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F,Fmの押さえ方

セーハ(バー)のコツ

スチール弦・ナイロン弦のアコースティックギター

ここでの内容は個人的な感想であり、

機能や効能を示すものでありません。


【指の太さ】

 

ギターを手にして誰もがぶつかる最初の難関が、F。

これを乗り越えられるかどうかで、その人のその後のギター人生が決まるという、G人類にとっての最大最初の試練である。

 

人によっては割りとすんなり乗り越えられる人もいる。それは手がそれなりに大きく、かつ指がそれなりに太い人。それでも、いきなり裸の鉄線を指の腹で押さえつけ続けるというのは苦行である。

 

ギターの鉄線(スチール・ナイロン・銅巻線)に限らず、そもそも道具を指・手など人体を使って使い続けるには、タコ(胼胝)などといった、その道具と接触する部分の角質層の対応が必要。要は肉体改造が必要である。

 

指がそれなりに太い人の場合には、数日から1週間程度の弾き込みで幾らか皮膚が硬くなり、割とすんなり押えられるようになる。

 

そうでない人は1週間やっても1ヶ月やっても半年やっても、なかなかきれいに音が出ない。この原因が指の肉付き、皮膚の薄さにあるのは間違いないことかと思われるが、そうそう易々と肉付きがよくなったり皮膚が厚くなったりするものではない。体つきと同じように、もとから痩せ型の人が指を太らせることは困難である。

 

【指の内側を鍛える】

 

しかし、指のセーハをする部分をささやかながらも鍛えるのは割と簡単なことで達成できる。

 

竹刀を振る、鍬を打つ、槌を打つといった動作で指の内側に多少なりと肉を付け、皮膚を強くすることができる。やりすぎると竹刀タコ・鍬タコ・槌タコといった職人タコに昇格して、弦を押えるには硬くなりすぎて適さないが。

 

およそ卵を握るくらいの直径(4〜5センチ程度)の丸棒で、片端を握って振ったら幾らか重みを感じられる木の棒を用意。少しどっしりとした重さのあるものなら長さは30センチあればOK。しかし鉄などでは重くなり過ぎ、振るということ自体が危険なのでよくない。

 

これの片端を片手で軽く握り持ち、竹刀の素振りをする要領で縦に振り、振り下ろして停める時に指の内側で重さを受け止めるようにする。自然に握っていれば振り下ろした時に人差し指の第1関節あたりに力がかかる。徐々に握りを変えて、指の先側、付け根側、中央側、あるいは中指、薬指、小指と他の指でも順々に力を受け止めるようにする。その指のその場所だけで受け止めるのではなく、およそそのあたりで軟らかく受け止める。ちょっとした圧迫の刺激を指の内側の隅々に与えるという感じでいい。

 

受け止める各部分につき2〜3回程度、全部で4×3=12ヶ所あるから24回か36回、素振りをすることになる。やり過ぎるとマメができたりタコになったりでギターの練習に差し支えるから、運動前のウォームアップをするような感覚で軽めで済ます。

 

これを左手だけ行うのではなく、右手も同じ回数やっておくこと。右手は弦を押えないので関係ないように思われるが、人の人体というのは左右対称になるように変化するのが自然。道具タコは道具を扱う性質上、左右対称とはならないが、ここでのはタコを作るのが目的ではないので、より早く体が順応して行くように、左右同じに鍛える。

 

ギターを弾く前の素振り運動、これを1週間も続けていればセーハが押えやすくなったと感じられるはず。

 

【セーハを押えるコツ】

 

セーハは、人差し指1本でカポのように1〜6弦を全部押える、と言う人がいる。だが、それができる人は肉体的(手的)に恵まれた人であり、誰もがということは難しい。

 

私の指は小柄な女性の手のように小さく、かつしなやかで細い。小柄な女性向けの礼式用の手袋にすんなり収まる手である(私は男)。だから指1本で全部押えるのは所詮が無茶な話である。

 

そこで私は考えた(私に限らずたくさんの人が考えた)。セーハでは、鳴らす弦だけしっかり押さえて置こう。

 

以下、「ギターコードスコアメーカ」さんのコードダイアグラムを利用させていただいています。画像の直リンクはしていません。

 

