デビュー・アルバム「High Land, Hard Rain」(Rough Trade, 1983) の先行シングルとして82年リリース。これはスリーヴなしの７インチ・ピクチャー・ディスク。Ａ面はとってもポップ。ロカビリー風のＢ面はアルバム未収録だったが、ＣＤにはボーナス・トラックとして収録されている。

「High Land, Hard Rain」は、後にネオアコ（Neo Acoustic）／ギター・ポップと呼ばれる一派の原点かつ最高峰の超名盤である（次点は The Pale Fountains「Pacific Street」）。作詞・作曲・ヴォーカル・ギターを一手に手掛ける Roddy Frame の才能爆発！　瑞々しい歌と演奏もさることながら、フォーク／トラッド／カントリー／ラテンなど雑多な要素をポップにブレンドした曲作りが天才的に素晴らしい。実はその核にはパンクの精神があった（歌詞にJoe Strummer (Clash) への言及があったり）。

個人的なことを言えば、「High Land, Hard Rain」と出会ったがために、もっとこういうのが聴きたくて、それまでほとんど買ってなかった輸入盤や中古盤に手を出すようになった。結局ネオアコ周辺ではこれ以上のものには出会えなかった（残念ながら Roddy Frame 自身もこれを越える作品は生み出していない）が、おかげで、エルヴィス・コステロや XTC といった大物からモノクローム・セットなどクセモノまで、ちょっとひねくれた英国ロックの深い森に分け入ることになり、数年後にはカンタベリーに辿り着く。

side A

• Pillar To Post (R. Frame)
  

side B

• The Queen's Tatoos (R. Frame)

Produced by John Brand and Bernie Clark
Photos by Peter Anderson
(P) Rough Trade Records 1982 (C) Copywrite Control