リード・パイプ

 ベルと同様に最重要パーツでありながら、なかなかその特徴がつかみづらいのがリード・パイプです。普及楽器ではそのほとんどが組み込みパーツですから仕方ありません。バックにおいてもその種類はベルのそれより多いのに出回っているのはほんの2〜3種類でしかありません。
 初心者の場合、だいたい唇を開いていることが多いのでリード・パイプそのものの抵抗感を把握することが比較的困難なのですが、ある程度のレベルに達した人であればその違いは歴然で、大きく好みの分かれるところでもあります。ですからあえて初心者を対象としてアドバイスするならば比較的に抵抗感があり音切れが十分感じられるものをお勧めします。音のバランスや耐久力といった問題に対処しやすく高音域も出しやすいと思います。
 材質にしてもスターリング・シルバーや銅と真鍮の配合を変えたものニッケル・シルバー等がありますが、イエロー・ブラス(銅の配合が少ない真鍮)が無難でごく一般的でしょう。
 あとは重量の問題です。空気の抵抗感と質量によるそれとは交錯し易いので気をつけるべきです。リード・パイプに限らずただ単に重量による抵抗感は楽器全体においても体への負担が大きいでしょう。たとえばヤマハのゼノ(初期)のものはバックの標準タイプのものよりかなり重さがあります。実際に吹き比べてみるとその違いがよく分かると思います。
 僕自身主観ですが、音色の好みは別にしてその楽器としっくりいくかいかないかは9割はリード・パイプで決まりだと思います。尚、僕の好みではBachの「No.25」は名器だと思います。