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Jan & Dean - Save For A Rainy Day (Sundazed SC 11035, 1996)
Yellow Baloon / Here Comes The Rain / Pocket Full Of Rainbows / When Sunny
Gets Blue / Like A Summer Rain / Raindrops / Rain On The Roof / Cryin' In The Rain / Taste
Of Rain / Save For A Rainy Day Theme / Lullabye In The Rain / Rain Clouds Long Gone(順不同、ダブりは省略)
アルバム1枚まるごと雨の曲特集で、おまけに曲間を雨音で繋いだトータル・コンセプト・アルバム(というほどでもないが)。しかしこの雨音、ビチャビチャとうるさくて、まるで情緒というものがない。アメリカで雨音っていえばこんなもんなのか...
元々は66年録音で、一度はお蔵入りになったものの後に自主レーベル J&D から極少数出回ったらしい。そのオリジナル盤収録10曲に別テイクやステレオ・ヴァージョン、インスト(カラオケ)ヴァージョンなど追加した全23曲。幻だったってことで「Smile」と比較されたりするが、バッキング・トラックの造りなど音的には「Pet Sounds」に近い。オリジナルがモノってのも「PS」みたい。
お気に入り曲は、まさにブルーでおセンチな "When Sunny Gets Blue"(メロトロンが鳴る!)、胸がキュンとなる(表現が古いねどうも)インスト "Save For A Rainy Day Theme"(Larry Knechtel 作曲)、そして、ホットロッドっぽいロックンロール・インスト "Rain Clouds Long Gone" が最高!(これに歌を乗せたものが、Jan Berry 名義の "I Can't Wait To Love You" →「All The Hits: From Surf City To Drag City」に収録)「PS sessions」を聴いてるような感じがする。結局は James Burton (g), Joe Osborn (b), Larry Knechtel (key), Mickey Jones (ds) と大物スタジオ・ミュージシャンが手掛けたバッキング・トラックの方に耳が行ってしまう。というのも、ヴォーカルがはっきりいってヘタなのである。当時ジャンは交通事故後のリハビリ中で、ほとんどディーンのソロ状態。歌が弱いのは仕方ないのかも知れない。
実はジャン&ディーンにはそれほど魅力を感じないから、これとベスト盤しか持ってない。ブライアンが関わった曲はさすがによくできてるけど、力が抜けるような白痴的ヴォーカルがどうも苦手。
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David Kikoski Trio - Surf's Up (Criss Cross, 2001)
ストレートなジャズ・ピアノ・トリオなのだが、取り上げている曲に注目。一曲目がフランク・ザッパの "Oh No"。複雑な変拍子ながらもポップなメロディを持つ変態曲をオシャレに料理。
タイトルにもなったビーチ・ボーイズ(というよりブライアン・ウィルソン)の"Surf's Up" は13分にも及ぶ長い演奏。前半部と後半部を通して1曲と見なし、それを繰り返す(ジャズ的な即興演奏を繰り広げる)構造はこの曲に関してはシックリ来てないような気がする。やはり、前半後半2つ(コーダも含めれば3つ)のパートは一方向の非可逆的な流れとして(プログレ的に?)捉えた方が良いように思う。ともかくも、ジャズでこの曲が取り上げられるのはおそらく初めてだろう。それだけでも単純に嬉しい。
"A Noite Do Meu Bem" は、帯 (*) にデュラン・デュランの曲と書いてあるのは大間違いで、ジョビンとも繋がりのあるブラジルの女性作曲家 Dolores Duran の美旋律。
他には、これもブラジル Joan Donato の "Muito A Vontade" 、パーカーの "Cardboard", "Bird Feathers" 、モンクの "Four In One" 、マクリーンの "Little Melonae" を演奏。
David Kikoski (p), James Genus (b), Jeff 'Tain' Watts (ds)
(*) 輸入盤に帯を付けたものがスーパーストップというところから出ている。
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Oliver Nelson Sextet - The Blues And The Abstract Truth (Impulse, 1961)
フレディ・ハバード、エリック・ドルフィー、ビル・エヴァンスほか豪華メンツ(Sextet との表記だが、実際はバリトン・サックスが味付けとして加わった7人編成)で、全6曲ブルースをテーマとしたネルソンのオリジナルを演奏。邦題「ブルースの真実」。タイトルからして何やらお勉強臭く難しいイメージがあるからか、名盤と言われながらもあんまり聴かれていないような気がする。でもこれはジャズ初心者にも楽しめるアルバムだ。シンプルながら趣向を凝らしたアレンジが施された曲はどれをとってもかっこよく親しみやすいし、強力メンバーによるソロも聴きごたえあり(特にドルフィーが異彩を放つ)。アルバム全体の完成度、演奏の味わい深さには、マイルスの「Kind Of Blue」に通じるものが感じられる。
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「In A Silent Way」はマイルスの多様なアルバムの中でも他とは隔絶した独特の世界を醸し出している。ここでは、従来のジャズの柱である個人プレイ(アドリブ)よりも、総体として音が織りなす色彩(音色)に重点が置かれているように思われる。一定のビートを刻むリズムの上を、オルガンと二台のエレピ、そしてギターが自由自在に断片的なフレーズを互いに交錯させていく様は、いつまでも何度でも聴いていたい魅惑的な空間、まさに時間が止まったような一つの世界を作り出しているのである。絵画的とでも言おうか。
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Bugge Wesseltoft - Moving (Jazzland, 2001)
これは発売当時良く聴いたアルバム。特に一曲目 "Change" が気に入った。「In A Silent Way」みたいな出だしから引きずり込まれる。テンポが絶妙な心地よい打ち込みビートに乗って、エレピがピロピロと極上フレーズをまき散らしていくシンプルな曲で、メロディもハーモニー感覚もフェンダー・ローズの音色も堪らんものがある。
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Les McCann - Invitation To Openness (Atlantic/Label M, 2000)
これはモロに「In A Silent Way」。ピロピロ漂うエレピに淡々としたビートが気持ちいいソウル系フュージョン。記載はないが1971年頃の録音だろう。Yusef Lateef, David Spinozza, Cornell Dupree, Bernard Purdie, Al Mouzon, Ralph McDonald, etc.
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