カップ

 カップの深さと唇の厚さは非常に密接な関係があります。なぜなら唇が厚ければ厚いほど同じ直径のカップでは中にめり込み結局のところ唇の薄いひとが浅いカップを吹く状態に近い感触があります。ですから以下の基準はあくまで各個人と言うことになります。分かりやすくいえば唇の厚いAさんが唇の薄いBさんと同様のダークな音色を出すにはより深いカップが必要です。しかしこれはカップやリムの形状があくまで同じ条件が前提です。

スタンダード
 いわゆる一般的に言うところのCカップです。オールラウンドな特性を持ちます。何をするにも不都合というものがないですがリムやカップの形状により吹奏感はかなり変化します。音色は基本的には明るめだと思います。極端な場合を除いて唇の厚さを選ばないのも大きな特徴です。ただし唇が中によく入るひとや分厚目のひとには少し窮屈に感じるかも知れません。カップに唇が張り付くひとには入ったところがボール状にえぐれたタイプのものをおすすめします。
浅いカップ
 バックでいうとDカップ、ヤマハやシルキーではBカップ等とよばれるもので高いレンジを長時間演奏するのに適しています。誤解してはいけないのは別に音域が広がるとか持久力が増すということは全くありません。音量もしかりです。音色が明るくうえに空気抵抗が強いために多めの息を使っても(多少開いても)唇がとられてしまうことがないので鳴っているような錯覚をするだけです。しかしながら音色がハデなのは事実です。フルバンドやサルサでは標準です。
深いカップ
 はっきり言って地味ですが空間のあるオーケストラ(クラシック)や小編成のジャズのコンボ等では非常に表現力の幅が広いいです。コントロールもよく利き持久性も高くダイナミクスもつけやすいです。高音域において爆発的なパワーを求めるひとには不向きですが、中低音域を軸とした重厚なサウンドを目指すひとには大いに頼りになると思います。唇の厚いひとにとってはこれが標準のタイプかも知れません。僕のおススメです。
Vカップ
 上の「深いカップ」の類似タイプでややそれより深めですが、カップの内側の下りが直線的であるため、唇が分厚くなるにつれて窮屈間があり上下の唇の接点がまえのめりになって粘膜音的になりがちです。それに音の質は大いに異なりますが、唇の薄いひとも分厚いひとも一応にダークな音色を奏でることが出来ます。スロートやセカンド・カップの形状にもよりますが、包容力のある柔らかい音色を得ることが比較的に可能でしょう。マイルス命。

あと極端に浅いカップもかなりポピュラーですが、僕自身にとって演奏不可能な存在なので、あえてここで論じることはさけます。ただ非常に扱いが難しいのは事実です。