*2004.4.14
オーディオにハマる
20年近く使ってたアンプを買い替えました。
音圧がやたら高い最近のCDを聴くのには力不足を感じてきたので。
↓見た目ピンと来てこれにしました。
CEC AMP3300
ヘッドフォン端子もPHONOアンプもついていない、
音源切替とボリュームのみのシンプルなパワーアンプ。
定価5万円で本格オーディオとしては安物ですが、
前に使っていたパワーアンプ(3万円代のBOSE製)よりも
高音域の解像度が上がったような気がします。
そのせいか、最初のうちは多少キツイ感じが無きにしもあらず、でしたが
今はエージングが進んだのか、音は良くなっているような気がします。
あんまり自分の耳に自信はないんですがね。
ついでに電源タップもオーディオ用の3Pタイプを購入(約1万円)、
さらにレゾナンス・チップなる怪しげなアイテムを試してみたり、と
ぼくは今オーディオの方に(音楽の内容より)入れ込んできていて
手持ちの音源がどのように鳴るか確かめるのが楽しい毎日です。
楽音そのものよりも音が消えていく間際の余韻を愛でる、という
病的な境地に突入か?
*2004.12.31
ほぼ20年ぶりにスピーカーを買う
ヤフオクで「301MM2」を買った。エッジ交換済中古を25000円で。(定価は7〜8万くらい)
これまで20年近く使っていた「BOSE 101MM」には特に不満はなかった。
いやむしろ音の質感・定位感は抜群である、と思う。
実は少し細工をした。余計な乱気流を防ぐためバスレフポートに詰め物をしているのだ。(某サイトの影響で)
唯一欠点といえば、小型のせいで低音が迫力不足ということくらい。
でも聴きやすさ、という点ではそこが逆に長所ともなっていた。(ぼくの場合)
「BOSE 301MM2」を聴いてまず感じたのは低音の出方が全然違う、ということ。(当たり前か)
だが、その出方がイマイチ気に食わない。
これまで101の軽い音に慣れていたせいか、低音が出過ぎているように感じる。しかも締まりがない。
そこで、手近に買えるオーディオ・テクニカ製(真鍮・ソルボセイン・ハネナイトの重層構造)インシュレータ AT6099 を敷いてみた。
おーなかなか良いんじゃないの〜(気のせいか?)
でもやっぱり置き方に根本的な問題があるな〜
(インシュレータの下に人造大理石板、その下に防震ゴム、その下に雑誌を重ねて高さを出し、アンプ、CDプレーヤーと同じ台に置いてる)
そこで今度は BOSE 純正スタンド AS-2 を購入。
スピーカーとスタンドの間にオーディオ・テクニカ製インシュレータ、人造大理石板を敷く。
(せっかく買ったのに余らせるのはもったいないので)
ん〜いい感じやないの〜(これも気のせいか?)
でも定位感が思ったほど出ないな〜。それより何より部屋が狭くなってしまったぞ。
んでもまあこの状態でしばらく聴いてみよう。
音場感(音の広がり・奥行き)はさすがに出るし、高域から低域まで出てくる音域は確実に広くなっているんだから。
*2006.7.19
真空管アンプを導入
2年ちょっと前に買った CEC AMP3300 があっけなく壊れた。
音はともかく、ボリュームノブなど使い勝手が気に入ってなかったから、これを機会に別のを買うことに。
どうせなら最新デジタル・アンプにしようかと探してみたら、こんなのを見つけた。
コンパクトでなかなか良さそう。フライングモールという名前も(マッチングモールみたいで)気に入った。
でも、入力端子が一個しかないしスピーカー以外の出力端子もない。これじゃあ不便。
無難にオンキョーあたりにするかな〜、とも考えたものの、イマイチ面白くない。
そこで一転、とことんアナログな真空管アンプはどうだろうか? と。
ちょっと探してみると、サウンドウォーリアーというとこから、お手頃価格のが出ている。
ヘッドフォン端子もPHONOイコライザーもついて、iPod にも対応という現代的なプリメインアンプ SW-T10。
直感でこれに決めた。ヤフオクで3.5万。
ようやく到着した品を喜び勇んで設置。なかなかいい感じだ。
肝心の音はどうか。
第一印象は、前の CEC AMP3300 に比べて解像度とパワーで落ちるような気がして、ちょっとガッカリ。
真空管の特質と値段を考えれば当然かも知れない。
約一週間のエージング(慣らし)期間を経た現在は「まずまず、いいんじゃないの」といったところ。
真空管らしいホンワカとした暖かさが感じられる。(実際、発熱してる。夏向きではない...)
