローラ側を頻繁に抜き差ししないように注意しましょう。
音源側で有効な方法としてはケーブルソケットの辺りから真ん中に針金の入った梱包用のビニールひも(お菓子の袋や電化製品のケーブル縛るアレ)を20cmくらいグルグルと巻きつけるという方法もあります。
まぁどんなに注意していても断線する時はするんですがね・・・。断線してしまったらケーブル交換以外に道はないので、ライブをする場合などあらかじめ予備のケーブルを持っていった方が無難です。
この他に考えられるとしたら、音源側ソケットがグラついていないかチェックしてみて下さい。なにかの弾みでケーブルがささったままそこにブツかると、断線の原因になる場合があります。この場合は修理となります。
あとはコントローラの中の端子が焼けた(筆者は経験有り)とか、内部での故障が考えられるので購入した楽器屋さんやAKAIに修理に出すようにしましょう。
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