Live Report 1999

Keith Tippett

Keith Tippett Friday the 13th
「13日の金曜日」
Friday the 13th

(NRL Records NRL-10001, 1997)
10月20日(水)
仙台・エルパーク仙台 スタジオホール
休憩なしで1時間20分ぶっ通しの即興ピアノ・ソロ。終わって時計を見た時、そんなに時間が経っていたのか、と驚いた。それくらい、時間の経過を感じさせない、素晴らしい演奏でした。極めて正確で鋭いタッチによる、スピード感溢れる力強いぶっ叩きから、エアコンの音が気になるほど繊細な極小音での摩訶不思議な響きまで。金物、木片、マラカス、オルゴール、おもちゃ? 等々を使ったあらゆる特殊奏法を駆使して、執拗に同じフレーズを繰り返して音の微妙な変化を追求するかと思えば、メロディアスなワルツやブルースも弾いたりして、充分楽しませてくれました。終わって一言、"This is all I know."(だったかな?)できることはすべてやりつくした、ということか。

写真は会場で購入した初来日時(1997年6月13日)同じく仙台でのライヴ盤。これを聴くと、今回と同じフレーズを弾いてたりする。ストック・フレーズか曲のようなものがあったのかな。

Brian Wilson

Brian Wilson live 1999
Set List:
(intro video)
The Little Girl I Once Knew / This Whole World / Don't Worry Baby / Kiss Me Baby / In My Room / Surfer Girl / California Girls / Do It Again / I Get Around / Let's Go Away for a While / Pet Sounds / South American / Surfin USA / Back Home
(intermission)
Wouldn't It be Nice / Sloop John B / Darlin' / Add Some Music To Your Day / Lay Down Burden / God Only Knows / Good Vibrations / Your Imagination / Help Me Rhonda / Be My Baby
(encore 1)
Caroline No / All Summer Long / Barbara Ann / Fun Fun Fun
(encore 2)
Love And Mercy
7月12日(月)
東京国際フォーラム
ブライアン、元気元気! ノッてましたよ。アンコールの出でわざとボケてくれたり、終盤(ロックンロール大会!)の“バーバラ・アン”の時にはマイクを持って立ち上がった(会場大騒ぎ)と思ったら前に出て踊り出したり、力強く「アリガートーーーーーーー」と雄叫びを上げたりして。「イマジネーション・ザ・ビデオ」(去年のライブ映像)では、まだ慣れないせいか硬い感じで、ぎこちない所もあったんで、これほどリラックスしてやってくれたのはちょっと意外でした。そのリラックス振りがこっちも嬉しくて、幸せな気分に。立ての座れのといちいち観客に指示するのにも「はいはい」と喜んで応じましたよ(笑)。ジェフリー・フォスケット、ワンダーミンツを中心とするバックの演奏とコーラスも、「ペット・サウンズ」のインスト2曲をパワフルに再現するなど、すこぶる強力!

今まで味わったことのないような素晴らしいライヴ体験でした。その反動で、終わってホテルに帰ってからの虚脱感というか空しさはヒドかったです。どーんと落ち込んでしまいました。これからの人生に何があるのか、もうこのまま死んでもいい、世界が崩壊してもいいとさえ感じました(なんて身勝手な)。後々しばらくの間は、ぼくにとってこれ以上の大イベントはもうないんじゃないか、と虚無感に苛まれ、立ち直れませんでした。ほんと楽しかった......

100 Gold Fingers

100 Gold Fingers 1999
piano:
John Lewis
Junior Mance
Ray Bryant
Kenny Barron
Jessica Williams
Cyrus Chestnut
Benny Green
Brad Mehldau
Eric Reed
George Cables
bass:
Bob Cranshaw
drums:
Grady Tate
6月4日(金)
喜多方・喜多方プラザ文化センターせせらぎホール
10人の大物ジャズ・ピアニスト(だから100本の指)がソロあるいはトリオ、はたまた連弾と様々な組み合わせで楽しませる、恒例となったコンサート(第6回目)。近くだったので、せっかくだからと行ってきました。予定されていた Duke Jordan は急病のため、George Cables が代役を務めました。

若手がいい演奏を聴かせてくれたのが印象に残りましたね。Brad Mehldau(1970年生)はソロで2曲ほど。流麗な指さばきで押しまくる。音に勢いがある。ちらっとキース・ジャレットの影響が伺えました。彼はアンコールでも1曲ソロを。現在人気もトップクラスだし、別格という感じ。Eric Reed(1971年生)もソロで、なんとモンク3連発! "Crepuscule With Nellie", "Thelonius" なんて渋いところをやってくれたのには嬉しくて笑みがこぼれてしまいます。なんていい奴なんだ (^^)。Cyrus Chestnut(1963年生)もソロで、日本の童謡をまじめにリリカルに演奏(曲名ど忘れ)。Kenny Barron の「黒いオルフェ」では Grady Tate の見事なブラシ/ドラムさばきに惚れぼれ。最長老 John Lewis は 訥々と音数少なく、おなじみの「ジャンゴ」を。さすがに深い味わいがある。他に比べて音の小さいのに驚きました。最後は全員が「A列車で行こう」をリレーしてフィナーレ。満足できるコンサートでした。