まさに自然な音という感じがする。(あくまでも“感じ”。耳に自信はない...)
最近のやたら音圧が高いCDには向かないようだが、どうせ古い音楽しか聴かないんだから、これで良し。
これから手持ちの音源を色々と聴いていくのが楽しくなってきた。
オーディオ人生が充実すると、実人生も明るくなってくる。
アンプが壊れた時は、本当に暗い気持ちになってしまったし、体調も崩したからね〜
*2009.1.15
SHM-CD に手を出す前に
昨年あたりから SHM-CD という高音質を謳った新素材CDが登場(他に HQCD、Blu-spec CD、果ては一枚20万円もするガラスCDなんてのも)
値段はやや高めながら通常のCDプレーヤーで再生できることから急速に広まった。
音が良くなる理屈は、ディスクの透過性を高めることで読み取り精度を向上させるというものだ。ということは…
SHM-CD に手を出す前に一つやるべきことがある。
それは手持ちのCDをクリーニングすること。
たとえ買ったばかりの新品CDでも、製造工程で付着した油脂、カス、ホコリなどが残っていることがある。
それを水洗いしてキレイにすればディスクの透過性が向上するのである。
徹底的に石鹸で水洗いが一番だが、ハァ〜と息を吹きかけてメガネ拭きなどで磨く(メガネを拭くのと同じ要領)だけでも効果はある。
新素材CDを購入するより先に、この全く金のかからない音質改善法をまず試してみることをオススメする
*2010.6.21
30年近く使い続けているアナログ・プレーヤー Technics SL-7 がとうとうお亡くなり?
しばらく聴いてなかったアナログ・レコードを再生してみたら、
内周の方にいくと大体17cm目盛あたりのところで針飛びのような状態になり、それより先にアームが進まない。
ネットで調べてみると、リニアトラッキング・アーム駆動用ベルトの経年劣化が原因と思われる。
パナソニックには問い合わせたが、部品の在庫がないかもしれないとのことで、修理可能かどうかはっきりしない。
某オーディオ店に問い合わせると、修理は出来るが1.5万円ほどかかる、とのこと。高い!
もしかして、部品さえ手に入れば自分でも出来るかも、と
一縷の望みを託してヤフオクからベルトを入手。(ちっちゃい輪ゴムみたいなの)
出品者の方が親切に方法を教えてくれたお陰で自力で交換できた。
およそ1000円程度で愛機復活!
