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Bud Shank - Magical Mystery (World Pacific/東芝 WP-8439, 1968?)
基本的にジャケに騙されて内容のわからんものを買ったり(いわゆるジャケ買い)はしないのだが、ジャケが目に付いてエサ箱を漁る手が止まり、内容をチェックしてから買う、ということはある。この怪しげなLPもその一例。中古日本盤を1500円程度で入手。透明赤ビニール盤、ペナペナに薄いジャケットの裏に岩浪洋三の解説が載ったポップ・ジャズ・シリーズの一枚。
バド・シャンク(木管)にチェット・ベイカー(フルーゲルホーン)とウェスト・コースト・ジャズの大物二人がフィーチャーされ、その他にもハーブ・エリス、ビクター・フェルドマンなど有名な西海岸人脈が入ってて、編曲・指揮がボブ・フローレンス。録音は67〜68年頃か。
何と言っても取り上げている曲が尋常じゃない。A面はタイトルから察せられるようにビートルズのサイケ時代、大胆にも「マジカル・ミステリー・ツアー」特集!
Hello Goodbye, Blue Jay Way, I Am The Walrus, The Fool On The Hill, Flying, Your Mother Should Know
B面は当時のヒット曲(アソシエイション2曲、フィフス・ディメンション、モンキーズ、バカラック)
Windy, Paper Cup, Never My Love, I Wanna Be Free, I Say A Little Prayer
時流におもねるレコード会社の無理強いだろうか。一部にエコーなどエフェクトを使ったりしてサイケ感覚を出すところもあるが、コーラスを入れたりしてイージー・リスニングっぽく軽くあしらったアレンジは期待するほど面白くはない。演奏も気の抜けたサイダーの如し。ディスコグラフィーから抹殺/無視されても不思議ではないゲテもの盤である。
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Peter Ind Sextet - Peter Ind Sextet (Wave Records LP13, 1975)
名盤本どころか本や雑誌に紹介されているのも店頭に出てるのも見たことない超マイナー盤。Peter Ind が主宰する Wave Records からは最近続々とCD化が進んでいるが、これは未だ出ていない模様。
ベース2人(Peter Ind, Bernard Cash)+ギター2人(Derek Phillips, Dave Cliff)+テナー2人(Chas. Burchell, Gray Allard)というちょっと他では見られない奇妙なダブル・トリオ編成。曲によって、Burchell がフルートを吹いたり、ペースの Cash がピッコロを吹いたりもする。参加メンバーはほとんど無名な人ばかりで、多分トリスターノ門下生と思われる。
コニッツのマイナー調名曲 "Kary's Trance" などトリスターノ一派お得意のレパートリー(Fishin' Around, Sal's Line, Crazy She Calls Me, Sweet Georgia Brown, Fools Rush In)を取り上げている他にメンバーのオリジナルも数曲あり、メロディの美しい "Tryst"(Ind 作)が特に良い。春の日の昼下がりにゆったりと公園を散歩するような雰囲気。なごむ。
クールなユニゾン・フレーズを繰り出す場面も見られるが、全体はリラックスした暖かいムードに包まれ、特異な編成を活かしたオシャレなアンサンブルが気持ち良い。ドラムが入ってないので、クラシックの室内楽的な聴き方も可能。でもスウィングすることは忘れず。テナーは柔らかくギターは堅く、Peter Ind のソロはいつもメロディアス。1曲ライヴ録音を含む。夜も更けた頃にふと聴きたくなる愛聴盤。なおジャケットの絵は Peter Ind 自身の手による。
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Anne Sofie Von Otter Meets Elvis Costello - For The Stars (Deutsche Grammophon/Universal UCCH1001, 2001)
スウェーデンの有名なソプラノ歌手のアルバムにエルヴィス・コステロが客演、と聞くと単なるゲストものの一つとして軽視されようが、全18曲(日本盤にはさらに1曲追加)中6曲で歌っているだけでなく、単独名義でプロデュースに当たっており、選曲も時間をかけて吟味したようで、力の入れようは並ではない。相棒 Steve Nieve もしっかり参加。
「Pet Sounds」からの2曲(Don't Talk, You Still Believe In Me)とマッカートニー2曲(Junk, For No One)は個人的に大好きな曲でもあり、トラックリストを見て驚喜してしまった。他にもトム・ウェイツ(Broken Bicycles, Take It With Me)、ロン・セクスミス(April After All)など、コステロの音楽的背景を知るファンには堪らないものがある。
コステロ作詞・作曲の新曲も2曲聴ける他、旧曲(Baby Plays Around, I Want To Vanish, Shamed Into Love, This House is Empty Now)がまた素晴らしい出来。
元レーベルがクラシックの名門ドイツ・グラモフォンでもありジャンルとしてはクラシックの棚に置いてある。聴く前は、オペラちっくに大仰な歌い方だったらかなわんなぁという心配も多少あったが、ポピュラー・ヴォーカルものとして聴けるごく自然な発声で、オペラ嫌いな人にもオススメできる。バックの演奏は室内楽を基本に、曲によっては控えめなドラムも入るアコースティックな仕上がり。ジャケットの感じからもバカラックとの「Painted From Memory」に近いかな(またもやあの帽子を被ってるし...笑)。
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The Invisible Opera Company of Tibet - The Jewel in the Lotus (A GAS CD 006, 1994?)