【F】

Fで1〜6弦のストロークを弾く場合、人差し指のセーハで押えるのは1・2弦と6弦だけ。他の弦は他の指が押さえているから、1・2弦は人差し指の付け根側でセーハをし、6弦は人差し指の先側で押えればよい。

極端には人差し指の先っぽで6弦1Fのハンマリングができる、そんな押え方であり、セーハは実際のところ人差し指の付け根側の1・2弦だけであり、感覚的には曲げた人差し指のその部分をネックに引っ掛けて手を引いているという感じに近い。 人差し指の第3関節(指の付け根)を曲げた状態で硬直化させ、ネックに引っ掛けているという、そんな感じ。 1・2弦は細いのでそんなに力んで押える必要はない。きれいに鳴らないとしたら、押える部分の皮膚がまだ軟らかすぎるため。

 

【Fm】

先に書いたやり方だとFはよいが、Fmだと私の場合3弦がきれいに鳴らない。指が細く肉付きもよくないので、セーハすると3弦付近ですきまができてしまう。

Fmでは薬指と小指で3フレットを押さえれば、中指が余る。その余った中指を人差し指の上に被せて指2本でセーハをする。これはプロのギタリストでもよく見かける押え方である。 人差し指1本でセーハできるとしても、指2本でセーハすることで人差し指の負担ををいくらかでも少なくしてやると考えることもできる。

 

【Fm7,A#9】

Fm7、A#9(Fm7の5弦3Fが4弦3Fに移動したもの)の場合も、中指が余るのでFmと同じようにして押さえ込むことができる。

 

【F7】

その人の指の長さとか関節の位置によると思うが、私の場合、普通に人差し指のセーハをすると4弦のところに指の皺が来て、そのままだと半ミュート状態になり、きれいな音が出ない。

そこでするのが、人差し指での3弦セーハ。

Aのフォームを押える時、中指・薬指・小指の3本で押えるのが普通かと思うが、人差し指の先っぽだけで押えるやり方がある。慣れてしまえば1本で押える方が楽。

この、Aの人差し指1本で押えるやり方で4・5・6弦の1フレットを押さえ、あとはフォームに従って押える。1・2弦の部分は人差し指の付け根を手首側に少し引くようにすることで押えられる。

実際に2ステップで押えるというのではなく、その位置に人差し指を合わせるということであるが、それでも人差し指の指先はAを押える時のような感じで力を入れている。

1・2弦はというと、力学的には押えるには押えているが、感覚的には手首とか肘に向かって手を引いているといった感じ。押える力を出しているのは、人差し指の場合は4・5・6弦部分だけ。

 

このページの最後の「プレス式セーハ」でもF7を取り上げている。

 

【Bm7】

Bm7では、上図のフォームのように1〜6弦を押える場合と、6弦は弾かず5弦から弾く場合がある。

私の場合、1〜6弦全部を押える場合、人差し指の位置をいろいろ変えてみても3弦がうまく鳴らない時がある。そうした場合、もし弾くのがストロークであれば私はBmを押えている。Bm7はBmに7thが加わった和音であるから、7thを省略しても違和感はないという場合がほとんど。

アルペジオの場合では、違和感がないと言う場合もあるにはあるが、1音1音が分離しているため、7thの音を加えたいという場合が多い。Bm7のアルペジオでは、私は6弦を押えず、5弦から弦を押えている。押え方はF7と同じ感じに。F7の6弦1フレットが5弦2フレットに移動した感じになる。

 

【セーハのキーポイント】

他のセーハするコードフォームの場合、例えばB♭とかE♭なども、単に人差し指でセーハするということではなく、個々のコードフォームに合わせてセーハが異なっている。  【B♭・E♭のセーハ】

 

これがセーハを押える時のキーポイントのひとつではないかと思う。肉体的に恵まれている人は別として、特に私のように手が小さく指が細い人は、単にセーハとひとまとめで考えず、個々のコードフォームに合わせたセーハを見つけるのが良いのではと思う。

 

【その他の方法】

この他に、人差し指の少し側面側(親指側)で押えるというやり方があり、ネットで割と見かける方法。私の場合にもこれは有効な方法である。ただしセーハが多いコード進行の場合、常に側面でというのは辛いので、普通に押える場合をメインに、側面で押えるのをサブ的に、それぞれの押える面を交代で休める、といった感じでの使い方をしている。