以前のようにアナログ盤を思いっきり聴けるようになった。めでたしめでたし。
教訓。機械は使わないと調子が悪くなるようだ。できるだけ毎日使ってあげよう。
*2010.7.8
現在のオーディオ・システム
スピーカー:BOSE 301MM2(メイン)+ 101MM(マトリクス接続)
サブウーファー:BOSE AM-01II
スピーカーケーブル:メーカー不明の安物
パワーアンプ:Sound Warrior SW-T10(真空管)
アナログプレーヤー:Technics SL-7
CD/DVDプレーヤー:Denon DVD-2930(ユニバーサル)
ラインケーブル:audio-technica Art Link (AT6A48)
モニター:東芝のメチャ古いブラウン管テレビ15インチ
スピーカー(+サブウーファー)と真空管アンプはどちらもみっちり土台対策を図っている。スピーカースタンド AS-2 の下に敷いているのは御影石のボード。スタンドとボードのすき間に薄いMDFボードを挟み、さらにダンベル3kgを置いてガタ対策としている。床に接する部分はカーペットを切り抜いてスパイダーシート。スピーカーとスタンドの間は防震用のゴムでしっかり密着。こうまでしても、まだ指で押せばゆらゆら揺れてしまう。これ以上は無理なのか。アンプの下は人造大理石のボードを2枚、間にオーディオテクニカのインシュレータ AT6099 を挟んでいる。こんなにする必要はないのかも知れないが…
101は(直径2センチ・厚さ2ミリほどのコルクを3枚底に張り付け)301の上に直に置き、約45度外向きにして位相差分だけを放出して広がりを出す簡易サラウンド方式(301は普通に接続、101はスピーカー端子のプラスをアンプのプラスに、マイナスとマイナスをスピーカー同士で接続)。301だけでは高音域に若干不満があったが、101を加えてからは音域拡大、音場拡大、ダイナミックになった(ような気がする)。前後左右の立体感が出て、聴いてて面白いことは面白いが、定位が不自然なようで多少気になる。セッティングも自信がない。ピンポイントでフォーカスするのが理想だとは思っても、部屋の状況もあるし、ミリ単位で動かして色々と試してみるのも面倒だ。
長年の念願だったHDCD対応ユニバーサルプレーヤーは去年中古で購入。DVDはあんまり見ないが、MP3CDが再生できるところが便利。ネットで拾った音源なんかをCDに焼いてそのまま聴ける。不満な点は、ハードディスクレコーダーで録画したDVD-RWが見られたり見られなかったりすること。
(ちなみに、現在のシステムはこちら)
*2010.7.25
レコード針を交換しよう
アナログ・プレーヤー Technics SL-7 が再生したこともあり、アナログ盤を聴くことが増えた今日この頃。
カートリッジを、20年くらい前に一時期使用していた オルトフォン 320U に付け替えてみた。
が、なんか音が濁るというか歪むような感じなので、針を新品に交換。約5000円の出費。
そしたら、音が格段にクリアになったようで、やっぱり針は新しい方がいいのだな〜、と今さらながら実感。
CDとはまた違った音の良さを堪能。プチノイズも実際に減ったのか、気にならない。
教訓。できるだけ針はこまめに交換してあげよう。一日にLP一枚聴くなら、一年ごとに交換した方がいいのかも。
*2013.12.7
危険なCD
1812 Overture, Wellington's Victory, etc.
曲中に大砲の音が入るので有名なチャイコフスキーの「1812年」
本物の大砲を鳴らしているとのことで文字通りの爆発音がドッカンドッカン炸裂。スピーカーを破損する恐れがあるためボリュームを上げ過ぎないようにと警告が記されている。当方の装置が貧弱なせいか、実際にはそれほど迫力は感じられない。
カップリングは、めったに聴けないベートーヴェンの「ウェリントンの勝利」(別名:戦争交響曲)
これも銃声がバンバン鳴りまくる。両陣営左右からそれぞれ戦場に赴く行進が続いた後、次々と銃声が響く戦場の風景、最後は能天気な浮かれ騒ぎと勝利の凱歌。あまりにも分かりやす過ぎて聴いてて恥ずかしくなるほど。駄作とされるのもむべなるかな。
Saga Symphony
20世紀アイスランドの作曲家レイフスの交響曲「サガの英雄たち」
民族的というかパーカッシヴな音楽だが躍動的というのとは違う。
