プロジェクトB〜挑戦者たち〜


第5章

 早朝の代々木公園に大森の声が響き渡った。

 「おまえらの気持ちはよく分かった。おれもB研が大好きなんだよ・・・。」
 大森がタニガキとハマやんとに対して言った。
 涙で後は続かなかった。

 それを補うように下田が続けた。
 「大森さんは本当にB研が好きなんだ。キリンさんよりもゾウさんよりもB研が好きなんだ。身体を張ってB研をここまでデカくしてきたのはおまえらも知ってるだろう。だからこそ俺はこの島を『大森島』にしたいんだ。」

 伊藤島にいる6人、そして、部員全員が黙りこくった。
 噴水の音しか聞こえない。

 「・・・分かりました。どうもすみませんでした。」
 タニガキとハマやんが顔をくしゃくしゃにしながらうなだれた。

 「いいんだ・・・いいんだよ・・・。」
 大森も泣きながら彼らの肩を抱いた。



 「1本どうだ?」
 大森が煙草をみんなに差し出した。マイルドセブンだった。

 全く煙草を吸えないピートも頑張って吸った。

 「伊藤島」が「大森島」になった瞬間だった―。







 「それじゃあ、最後にあの噴水でシャワーだな。」
 大森が微笑みながら言った。
 「ウスッ!」
 他の5人が大きな声で答えた。





 その光景を部員は笑顔で見守っていた―。


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