Jimi Hendrix Album Guide (Part 2)

おすすめ編集盤

* BBC Sessions (1998) ★★★★
BBC Sessions

BBCのスタジオ・セッションを集めた2枚組。だいぶ前にリリース済みの「Radio One」に未発表曲や曲間のしゃべりを追加、発表済みの曲でも前後を余計に収録したりしている。コンサート・ライヴとは一味違うBBC特有の生々しい演奏がたっぷり楽しめる。中でもギター弾きまくりインスト "Driving South" は圧倒的。
ボブ・ディランの "窓からはい出せ" とか、お遊び気味の "Hound Dog" など、ここでしか聴けない珍しいカヴァーも聴ける。アレクシス・コーナーとの共演やスティーヴィー・ワンダーがドラムで参加したセッションもある。"Day Tripper" にはロバート・ワイアットがヴォーカルで参加しているのだが、この事実は昔から無視され続けており、今回もクレジットなし、解説でも触れられていない。
ほとんどが1967年の録音だが、最後の3曲のみ1969年のテレビ出演時のハプニングを記録したドキュメント。生放送にもかかわらず "Hey Joe" を途中で止めて予定外の "Sunshine of Your Love" をぶちかます暴挙に出、周りのスタッフを慌てさせたという。


* South Saturn Delta (1997) ★★★
South Saturn Delta

スタジオ録音の未発表曲や別テイクをまとめたもの。「Rainbow Bridge」「War Heroes」で発表済みの曲も含む。「First Rays of the New Rising Sun」が表でこちらが裏、両方が対になっていると考えれば分かりやすい。
珍しくブラス・ロック風のタイトル曲、混沌とした "The Stars That Play With Laughing Sam's Dice"、インスト・ジャム "Tax Free", "Midnight", "Pali Gap" など、多様性がありながらクオリティも高い。晩年の重要曲 "Power of Soul", "Message to the Universe (Message to Love)" は、しっかりしたスタジオ録音を収録することにより決定版化。かつて不遇だった曲の救済措置にも役立った。


* The Jimi Hendrix Experience (4CD box) (2000) ★★★★
4CD box

スタジオ録音のアウトテイクや別ミックス、各種ライヴ音源をちりばめてほぼ年代順に収めた4枚組アンソロジー。日本盤の副題に「アンリリースト&レア・マスターズ」とあるように、これまで未発表だったもの、あるいは発表済みでも廃盤となっていたものばかり。どの曲も内容・音質ともに良く、特にライヴは名演を多く集めており、非常に充実した内容で初心者にもおすすめできる。親切なブックレットが付き、曲目も参照しやすい日本盤が便利。
ぼくが特に愛聴しているのは、ライヴを多く収めた3枚目。中でも1969年2月ロイヤル・アルバート・ホールでの2曲が素晴らしい。"Voodoo Child (Slight Return)" のギター・ソロは昇天もの。


* :Blues (1994) ★★
Blues

未発表スタジオ録音を中心にブルーズで統一した好企画盤。軽く流しただけのような有名曲カヴァーもあるが、最初と最後を飾る "Hear My Train A Comin'" 2テイク(アコギ弾き語りと70年バークレイのライヴ)は昔から定評のある名演。



おすすめライヴ音源

* LA Forum 26th April 1969 ★★★★★
LA Forum 69

エクスペリエンス解散間近のLA公演を完全収録。音質も最高水準。即興部分が多く、1曲の演奏時間がかなり長くなっている。いきなり10分を超すインストの "Tax Free" で幕を開け、最後の "Voodoo Child (Slight Return)" は間に "Sunshine of Your Love" を挟み17分にも及ぶ。観客も大興奮状態で、静まるようにとジミが説得する場面も。
The LA Forum Concert」として単体でも出ているが、ジミ生涯最後のライヴ(1970.9.6 ドイツ)がカップリングされたこの限定2枚組をおすすめしたい。