第一楽章でドスンという重低音パルスが不定期かつ頻繁に出現する。だが本当に恐ろしいのは第四楽章。超巨大な鋭い爆発が待っている。静かなところからふいに来るから心臓に悪い。
スピーカーへの警告はどこにも書いてないが、「1812年」よりこっちの方が相当に危険度は高い。実際、最初に聴いた時ボリュームを上げ気味にしていたらサブウーファーが逝ってしまった(爆)
20年近く問題なく使っていたのが、以後スイッチを入れるとブーンとハム音が出るようになったのだ。とんでもないCDである。
*2014.3.3
いい音・悪い音(メタボな音)
「いい音」自然で聴き疲れしない音(主に70年代のアナログ・サウンド)
発する音の周りに空気感があり、その場の空間が感じられる。広がり・奥行き・開放感がある。
<例> フェアポート・コンヴェンション(ジョン・ウッド)、ライ・クーダー(リー・ハーシュバーグ)、マイケル・フランクス(アル・シュミット)、リンダ・ロンシュタット(ジョージ・マッセンバーグ)等々。(カッコ内はエンジニア名)
「悪い音」やたら音圧が高く圧迫感のある音(2000年代以降の傾向)
レベル(音量)を盛り込み過ぎて、終始VUメーターがレッドゾーンに振り切れてるような状態。ヴォーカルの音像がデカくてツバが飛んできそうなほど目の前に口元があり、ベースはブンブン歪んでうるさく耳につく。超高域・超低域がカットされ中音域に密集しており、レンジが狭い。よく言えば「芯がある・ガッツがある音」、実際は繊細な部分が押し潰されてノペッと平坦にナラされ、開放感・空気感が感じられない。雑踏の中で聴く携帯プレーヤー(またはカーステ)に適した音として広まったのかもしれないが、部屋でスピーカーを鳴らす真っ当なオーディオでは聴きづらくて困る。このように脂肪が付き過ぎて肥大したような音をこれからは「メタボな音」と表現したい。(各個人の好みや使用機器によっては、逆にこっちの方が良い音だ、と感じることも十分ありえる)
最近ようやく気がついた。
2003年頃から新しい音楽より古いクラシックを聴くことが多くなったのは
メタボなCDの音質が原因で、そのことを無意識ながらも感じていたためなのかもしれない、と。
今から思えば、若手だけじゃなくベテランの新作もことごとく聴きづらく、そのため繰り返し聴く気にならなかった。
それに気がついてからというもの、手持ちのCD(主にロック)を色々と聴き返しては音を確認している。
振り返ってみると、始まりは90年代後半までさかのぼる。
メタボCDの例(ほんの一部)を挙げると、
Paul McCartney「Flaming Pie」(1997)
Todd Rundgren「With A Twist」(1997)
King Crimson「The ConstruKction of Light」(2000)
ELO「ZOOM」(2001)
George Harrison「Brainwashed」(2002)
Elvis Costello「When I Was Cruel」(2002)
Peter Gabriel「Up」(2002)
Kevin Ayers「The Unfairground」(2007)
Graham Gouldman「Love & Work」 (2012)
新作だけじゃなく旧作のリマスターによる再発にもこの傾向は見られるようだ。
幸か不幸か、ぼくは新規にリマスターされたからといって既に持ってるのを買い直したりはしない方なので手持ちは比較的少ないと思われる。
改めて確認すると、バーニー・グランドマンがリマスターしたとされる荒井由実のボックスがギラついた音だった。
ワイアットとピーガブの2002年紙ジャケも怪しい。
エッジ(輪郭)が強調された結果、小音量で聴いても迫力があり細かい音も聞こえ、以前より音が良くなったと錯覚させるのだが…
「デジタル・リマスターで音質向上」との謳い文句には要注意。90年代以前の古いCDは処分しない方がよさそうだ。
ちまたでは既にこのあたりのことは知れ渡っているようで、
過剰な音質改変が施されていない旧規格CDにプレミアが付いたりする例もあるらしい。
最終的な音を決めるのは録音エンジニアよりもマスタリング・エンジニアの方らしい、ということも分かってくると、
誰がマスタリングをやってるのか、その名前が気になり出す。
ラウドネス・ウォーとかフラット・トランスファーというキーワードは少し前から知ってはいたが、
遅ればせながら、その重みをひしひしと感じてきた今日この頃。
*2014.3.8
引き続きメタボCDについて
