コラム Let It B研 第3回


「訳詞集から見るB研」

B研の歴史は、平成18年度入学の1年生で39期という。
これを鑑みれば1968年に成立したということになる。
ただ必ずしも1年生が結成したわけではなさそうだから、正確な成立年度はもう少しあと?かもしれない。
また、初期の何年かはライブ活動はなく、「訳詞」だけに特化していたそうだ。

歴史が長いせいか現役生にはどうも正確な情報が伝わってこないようで、半ば伝説化されたような情報だけがまことしやかに囁かれる。
「『某アーティストが短期間だが在籍していて、名前を書いたノートが残っている』と当時のOBから○○が聞いたらしい」など、刑事訴訟なら一発で排斥されそうな伝聞証拠が比較的多い。

しかし、そんな伝説も鵜呑みで肯定できそうなほど、過去のB研は勢いがあったようだ。
それはそれは、かのマイケル・J・フォックスに「カッコインテグラ」というどうしようもないギャグを言わせた当時のホンダくらいの勢いだ。
いや、「りんごすったー」というこれまたどうしようもないギャグを、リンゴ・スター本人に言わせた宝酒造ほどの勢いか。しかも共演者に「あんた誰?」とまで言われてたし。あれはひたすら凄かった。歳がバレちゃう。ぃゃん。
…それはともかく、そんなことがどうして分かるのか。
一昔も二昔も前の訳詞集が時たま部室から発掘されるのだが、それを見ればすぐに分かる。
非常に丁寧に作り込まれていてビートルズへの愛情が大いに感じられる仕上がりになっている。
ものすごく緻密に出来ており、まるで当時の青山や渋谷の雰囲気まで封じ込められているようなのだ。
物理的にも厚みがあり、どこかしこで配られている今日日のフリーペーパーより薄っぺらな最近の訳詞集とは次元が違う。言い過ぎ?
訳詞集の発行にはB研部員としての威信をかけて臨むくらいでいいかもしれない。ま、締切くらいは守ろうね。筆者もきおつけます。

偉そうなことを申しておりますが、あたくしも新入生勧誘の際は「サークル名に『訳詞』ってついてるのがボトルネックなんだよなー」とかなんとか不謹慎なことを毎年ほざいていました。
だってそうなんだもん。サークル名を伝えた途端に新入生が固まるもん。反省します。

それにしても「ビートルズ」「訳詞」「研究会」という今日では特殊とも言えるサークルが、これほど長期間存続できているという事実は、ある種の感動を芽生えさせる。
「訳詞」という硬派なアプローチを用いて、青学にビートルズサークルを創った先輩たちを尊敬したい。
が、それ以上に、今まで存続できた最大の要因は、言うまでもなくビートルズが偉大だからだと思う。
ビートルズとその音楽は、40年経っても未だにキラキラと輝き続けている。
おそらくもう40年経ってもそれは変わらないだろう。
それは「ビートルズ」というひとつのジャンルだからだ。

イギリスのリバプールというひとつの町で、あの4人が出会ったというのが奇跡であり神秘だ。
そのたった4人のバンドが、たった数年の間に世界を変え、遠く離れた東京で我々を出会わせてくれた。
ロマンが過ぎるだろうか。

2006.07.29 36期IT係


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