 

側面(少し側面)で押える、ということには1つの利点がある。指の関節というのは曲げる方向には曲がるが、その直角の向きには曲がらない。もし仮に直角の側面で弦を押えたなら、指はまっすぐに伸ばすだけで手での押す力だけで、弦を押えることができる。演奏上、それは現実的ではないが、少し側面で(やや斜めで)押えるというのは、指で行う押す力を軽減することになる。

【押えるとは?】

さて弦は押さえるものであるが、感覚的には、あるいは指への力の入れ方としては、どうなのだろう。

 

多くの初心者は、セーハは人差し指と親指で挟むもの、といった感じで押えてはいないだろうか。

 

確かに結果的にはそれと同じ状態にはなっているとも言えるが、力の入れ具合としての「挟む」というやり方では、無駄に力が入るだけで労が多いばかりである。

 

まずは、押し弦は弦がビビらない程度に押さえていたらいいのであり、強すぎると音程が変わってしまう。右手の強いストロークとか強いピッキングにつられ、つい左手の押さえにも力が入ってしまうということはよくあることであるが、音程が狂ってしまう。弾いている本人は気分が高揚していて音程の狂いに気が付かないが、冷静に聞いている聴衆は狂った音を大きな音で聞かされるので、たまったものではない。

左手は力を入れ過ぎず、常に冷静で、軟らかくネックに対処していなければならない・・・それはなかなか難しいことではあるが。

 

エレキギターの場合、うまいプレーヤーの左手を見ると、指で押えていくというよりも、指を置いていくといった感じにも見えることがよくある。日本人は引く、欧米人は押すというのが、鋸などの道具を例によく言われることであるが、ギターの左手の押すということに関しても、同じようなことが言えるのではないかと思う。

日本人のギター初心者の場合、左手の指で弦を押えるというのが、半ば、引くという力の入れ方になっているように見える。いわゆる「挟む」である。

 

ギターを弾き始めた頃の、きれいに音を出すには強く押さないと駄目、という錯覚が続いているからかもしれない。試しにギターの左右を持ち替えて、右手で弦を押えてみよう。「うっ、痛い」。少々強く押えても弦はきれいに鳴らない。スポンジのような軟らかいもので押える時は、よほど強く押し込まないと弦はフレット金具に密着維持ができず、音が出ない、出ても音が伸びない。あるいはボトルネック奏法のように、ガラスとか金属などの硬いスライダーを使ってスチール弦を押えると音はきれいに出る。

スポンジとかスライダーは極端な例であるが、弦を押す指にもある程度の硬さは必要で、そうした指ができてしまえば、あとはそれほど力を入れて押える必要はない。

 

【力の分散】

一心不乱に「挟む」という労のない行為に対し、よく言われるのが押す力を分散しなさい、ということ。アコギを弾く時、右腕の前腕の肘の根元あたりでギターボディーの上縁を押えてギターを固定するが、これを使う。

 

作用反作用の法則によれば(?)、「挟む」は人差し指で押えた力を、反対の向きの同じ大きさで親指で押す、という行為になる。「挟む」は弦を押える上で必要であったとしても、その力を全部親指で支えるのではなく、肘でボディーを押し付けることで反力の一定量をカバーする。さらには、セーハする人差し指は手のひらに対してほぼ直角に曲げているが、人差し指をやや硬直化し、左手全体を左肘の方に引き付けることでも弦を押すことができる。うまい人がやれば親指の支えなしに6弦全てのセーハをすることもできる。

親指は小規模なフレット移動での手の位置決めに使われていることなどもあり、押える力を全てを左手の引き込みと右肘だけでこなす必要はないが、ある程度の力を分散することで、「挟む」力は小さくでき、指の無駄な力を除くことができる。

 

【ギターの構え】

ギターのネックを低く構えると、手首をより深く曲げることになるが、手首を曲げれば曲げるほど指の力は入りにくくなる。コードフォームとかコード進行によっては手首を曲げる場合も出てくるが、できるだけ手首の曲げを小さくする方向でコードフォームを押える工夫をするのがよい。手首を曲げてはいけないということではなく、曲げるにしてもそれをなるたけ小さくということ。