さらに確認作業を続けた結果、2000年以降どころか90年頃から既にメタボ化は始まっていたことが判明。
その最初期の一例は90年のジェフ・リン「Armchair Theatre」で、潰れた音が目の前に迫って来る典型的なメタボCD。
ELO時代からこんな音だったような気もするが。
ポール・マッカートニーは、89年の「Flowers In The Dirt」や91年のアンプラグドではスッキリとスリムな音なのに、
93年「Off The Ground」あたりから徐々に脂肪が付き始め、2007年「Memory Almost Full」に至ってはタイトル通りの飽和状態。
まるでAMラジオ並みの酷い音質になってしまってる。これじゃ次のアルバムを買う気にならないよ。
近年の新作CDの中からメタボじゃないのを見つけ出すのは至難の業。
今のところ、マーク・リネットが関わったブライアン・ウィルソンの数枚しか見当たらない。
リンダ・ロンシュタットの「We Ran (1998)」は、元の録音はそれほど悪くなさそうなのにボブ・ラドウィグのマスタリングで潰されてしまった。
この翌年に出た4枚組ボックスには「We Ran」の3曲も含まれていて、そこでは名手ダグ・サックスのマスタリングによって一皮むけたクリアな音に生まれ変わっている。
自分の録音を台無しにされたジョージ・マッセンバーグのリベンジに違いない。ディスク1冒頭に持ってきてるのも「どうだ!」と言わんばかり。
ただし、メタボ化は全部マスタリング・エンジニアの責任とは言い切れない。
時代の趨勢には逆らえないだろうし、プロデューサーか誰かお偉いさんの要請かもしれない。
「Flowers In The Dirt」やブライアン・ウィルソンのマスタリングを手掛けていたのは誰あろうボブ・ラドウィグなのだ。
80年代に出たCDはガッツのない痩せた音とされてたものだが、改めて聴き直すと風通しがよくスッキリ引き締まっていて気持ちよく聴けるものが多い。今からすればパラダイスだったのかもしれない。
90年代以降の作品もフラットなトランスファーで聴いてみたい。ラウドネス・ウォーの問題が顕在化してきた現在ではそのような動きがあってもいいのではないかと思うのだが。(元の録音自体がダメではどうしようもないか…)
<前回の補足>
前回は一口にメタボCDとまとめてしまったが、新作と旧作リマスター再発とでは音の傾向が違うように思える。
新作の方は、細部が無惨に潰れるのも構わず音を大きく太く肥大させ圧倒させる。
一方リマスター再発は、音を大きく太くもするが、さらに輪郭にメリハリを付けてハッキリクッキリさせ、以前との違いをアピールするという傾向。
新作がメタボなら、リマスター再発は筋肉増強剤でムキムキに改造もしくは豊胸手術でグラマラスに変貌させるようなもの。これじゃメタボと反対じゃないか(笑)
音圧を上げたリマスターが悪とは限らない。魅力的なリマスターの例を挙げると、
2008年にボックスで出たビリー・ジョエルの「ストレンジャー」(マスタリング:テッド・ジェンセン)は音圧を稼ぎつつも聴き疲れの少ない好ましい音だった。
クリムゾンの30周年リマスターやスティーリー・ダン、コステロ2枚組シリーズ(Rhino/Warner)も良好。
何を持って「いい音」「悪い音」とするか、人によって意見が異なるかもしれない。
ぼくの場合、ボリュームを上げたくなるか下げたくなるかで判断する。気持ちよければいいという直感的なもの。
*2014.3.16
マスタリングが良好なBOX2種
The Police - Message in a Box (1993)
やや古いボックスだが耳に優しく自然な音で聴ける。
逆にボブ・ラドウィグが手掛けたポリス関連の2003年リマスターはメリハリがキツく歪みがちで聴きづらい。
ロキシー・ミュージック関連のリマスターも同傾向だった。
ぼくの中で Bob Ludwig は信用できない名前になっている。
ELO - Flashback (2000)
同時期にバラで出た4種はメタボ気味のリマスターだったが、
このセットではダイナミック・レンジが広く素晴らしくクリアな音が堪能できる。
マスタリングにダグ・サックスの名がある。さすが。
ぼくの中で Doug Sax は信頼できる名前になっている。
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Turn Me Up!
あなたはどのグループ?
