ベル
各メーカーによってベルの選択肢は異なってきますし、その種類もさまざまです。それに他のパーツとのバランスもあるしなかなか融通のきかない部位でもあります。ほとんどの場合限られた選択肢の中で楽器についているものをそのまま使わざるをえないのが現状です。
一般的呼称
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形状 |
音色 |
息の流れ |
空気抵抗 |
参考
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大きいベル
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開きが早い
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ダーク |
早い |
少ない |
Bach72、Calicchio(7)、Schilke(L)
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コンパクトなベル
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開きが遅い
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明るい |
遅い |
大きい |
Bach37、Yamaha標準
Martin、Schilke(M)、Calicchio(1)
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ただこれだけじゃ何の為に書いたか分からないので、僕自身の見解を述べさせて頂くと、最初はコンパクトなベルから初めてある程度こなれて来たら、下に示すようなマウスピースによる選択肢か各自の好みに別れるでしょう。以下に表示するのはボアサイズではありません。方向性としてはシルキーの感じです。バックの例でいうと72(L)、43(ML)、37(M)という感じでしょうか。
それから最も着目されるのが機能的な項目より音色です。その選択肢はもちろんベルの形状でも調整可能なのですが結局のところトータルなものなので、各自が自分のことをよく把握していることがその選択を有効に導くでしょう。
たとえば大きく深いマウスピースを使用している人が、より明るさを求める場合にコンパクトなベルを選んだとすると抵抗感が増し息が余ってくるため、音がひっくり返りやすくなります、それゆえ制御しながら演奏することになり、結局のところ音がつまったようになりやすくなりかえってダークになってしまうこともよくあります。またその逆はもっとより顕著に現れます。それは浅いマウスピースの人がダークさを求め大きなベルを選んだ時に、今まで有り余っていた息が一挙に流れパワー全開になりとてつもなく明るくなることがよく起こります。要するに音色の決断は最終的に奏者本人が下すことになるのです。楽器のカタログに対応奏者の性格の項目も付け加えた方が良いとさえ思えてきます。
ここで急に本題に戻ります。
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パワー |
味わい |
持久性 |
技巧性 |
大きくて浅いマウスピースを比較的に好む人の場合 |
XL、L
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L、ML
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ML、M
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ML
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小さくて浅いマウスピースを比較的に好む人の場合 |
XL
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L
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L,ML
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L,ML
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大きくて深いマウスピースを比較的に好む人の場合 |
L
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L,ML |
ML、M
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ML,M
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小さくて深いマウスピースを比較的に好む人の場合 |
L、ML
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L、ML
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ML
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ML、M
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これらの選択肢はあくまで参考です。たとえば僕自身の希望を言えば、でかくて深くて重いマウスピース&大きいベルにでかいボアで重い楽器。そのコンビネーションで全音域をピアニシモからフルパワーまで網羅しそれでいてコントロールが良くきき味わいがあって明るい音も暗い音も出せるそしていくら演奏しても疲れない・・・・・・そんなのはたぶん限りなく不可能に近いと思います。僕が思うには無理をするか楽をするかは各自の生き方だと思うし、たとえ誰が何と言おうと結論は演奏者自身が決めるべきです。僕自身のやり方とは相反しますがアドバイスとしてはなるべく楽な楽器を選択して、別のところで苦労した方が良いと思うし上達も早いと思います。
しんどい思いをして無理をして、リスクを背負ってミスを連発し他人にクレームつけられ、それでもなお自分を貫き通すのもそれは一つの生き方だと思います。
他人は結果を見ます。己はすべてを見ます。
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