クラシックのギタリストだとネック(棹)を30°〜45°、人によっては60°くらいに立てて弾いている。エレキのメジャーなリードギタリストでもネックを立てて弾く人はたくさんいる。

あるいは座っての演奏時であるが、ネックはそんなに立てないけれど、その分、上半身を倒してネックに寄り添うようにして弾いている人もいる。

これらも手首の曲げをなるたけ少なくすることにつながる。

 

YouTubeでギターを弾いているのを見ていくと、プロのジャズとかブルースのギタリストでも、ギターを水平に構えている人をよく見かける。しかしセーハしている彼らの手首を見るとまっすぐ伸びている状態がほとんど。何故なのか?とよくよく見ていくと、みんな指が大きい。人差し指の第2関節を曲げての、その先だけで1〜6弦のセーハが楽々できる大きさである。

 

クラシックギターの構えでは、左ひざにギターのボディーのくぼみを乗せ、右ひざの内側でボディーのお尻の下側を、そして左胸と右ひじの、合計4ヶ所でギターを支え固定している。少しの左手の押し弦ではギターは動ず、ネックもぶれないので、よりソフトなタッチでの押し弦ができる。

 

【ウェスタン グリップ】

私がフォークギターを弾き始めた○十年前のフォーク雑誌にはウェスタングリップと紹介されていたと思うが、その後いつのまにかシェイクハンドと呼ぶのが一般的になってきているようだ。

 

余談だが、ウェイスタングリップというと硬式テニスのラケットの握り方の、シェイクハンド(グリップ)というと卓球のラケットの握り方の名称だというのが浮かんでくる。

 

コツさえつかめばFとかFmはすぐに押えられるようになる。手が小さい人でも練習しだいでBmは押えられるようになるし、ネックがその小さな手の握りに合っているかどうかということもあるがB♭も無理な話ではない。

 

ウェスタングリップの利点は幾つかある

1つには、コード進行が単純なフォーク系の音楽を弾く時、F以外のコードからFへの移動がスムーズで、またFから他のコードへの移動もスムーズであるということ。

2つには、セーハと比べて力を要さず、従ってより長く押え続けられる。

3つには、3・4・5弦のハンマリングでは、開放弦から始まるハンマリングが利用できる。1フレットをセーハしていたら、ハンマリングのスタートは#が付いた音になる。これはこれで味があるハンマリングではあるが。

 

私の場合、フォーク系の単純なコード進行の場合とか、セーハが多いコード進行の曲の場合には人差し指を休ませる目的で、ウェスタングリップを使っている。

 

【プレス式セーハ】

正しい呼び名が分からないので、ここでは仮に「プレス式」と呼んでおく。

 

(写真 1)

 

上図はAを人差し指1本で押えている様子。人差し指の第2関節はフレット面より上にあり、手から指への力の伝達はフレット面より上から行われている。このようなものを「プレス式セーハ」と呼んでおく。

 

さて、Fを押える場合、普通は

 

(写真 2)

 

(写真 3)

 

のような形になる。第1関節、第2関節は弦を押えたフレット面に沿い、指の付け根である第3関節はフレット面より沈み込んでいる。言い換えれば人差し指全体としては「押す」ではなく「引く」という状態。ネックの裏側にある親指を含めれば「挟む」という状態。

 

この時の親指の位置は、前後のコードを含めた進行具合にもよるが、単にFを押えた場合は、人差し指の反対側にあり、人差し指と親指とで「挟む」という、まさにその状態になっている。

 

(写真 2)のセーハは人差し指の先側(第2関節から先)を使っているが、少し付け根側に寄せてみる(より人差し指を突き出してみる)と、それぞれのコードフォームに合った自分のセーハ位置が見つかる。あるいは先端側、付け根側と適宜使って指を休ませるといったこともできる。

 

もし親指が

 

(写真 4)

 

のような位置にあれば、親指を支点として手を時計回りにひねれば、弦を押す向きに力が伝わる。全ての押力をひねりで生む必要は毛頭ないが、指だけで押す時よりは指の負担が軽くなる。とは言え、いつもこうした位置に親指を置けるわけではないので、使える場面で使うといったことになる。

 

話はおおいに戻って「プレス式セーハ」。

 

(写真 5)

 