*2016.2.23
手持ちの古いCDを簡単にハイレゾ化する方法(?)
新規リマスター(紙ジャケと連動)→ 新素材(SHM, Bluespec 等)→ ハイレゾ(SACD, DVD-A, ブルーレイ, 配信等)
次々と新手の売り文句を繰り出しては同じタイトルを何度も買わせようとする風潮に反発する当サイトでは、新素材が登場した際にCDの水洗いを推奨したことがある。ホコリや油脂を除去してディスクの透過性を高めれば新素材に対抗できると考えたためだ。
今回はハイレゾへの対抗措置として、ディスク本来の解像度を極限まで引き出す方法を伝授したい。
それは「CDの縁(フチ)を緑(ミドリ)に塗る」というもの。なんかオカルト的だが、一応は科学的な理屈がある。
CDプレーヤーはレーザー光をディスクに当ててその反射を読み取るわけだが、その際にディスク内部で光が乱反射してわずかにブレが生ずるらしい。ディスクの縁をレーザー光(赤色系)とは反対色の緑色に塗ることで、その乱反射を少しでも吸収させようというわけ。(参照図)
実際の方法としては、太めの水性サインペン(プロッキーが使い易い)でディスクの周りを軽く一回りさせるだけ。塗りに失敗したり元に戻したいときは水洗いすればよい。(参考写真)
処置の結果、高音から低音まで音のピントがピタッと合って、余韻がスーッと広がる(ような気がする)から不思議。
たとえ気のせいだとしても、聞き古したり死蔵してるCDに新たな命を吹き込んだ気分になり、次々と塗っていくのが楽しくてしょうがない。
信じるものは救われる。
*2016.7.18
アナログ盤は贅沢品か?
ここんとこアナログ回帰なのか再発見なのかアナログ盤が人気のようで、新譜でも再発でもアナログ盤で出るものが多くなったようだ。その場合、同内容のCDより高価なことが多い。
経済的な効率性よりも音質を優先させるため、重量盤にしたり、音溝の幅に余裕を持たせて広く取ったり、音質的に不利となる盤の内周部はできるだけ使わないようにすることもある。時には33回転ではなく45回転にしたり。そうすれば、片面あたりの収録時間は必然的に短くなり、2枚組になったりする。当然ながら限定生産でプレミア価格になる、と。
新譜の場合は仕方ないとしても、新たにカッティングし直した高価な再発盤を買うくらいなら、過去に出回った多種多様な安い中古盤を漁っていく方がずっと楽しい、と思う。
(ただし、再発に再発を重ねた薄っぺらな日本盤より、オリジナルに近い海外盤の方がいいのは言うまでもないが…)
アナログ盤を堪能するには相当なお金がかかる、とハードルを上げて初心者を遠ざけるような意見をよく目にするが、ぼくはそうは思わない。普段CDを聴いて満足できている程度のアンプ、スピーカーがあれば、初めは安価なプレーヤーでもアナログ盤の魅力を感じることはできるはずだ。
肝心なのは、余計な振動を抑えるために、しっかりした台(ボード)の上にプレーヤーを置くこと。できれば人造大理石や御影石がオススメ。オーディオ専門店でなければ安く入手することも可能だ。アンプやスピーカーの下にボードを敷くのも常識となっている。
魅惑のアナログ・ワールドに一歩でも踏み込んでみよう。
その先には一生かけて楽しめる奥深さと広がりが待っている。これまで世に出た音盤は無尽蔵にあるんだから。
*2016.10.30
現在のオーディオ・システム
スピーカー:BOSE 301MM2(メイン)+ 101MM(マトリクス接続)
スピーカーケーブル:CANARE 4S6
スピーカースタンド:AS-2
パワーアンプ:Sound Warrior SW-T10(真空管)
アナログプレーヤー:Technics SL-7
カートリッジ:ortofon 320U
CD/SACD/DVD/Blue-rayプレーヤー:OPPO BDP-105DJP
ライン(RCA)ケーブル:audio-technica Art Link (AT6A48)
電源タップ:Belden PS1550
テレビデオ(VHSビデオ再生機能付きブラウン管テレビ):AIWA VX-T14GX20
OPPOのプレーヤーはそのままではブラウン管テレビに繋げられないので、HDMI入力をコンポジット出力へ変換するコンバーターを使用。
ブルーレイの高解像度映像は宝の持ち腐れだが、どうせ映像はそんなに見ないし、メニュー画面を映すモニターにするくらいで、ほとんどピュア・オーディオ。
使用歴35年が経過したSL-7は何度も分解してイジってるうちにオートリターンが効かなくなってしまった…
最近その足にW波ゴムクッションを貼り付けて振動対策してみた。結果、低音が締まって一層クリアになった(ような気がする)
(ちなみに、現在のシステムはこちら)
*2017.2.18
アナログレコードの魅力
手軽にコピーできるデジタルデータでは味気ない。
不便で手間が掛かるからこそ「趣味」といえる。
色々と手を加え工夫することで音質が改善したりする。
庭いじりや盆栽に近いかも?