追記:2022年、新たにエディ・クレイマーがリミックスを施して公式発売された。
Los Angeles Forum - April 26, 1969


* Live at Winterland ★★★★
Winterland

1968年10月、サンフランシスコのウィンターランドで3日間行われたライヴからの選曲。バンドとして絶好調の頃で、ライヴ盤としての完成度が高い。1曲のみベースでジャック・キャサディ(Jefferson Airplane)が参加。

追記:ハーフ・オフィシャルながら「Winterland Night」として数曲追加して再発されたこともあるが、2011年に決定版となる4枚組ボックスが正式に発売された(3日間完全収録ではないが…)


* The Jimi Hendrix Concerts (邦題:炎のライヴ)★★★★★ Concerts

ウィンターランド公演を中心に68年から70年まで5か所のライヴから名演を集め「Live at Winterland」ともほとんどダブらない。元々は1982年発売の2枚組LPで、80年代末にCD化されたっきり廃盤状態。今後再発されることもなさそうだから中古で見つけたら是非。69年ロイヤル・アルバート・ホールでの "Stone Free" がスゴイぞ!

ちなみに、名演の多いロイヤル・アルバート・ホール・ライヴ(1969.2.24)は契約上の問題からブートまがいの怪しい盤が市場に溢れ、これまで満足できる形ではリリースされてこなかったが、近いうちに正式に発売する計画があるようだ。待望の映像版も出るかもしれない。
注:これのことではない。MSIから出ている日本盤は全てハーフ・オフィシャル(未公認盤)、MCA/ユニヴァーサル(現在はソニー)から出ているのが Experience Hendrix 公認の正式盤である。


* Live in Scandinavia Vol.1 / Vol.2 ★★★

とにかく浴びるほど聴きたい人、マニアックにハマりたい人向け。67年5月24日から70年9月3日まで全14公演分、北欧で行ったライヴ音源を集められるだけ集めた6枚組2セット(2000部限定)。大部分は音の悪いオーディエンス録音だが熱気が感じられ、晩年のものは「ワイト島」より気合いが入ってる。"EXP", "Up From the Skies" などライヴ音源が珍しい曲も聴ける。単発で出ている「Stockholm Concert」「Live in Copenhagen」もここに全部入ってる。


追記:2010年、Experience Hendrix の公認全作品が MCA/ユニヴァーサルからソニーに移籍。それに伴い主要作品がDVDとの2枚組デラックス・エディションとなって再リリースされ、さらに未発表音源で構成されたアルバム「Valleys of Neptune」を筆頭に続々と新規リリースが続いている。

West Coast Seattle Boy (4CD+DVD)
People, Hell And Angels
Miami Pop Festival (1968.5.28)
Hear My Train a Comin' (DVD)
You Can't Use My Name (The RSVP/PPX Sessions : Curtis Knight & The Squires)
Freedom: Atlanta Pop Festival (1970.7.4)
Electric Church (DVD)
Machine Gun (1969.12.31)
Both Sides Of The Sky
Songs For Groovy Children: The Fillmore East Concerts (1969.12.31, 1970.1.1)
Live in Maui (1970.7.30)
Los Angeles Forum - April 26, 1969 (1969.4.26)
Live At The Hollywood Bowl: August 18, 1967 (1967.8.18)
Electric Lady Studios: A Jimi Hendrix Vision (3CD+Blu-ray)

last updated: 2024.8.8


おすすめリンク

* Official Jimi Hendrix Website
通販オンリーの Dagger Records CD を購入できたり、音質はかなり悪いが数多くの未発表ライヴ音源がタダで聴ける。
* The Jimi Hendrix Record Guide
非常に詳しいディスコグラフィー、特に未公認盤のページがありがたい。コメントも読みごたえあり。(英語)
* ジミヘンドリックスについて知りたい人のための音源/書籍紹介サイト
お役立ちリンク集(日本語)

* Guitars101 - Guitar Forums - Threads Tagged with jimi hendrix
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