Tの青春
作詞：佐々木幸男
作曲：佐々木幸男
編曲：平野孝幸
人生を途中で 降りていったTへ
届くだろうか 僕のレクイエム
好きだった歌を あいつのところまで
静かに悲しく 歌ってやれ
あれやこれやみんな 数えて行けば
生きて行く意味なんか 見つけられずに
時は温もりだけを 心に残す
青春の中で ただひとつの歌を
残さず死んで 行く人がいる
記憶の彼方へと 追いやってしまう
時は過ぎ行くままに 人は移ろう
落ちて行く酔った 人の世の果ては
見果てぬ若者の 夢の物語
冷ややかに吹きぬける 川面の風
あれやこれやみんな 数えて行けば
涙がこぼれそうな ほろ苦い思い出
時は温もりだけを 心に残す
［sasakiの日記］ より 2002/1２/0９ 記
Ｔは夜中自分の家に帰り、親戚の家を律儀に回り、僕の家にも挨拶に来た。
僕はこのころかなり痩せていて、そのせいかどうかは解らないけど人の守護霊がよく見えた。一度地下街でドラムのＯが後に鎧武者を連れて歩いているのを見たときにはさすがに驚いた。そんなことがよくあった。
２０歳までに見ない人はその先にも見ないというのは本当だと思う。
この唄は随分逡巡し、出来たのはずっと後のことだ。
人が死んだことを直接的に唄って良いのだろうかという迷いみたいなものがあった。ただ若くしてこの舞台から忽然と姿を消すというのがロマンチックなもののように感じていたのも事実で、兎に角しばらく厄介な問題として僕の中に残っていた。
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