「CDはコンドームを付けたセックスみたいなもんだよ」
(『ビニール・ジャンキーズ』より)
この言葉、アナログ盤の魅力を知る者なら実感するはず。
平坦にならされノッペリとしたCDの音質とは別物で、
薄皮一枚はがしたようなザラッとした生々しい感触。
深いダイナミクス・奥行き・場の空気感などが直に伝わってくる。
ノイズが出るから、などとレコードの音質を否定する者は
真の魅力を味わったことのない童貞みたいなもんだよ(?)
*2017.6.1
新譜アナログ盤
「中古盤を漁っていく方がずっと楽しい」などと言いながら、最近はアナログ盤の新譜も買うようになっている。
日本盤は高価だが、輸入盤はアマゾンで買うと比較的安い。
メタボ気味の音質が気になるCDより、アナログ盤の方が解放感があるのか聴きやすい音質になっているような気がする。
数ヶ月前、オートリターンが効かなくなったアナログプレーヤー(Technics SL-7)を修理に出してみたのだが、結局は修理不能ってことで戻された。部品が入手不能のためらしい。
諦めて現状のまま使用していた昨日のこと、中心部近くのネジが一ヶ所ユルんで浮いてるのを見つけて締めようとしたら、それ以上締まらない。おかしいと思いつつも、そのネジを外してみた。そしたら不思議。オートリターンが効くようになった(笑)
ネジを外した悪影響が今後出てこないか心配だが、ひとまず以前の状態に戻ったことは喜ばしい。
*2017.12.17
ブートレグのハイレゾ化
最近集中的に聴いてるクリムゾンのライヴ音源は大半が音の悪いオーディエンス録音。それをなんとか聴きやすくできないか。
アースバウンド・ボックスのブルーレイでは、あまり音のよろしくないカセット音源でも 24bit/48kHz で収められている。
それに倣って、ブート音源を 24/48 WAV に変換(アップサンプリング)して取り込んでみた。使用ソフトは XLD。
出来上がった WAV ファイルは PC 上で再生するより USB メモリに入れて OPPO BDP-105DJP から再生する方が高音質で聴けるはず。
だが試してみると曲間がプツっと一瞬途切れてしまいスムーズに再生できない。
これってライヴの場合いちいち気分が削がれるから結構重要な問題だ。
ファイルから直接読み込むとギャップレス再生ができないとなればディスクに焼いたらどうか。
もちろんハイレゾ・データは CD には入らないので DVD-Audio を作成するしかない。使用ソフトは Burn。
結果、なかなかいいんじゃないの。オーディエンス録音特有の会場の雰囲気が(ノイズも込みで)心地よく感じられる。
アップサンプリングのデータ補間作用によって、まろやかで聴きやすい音質になったのだろうか。(気のせいかもしれないが…)
これに味をしめて、聴きなれた CD も 24bit/96kHz くらいに擬似ハイレゾ化して聴いてみようかと思っている。
元々音質が良いものより、あまり良くないものをハイレゾ化した方が効果が出るのかもしれない。
*2017.12.24
OPPO でギャップレス再生
前回、OPPO BDP-105DJP で USB メモリからギャップレス再生ができない、と書いたが、
サイトのサポート「よくあるご質問と回答(Blu-rayプレーヤー)」にやり方が書いてあった。
「OPTION」ボタンを使えばよいのだった。
いちいち DVD-RW ディスクに焼いては消し焼いては消しを繰り返していたのは無駄な行為だったってことか...
