メンバーオリジナル小説 「らよん」

非常にダイナミックかつわけのわからない展開になっております。
ネタもなくなり、第6章でエンディングを迎えたのでした。


第1章
らよんはいつものように目覚め、着替え、身支度をして会社に向かった。
しかし電車に乗った時、遅まきながら彼は気づいてしまった。
周りに誰もいない。あまりに静かなのである。満員であるはずの電車に誰もいない。
いや、どうやら0ではないようだ。同じ車両のすみのほうに一人、隣の車両に一人いる。
車掌もいないらしく、アナウンスがないまま電車は急に走り出した。

第2章
らよんが乗った車両はよく見ると、最近新設された女性専用車両だった。
興奮したらよんだったが、周りを見渡すとお婆さんしか乗っていない様子。
15分ほど電車に揺られ、らよんが降り立ったのはJR渋谷駅。
相変わらずの雑踏の中を歩き出したらよんは、
九十九里薬局の看板がなくなっているのに気づく。
「すいません、九十九里薬局ってどうなったんですか?」
「ああ、あれかい?あの薬局なら代々木公園に移動したよ」
「!!!」
らよんは自分の背中に一筋の汗が流れ落ちるのを感じた。変化の多い若者の街、
渋谷においても九十九里薬局だけは移転しないと信じていたのに・・・
気がつくとらよんの瞳からは自然と熱いものがこみあげていた。
らよんは激怒した。かならずかの邪知暴虐の社会をのぞかなければと思った。
「まー、考えてもしょうがないからとりあえず児童館に卓球しに行くかー」
らよんは向かった・・・児童館へと。。。。

第3章
人の波と長い信号、ビアードパパのいい香りという強敵をやっつけ、
何とか児童館に着いたらよん。
「卓球やっちゃうぞ〜」と意気込んで入ろうとした瞬間、突然らよんの右肩に触れる手が。
「すいません高校生以上のお方は・・・。」
「・・・・、え、え、あ、うっそ、あ、すいません、え、あああそうでしたね。」
追い出されてしまった。意気消沈するらよん。
しかしここで突然脳裏によぎる言葉が。
「あ、俺ここで働いてんだ。」 しかし戻るのは気まずい。
卓球のことばかり気にして自分の仕事場を忘れていたとはとてもいえまい。
入ろうかどうしようか入り口の前をうろうろしていたらよん。
すると突然らよんの右肩に触れる手が。
「すいませんちょっと身分証よろしいですか。」警察だ。
「はい。」
「あ、ここで働いてるんですか。」
「はい。」
「あ、これはどうも失礼しました。」
「はい。」
そして気まずく児童館に入ったらよん。
しかしこのあとに起こる惨劇を彼は知る由もなかった。。。。

第4章
仕事を終え、らよんは家路に着こうと電車に乗った。いつもと変わらぬ日常。
それが正しいか悪いかなど考える余裕もなく、
日々に追い抜かれないよう「必死」に、生きている。
彼には家族もいるし、すくないながら安定した収入もある。
不変、それほど幸せなことはない。
などといったくだらない奇麗事に仕立て上げられた人生ではあるが、
らよんはとても珍しい人間であることを彼は知らない。
彼は「どこにでもいそうな人間」なのである。
そんなこんなのある朝、起きると町の人間が全て消えていた。

第5章
そう、町の人間が全て消えてしまったのだ。
「え?」
らよんは電車の窓から外を眺めてみる。やはり誰もいない。
この怪奇現象を解明しようとらよんは思考回路を働かせ始めた。
その時、電車の隣の車両に動く異性物を発見した。明らかに人間ではない。
らよんの頭に強く出てきたのが「宇宙人が全員食べちゃった」だった。
「なんてこった!」らよんは舌打ちした。
自分は最後の一人として生贄にされるんだと怯えたらよんは、
そんなになるくらいなら先に死んでやる、軍人魂なめんな、とらよんは心に決めた。
らよんは電車から飛び降りて死んだ。しかし彼は気づいてなかった。
なぜ誰もいないはずなのに電車は動いていたのか。彼は夢を見ていたのだった。
夢の中で死んでしまった彼は、ビクッと体を揺さぶらせて目覚め、
勢いのあまり座席から起き上がってしまった。
そしてその勢いで女性に倒れこみ、押し倒してしまった。
「キャー!痴漢!」と叫ばれたらよんは、マッチョな男2人組に捕まえられ、
駅員のもとへ連れて行かれた。

第6章
らよんは警察にひどくしょっぴかれた挙句、府中刑務所で一生を終えることとなった。
彼の顔は既に若いときの面影はなく、ヒゲは伸び放題の雑草のようで、
その表情には犯罪者特有の薄暗い空気のようなものが感じられた。
らよんは全ての人間に復讐しようと思った。
「俺をこんな目にあわせた人間全てを、許すことはできない」
死に絶えてゆくらよんの表情はこころなしか不気味に笑っているようであった。
そして彼は人間に復讐を開始する・・・。



  ・・・・・ほら、あなたのすぐうしろに彼が・・・・・・・





ご愛読ありがとうございました。
またいつかお会いしましょう。
 
メンバー一同


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