リム

 リムの形状もさまざまですが要するに丸いか、平らか、厚さも標準か分厚いかに別れます。リム厚の薄いものあるかも知れませんが標準のものより目にみえて薄いものは見受けられないのでここでは標準タイプに統括します。

平らなリム

 平らと言ってもやや丸みをおびているのが普通で最もポピュラーで種類も豊富です。垂直に立てて最も高いところが唇との接点のポイントとなりその点が内側にちかくなればなるほど音の立ちあがりが鋭く外よりになれば微妙なコントロールをつけやすいですが唇が少しカップにめり込みぎみになります。ですから前者の方がカップが深く狭く、後者の方は浅く広く感じられるでしょう。

あまり平ら過ぎて内側のエッジが鋭利なものは唇を傷つけやすいので唇の厚い人、出っ歯の人、強めにプッシュする人は特に気を付けましょう。

丸いリム  音の立ち上がりがやや鈍く音も丸みをおびやすいです。そのぶんコントロールが容易で微妙なニュアンスを出しやすいです。唇をめり込ませることが容易でカップの深さをそれによって微調整が可能なので極端なハイトーンをこの奏法で無理に出す人が多いです。プッシュぎみのひとは唇の形が開く態勢に成りがちなのですがその中でも特にドライ・タイプの人はアンブッシュアを固定しにくいので筋力と持久力が必要です。

リムが丸いと唇の分厚い人ほどカップの中にめり込むのでカップの深さや形状の選択に神経を使わなければならないでしょう。

分厚いリム  唇との接点が広く薄いものに比べて一点に集中して血液の循環を止めるということはないですが、唇の自由を少し奪うので神経質な人はわずらわしを感じると思います。特に気にならない人はそれで良いと思うんですが、奏法的に見てプッシュを助長することにも成りかねないので注意が必要です。

このタイプのものは唇が分厚い人、弱い人向けなどとよく言われますが。短絡的に受け止めるのは危険です。あくまでトータルなバランスですから。弱点はまず直す努力をすべきだと思います。それからでも遅くはないです。最初から強い唇を持った人なんていないと思いますから。

 実際のところかなり細かいレベルで色んなタイプのリムが存在します。ですから大筋のところは上に記しましたが、そこからは各個人が各マウスピースの特徴を見極め自分自身の唇のことを含めた上で判断すべきだと思います。
個人的にはやや平らで標準の分厚さのリムを推薦します。なぜならオールラウンドな特徴をもっているからです。特に唇が分厚く筋力の弱い人にはなおさらです。また己の弱点がよく理解出来ていれば、楽器にそれを補助させる前に自分自身を改善する努力をしてから楽器の力を借りても遅くはないと思います。