ていうか、USB コードで OPPO と Mac を繋いで OPPO を USB DAC にすれば、
いちいち USB メモリにコピーする必要もないってことに今さら気づいた。アホらし...
*2017.12.25
Mac でギャップレス再生・FLAC 再生
OPPO を USB DAC にしたら Mac 側でファイルを再生する必要がある。
WAV 再生は iTunes でもいけるのだが、FLAC には未対応。
FLAC 再生可能のソフトとして VLC があるが、こちらはギャップレス再生に未対応…
今回この問題を解決するために新たに VOX を導入した。
まとめると、次のようになる。
iTunes:ギャップレス再生 可・FLAC 再生 不可
VLC:ギャップレス再生 不可・FLAC 再生 可
VOX:ギャップレス再生 可・FLAC 再生 可
ライブラリの整理やプレイリストなど幅広い使い勝手に優れた iTunes と、シンプルな VOX を使い分ければいい。
iTunes が FLAC 再生に対応すれば強力なのだが…
とはいえ結局のところ、あくまで音質を追求するなら、
FLAC を WAV に変換 → USB メモリにファイルをコピー → OPPO で再生
とするのがリアルタイムで機器に負担をかけず PC の影響を受けず、回転系も回避で完璧なのかもしれない。
ボーナス・トラック(おまけ)
某フォーラムへの投稿を再構成・2014年記
<音が良いと思ったアナログ盤>(場の空気感を捉えた古き良き録音)
Art Pepper - Meets The Rhythm Section (Contemporary/Victor) 再発日本盤
Lee Konitz - Inside Hi-Fi (Atlantic/MMG) 同上
Roland Kirk - We Free Kings (Mercury/Nippon Phonogram) 同上
Roy Haynes - Out of the Afternoon (Impulse/ABC) 再発米盤
The Ruby Braff/George Barnes Quartet (Chiaroscuro) オリジナル米盤
<音が悪いと思ったCD>
Sonny Rollins - A Night At The Village Vanguard (Blue Note/Capitol)
(1999年ヴァン・ゲルダー・リマスター2枚組)
いやはやなんとも酷い音。シンバルの音が無惨…
フルボリュームのサックスの音が潰れてうるさく、場の空気感は感じられない。
(しばらく後でアナログ盤を入手して聞いたら、少しはましだが似たようなものだった。元の録音からか?)
同じアルバムでも、CDはマスタリングで、アナログ盤はカッティングで音質は違ってくる。
新しいリマスターほど音が潰れて聴きづらい傾向にあるような気がする。
マスターテープの劣化を隠そうと不自然なまでに加工しているのかも。
一昔前のOJCのCDは概してそのような加工が無く自然な音のようだ。
ぼく個人としては、50年代後半〜70年代の録音(それもアナログ盤)が最高だ、と感じている。
極端なことを言うと、古いものほど音が良く、新しいものほど音が悪い、と。
SP→LP→CD→mp3, etc. とメディアが移り変わると音質は劣化していく、
という考え方は一面的ではあるが、だいたい当たっていると思う。
マスターテープが新鮮なうちに作ったオリジナルの盤には勝てないのだろう。
でも中には例外もあって、優秀なリマスターで素晴らしい音質に生まれ変わる、
ということも全くないわけではない。その見極めは難しいのだが。
「嶋護の一枚」の一読をオススメする。
オーディオ好きな人間には非常に興味深いことが書かれている。
ラウドネス・ウォーとかフラット・トランスファーというキーワードについて、
この本を読んでから意識するようになり、最近のCDの音に懐疑的になった。
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