NRBQ

NRBQ live 1999
Set List:
(順不同、思い出す限り)
It's A Wild Weekend / Spampinato / I Love Her, She Loves Me / Tired Of Your Parmanent (新曲) / Be Here Now / Paris / I Got A Rocket In My Pocket / Get Rhythm / That's Neat, That's Nice / This Guy's In Love With You / If I Don't Have You / Crazy Girl / Hobbies / Encyclopedia / This Boy / Talk To Me / Boardin' House Pie / Flat Foot Flewzy / This Love Is True / Over Your Head / Me And The Boys / Ridin' In My Car (Green Lights, I Want You Bad もやったかも...)
(encore)
Christmas Wish / RC Cola And A Moon Pie / drum duo (Tom&Terry) / How Can I Make You Love Me / Rain At The Drive-In / You Gotta Be Loose / Little Floater / Time To Put That Guitar Down
5月22日(土)
吉祥寺・スターパインズカフェ

●はじめに

NRBQ (New Rhythm & Blues Quartet) は結成30年という大ベテラン・バンドですが、知名度はまだまだ。聞けば誰でも好きになるはずなのに...。エルヴィス・コステロ曰く「アメリカ最高のバー・バンド」、要するにパブ・ロックみたいなもんですが、音楽的特徴は一言で表せないほど多彩で、ノリノリのロックンロール、ほんわかと甘〜いポップス、カントリー、R&B、ジャズ、と何でもあり。ぼくの大好きなバンド。オリジナル曲がすごくいいんです。

●カンタベリー・ファンの方へ

リーダー/キーボードの Terry Adams は、カーラ・ブレイ・バンドに いたこともあり、Hugh Hopper, Elton Dean も参加したアルバム「European Tour 1977」(ライブ盤にあらず)の他に、ワイアット大活躍の「Nick Mason's Fictitious Sports」にも参加、というようにカンタベリーとのつながりもあります。空手チョップ奏法等フリージャズ的なところがあったりしますが、主にセロニアス・モンクの影響大(作曲面でも)。1枚あるソロ・アルバムはストレートなジャズ。サン・ラのメンバー参加。

●では、ライヴ・レポートを

開場の15分程前に行ってみたら既に人だかり。少しコーヒーでも飲んで時間を潰すかという考えは雲散霧消し早速列の後ろで待機。青山陽一氏、長門芳郎氏と接近遭遇(終演後には中川五郎氏も見かけました)。6時を過ぎていざ会場内へ。狭い階段をゆっくり降りると、なんか怪し気な地下クラブという雰囲気。中もかなり狭く、前回の渋谷オンエア・ウェストの1/3〜1/4くらいか。ステージも四畳半並。器材がそれほど多くないからこれで十分かも。

7時ちょっと過ぎ、Q登場。1曲目は土曜日にふさわしく、"It's A Wild Weekend"。あまりの音のデカさにややたじろぐ。音が割れて歌詞&音程が聞こえづらい(スピーカーの真ん前だったからかも)。ノリノリの演奏(切れの良いドラム、着実なベース)はスゴイ。テリーの暴走しまくったピアノ&クラビネットは言わずもがな。フリーな前衛プレイから“エリーゼのために”(だったかな?)まで飛び出す。

案の定あらかじめやる曲を決めていないようで、テリーの叩き出す鍵盤を合図に他のメンバーがついていったり、ジョーイとテリーが耳打ちして次にやる曲を決めていったりしてました。ある曲では、歌詞を忘れたのか途中でやめてしまったりしたのも御愛嬌。

ドラムのトムがバカラックの "This Guy's In Love With You" を歌った時、他のメンバーがトランペットを次々とたらい回ししたのには爆笑、そして感動。"I Got A Rocket In My Pocket" のエンディングは、恒例となった(?) ウィングスの "My Love"。なんと!ビートルズの "This Boy" をほぼ忠実にカヴァー。リード(ジョン役)はジョニー、大ウケ。みんな大喜びの "Ridin' In My Car"(歌はジョーイ)。季節外れの "Christmas Wish" 。アンコールでは、スネア2個とシンバルを前にセットして、トムとテリーのドラム・バトル(笑)も。

ひとまず終了したのは8時20分頃でした。数回アンコールに応えた後、一度はアンプの電源を切ったんですが、手拍子が鳴り止まず、数分後に戻って来て「もうやんないよ!」と腕組み。それからまた演奏してくれましたが (^^)。結局9時15分頃終了。
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