The Invisible Opera Company of Tibet とは、オーストラリア、アメリカ、ブラジルなど各地に偏在している Gong 周辺バンド群がそれぞれ名乗っている名称で、同じバンド名でも全てメンバーが違う(アレン翁の公認があったりするんだろうか。Gong とどこが違うんだ? という気もするが...)。この盤はイギリスのバンド。メンバーは Brian Abbott (g,gliss,vo), Tim Hall (b,vo), Steve Hickeson (ds,bongos), Jim Peters (key,fl,vo)。全体としては、リズムはファンクっぽく、90's ミクスチャー・ロック色が強い。これが、中古で押さえといて期待せずに聴いたら大当たり、という滅多にない一枚となった。
10分に及ぶ1曲目 "Om Mani Padme Hum" はチベットのお経で始まり、Mike Oldfield 風エスニック・ニューエイジなイントロ〜タイトルのお経フレーズを繰り返しながら徐々に8ビート・ロックの乗りに移行、と思いきや、それをいきなり断ち切って Gong の "Master Builder"(ザイザオ〜マイマオ〜)に突入! 効果音的なギター・ソロ、キーボード・ソロ、フルート・ソロを含みつつ Gong 流スペイシー・ジャズロックを展開、そのうちだんだん初めのお経フレーズがフェイド・インしてきて、"Liberatio〜n !" の叫びを合図にお経ロックを炸裂させる。めちゃくちゃカッコええ!
2曲目 "All Coming True" はスーパーシスターかフラワーキングスみたいに(?)ポップなヴォーカル曲。これも良い。エレピとオルガンがいい味を出してる。"Dream, Vision, Manifestation !"
5曲目 "Circle Around" はライヴ録音で、Daevid Allen, Russell Hibbs, Ali Young がゲスト参加。15分に渡って延々リフを繰り返し盛り上がる「Gongmaison」収録のトラッド曲ではあるが、大部分は "Flying Teapot"(Have a cup of tea〜)ではないか。"Circle Around"のリフって、Soft Machine の "We Did It Again" と同じじゃん。
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ルパン三世/テーマ・ヒストリー (日本コロムビア COCC14667〜8, 1997)
ルパンの主題歌を、初代(山下毅雄作曲)から92年の別アレンジ再録音まで、すべて(?)網羅した、これぞ決定盤と言える2枚組CD。(新しめの曲を集めた2枚目は個人的には思い入れがないが...)
このセットの決め手は、1分少々のTVサイズのテーマ曲(放送の最初と最後に毎回流れたヴァージョンそのまま)が収録されていること。マスター・テープが残っていないせいか、音質が劣る部分があるものの、間延びして聞こえる全長版よりこっちの方が遥かに良い。特に後テーマは懐かしさのツボを刺激しまくり、甘酸っぱい気分にさせてくれる。子供心に憧れた大人の世界(笑)
別アレンジ再録音での注目曲は、声優・増山江威子が歌う必殺の“ラヴ・スコール (Fujiko's Version) ”。不〜二子ちゃんの声であの陶酔の名曲が聞ける。ジャズクラブで歌ってるような雰囲気(下手だけど...)。
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