写真はFをプレス式で押えたもの。右手でカメラを持っているので、きれいに再現した状態ではない。

写真で注目するのは人差し指の付け根、第3関節の位置。写真ではフレット面の延長上のように見えるが、(写真 2)と比べれば上に上がっていることが分かる。

感覚的にはフレット面より上に第3関節が来ている。

 

やや上から押さえ込むようにすることで、指先〜第2関節の部分での押える力を増すことができる。この時、親指は力を入れにくくなり、また第3関節〜手〜手首はより強く引く状態になるので、右肘でしっかりとギターを押える必要がある。

 

これはF7であるとかBm7といったセーハの中央で弦を押えなければならないコードフォームの時に有効である。あるいは

 

 

Fの2,3フレットをハンマリングする場合があるが、こうした場合も有効。あるいはFmで、

 

 

4・5弦を中指・薬指で押さえ、小指で1〜3弦のメロディーを押えるといった場合には、この押え方が欠かせない。

 

ただ、Aのセーハのような隣り合う3弦だけというようなセーハの範囲が狭い場合を除き、6弦分あるいは5弦分のセーハを常にプレス式でというのは指への負担が大き過ぎる。他の押え方ではきれいな音が出ないセーハにだけ限定して使う。

 

【B♭・E♭のセーハ】

 

 

B♭のセーハの難しさは、中指・薬指・小指と3本を揃えたものと、人差し指との開きを大きく取らないといけないというところ。

もしフィンガリングであるなら、1フレットでA7の形でのB♭7を押さえ、ピッキング側では7thの音である3弦を弾かない、という手がつかえる。実際、このやり方で押えているフォークの大物女性シンガーもいる。

 

セーハする人差し指を根元側に移動し、人差し指を少し回転させ、人差し指の腹側ではなく側面で押えるようにすると、幾らか他の指との開きが楽になる。

 

1弦を弾く必要がなければ、中指・薬指・小指の3本揃えた指を、普通なら割と立てて押えるところを、逆にベターと寝かせ、3本のどの指でどの弦をではなく、指3本で ベターと1〜4弦を押える手が使える。

 

エレキギターとかナイロンギターの場合、指3本で押えるところを薬指あるいは小指1本で押えるやり方があるが、張りの強いフォークギターではなかなか厳しいものがある。

 

指3本でベターと押えるのと、指1本で押えるのとの中間として、指2本で押えるやり方もできる。

中指と薬指での場合、まずは中指で4弦、薬指で3弦と普通に押さえ、薬指をぐっと押し付ける感じでさらに2弦も押さえるというやり方。あるいは中指で4・3弦を、薬指で2弦をという振り分けにすることもできる。

中指・薬指の2本を薬指・小指の2本に置き換えても同様に。

 

あるいは、どうしても1フレットセーハのB♭が辛いとか、指を休ませたいという場合には、6フレットでEの形のハイコードのB♭を押える手もある。フレット移動が大きいが、これくらいの移動 には慣れておいた方がよい。

 

 

E♭も押えにくいコードであるが、コツさえつかめばB♭よりは楽に押えられる。

 

まずはE♭は3フレットでCの形で押えるギターコードであるが、小指での5弦を除けば、3フレットでAm7を押える形と同じである。

F7での中指・薬指が1弦側にひとつ移動していることで、中指はぐっと曲げなければならず、中指での押さえが苦しい。その状態で小指を5弦6フレットに伸ばしてやらないといけないから、なお苦しい。

 

E♭は、実はDを1フレット上にシフトしたギターコードである。E♭=D#。

Dを押える指の形にはいろいろあるが、人差し指で3・2・1弦をセーハし、中指で2弦を押さえるやり方がある。

これを1フレット上にシフトし、4弦5フレットを薬指で、5弦6フレットを小指で押さえればよい。

1回で上からプレスするのではなく、まず3フレットでDを押さえ、そこから5フレット・6フレットというように順に、滑らかに、そしてすみやかに押えていけばいい。

 

 

ついでに上図のD#のような形のフォームについて書けば、これはもう訓練あるのみ。

※(5弦1フレットはD#の構成音である。これを含めて)D#の押え方のひとつとして、1フレットを人差し指で、3フレットを薬指で、2弦4フレットは小指で押えるという、2段セーハで押えるやり方もある。