ボウイング(弓の動かし方)について



まずは下記の動画のバイオリン群の弓の動きを全体的に見てみてください

https://youtu.be/-BaA6p7h6bE?t=110

おそらく一般の(アマチュアの)中学校の弦合奏部か何かだと思われますが。。
みんな、弓の動く方向が同じ事に気づいたでしょうか??
(逆に動いたりする人は基本いない)

これは、ヴァイオリンにおいては、弓の動かし方でフレーズ(音楽性)が
微妙に変わったりするので、それぞれが自分勝手な動きをしていると
全体で音楽性が整わないためです。

中学の弦学部レベルでもしっかり揃えているので、アマチュアとはいえ
大学や地域オーケストラでも基本同じです(みんなと違う動きで弾いてしまうようだと参加できない)
※高度な曲などでパートをさらに分けて別の事を弾く事などもあるので例外はありますが

という事で、ある程度ヴァイオリンの演奏に慣れてきたら、弓の動きにも気を付けていく段階となります。


まず、初級編の基本中の基本は 「1音ずつ上下に折り返す」 です。

曲に入っている段階(あるいは音階などでも可能です)で、ある程度間違えずに
弾けるようになってきたら、必ず弓を指定された正しい方向から動かし始め、
ジグザグに動かすように気を付けてみましょう
(特に表記がない場合は最初の音は下記解説の赤矢印、ダウン方向から弾く事が基本となっています)




赤方向に動かすのをダウン(下げ弓)、青方向に動くのをアップ(上げ弓)と言います。

まず基本はダウン(赤方向)です。
弓元の力の入りやすい方向から動く事から、強い音が出しやすいです。
拍の頭(最初の音)は強い方がよい事が多いので、基本的にヴァイオリンは
ダウン方向から動く事が多いです(例外あり)

楽譜上の記号では下記のような記号で記されます。



おそらく弓元の四角い部分(フロッグ)の形を表しています。フロッグの方へ動かしましょうという事です。

同じく青方向、アップは下記のような記号で記されます。



同じく、弓の先端のとがった部分を逆にしたマークです。
先端方向へ向かって動かしましょうという事です。

※ごく稀に(フランス系の輸入楽譜など)記号方向が逆になっているものもありますが、
基本的にはヴァイオリンの楽譜共通と思ってもらってOKです。


が、この弓の動き、なかなかに初歩段階で、曲を正しく弾きながら動きも正しくしようと思うと難しいです。
他の音程やリズムにも共通する事ですが、ヴァイオリンは非常に考えること、やる事が多いです。

音楽に共通する 「音の高さ」 「リズム」 の2つを考えるだけでも大変なのに加え、ヴァイオリンは
「音程」 「音色」 「1音中の音の強弱」 などあり、ここでさらに 「弓の動き」 が加わります

上級者になってくれば最初から知らない曲などであっても、いきなり弓の動きも楽譜通りで
動かせたりしますが、そこまでに到達するには、かなりの練習時間を要します。

慣れないうちは、最初はある程度リズムと音を正しく弾くことに集中し、ある程度
気を付けなくても曲が弾ける段階に入ってから弓方向を正しくしていく。。といいのではないかと思います。

もちろん慣れてきたり余裕があれば、できるだけ早い段階から正しく動かせる事に越したことはありませんが、
最初は難しいので上記のように分けて練習していくといいでしょう。

2019年のクリスマス会あたりでは、上級クラスを除き、まず、このジグザグの動きを
みんなであわせる事を頑張りました@それでもかなり苦労した子もいました

今年2020年は、基本的にこのレベルはみんな卒業したと判断し、2020年は、多少例外の動きを入れたものを
園児を含めやろうと思っています。

基本はジグザグに動かしますが、例外部分がほとんどの曲で入っていると思うので気を付けてください。

ちなみに、一度覚えてしまえば、弓の動かし方の法則はさほど難しいものではありません。

少しまわりくどく難解になっているかもしれませんが、以前に星野が作った弓の動かし方の練習曲(全7曲)
を以下にUPしておきました。最後の6・7番は多少高度なものになっているので
難しければ最初は基本は5番まででも大丈夫です。

弓の動き(ボウイング)について

こちらは本来初見(その日初めて見たものをその場で1回で正しく弾く)練習のものを想定して書いたものですが、
現時点ではそれで弾けなくても構いません(演奏しなくても構いません)

楽譜は参考程度のものとして、楽譜の下にある文をただの読み物として、弓の使い方に関する項目が
1つずつ解説ありますので、お時間があれば読んでみてください

但:TINSでは上級レベルクラスの中のさらに上位の子たちは、実際にこちらを初見演奏で弾く練習を現在しています。
同い年くらいの子で、これらを何も教えられず曲も知らずにいきなり楽譜を提示しただけで
弓方向も守りながら弾けるレベルの子も居る事は意識しておくといいでしょう。

また、オーケストラなどでは、この弓方向が突然変わったりします
@指揮者が自分はこの曲のそのフレーズはもっとなめらかに弾いて欲しいなどの要望が入った時、
では。。このような感じで弾いて欲しいのであれば、この弓の動きに変えた方がいいですね。。
とコンサートマスターなどが判断し、変更する為です。

ひどい時は本番当日に弓使いが変わったりします。プロだけの話でなく、アマチュアオーケストラでも結構あるようです。
結果、基本的に弓の動きは当日に変えられたとしても、将来的にはその場で正しく動かせるようにならないと
オーケストラ部などに入るのは難しいという事です。

最終目標としては上記レベルのものを目指していかないといけませんので、将来的にも
何かしら続けさせたい・続けたいと思っているのであれば、意識はしておきましょう。


追記 : 正直、音や音程、リズムを間違えないで弾いてくれる方が音楽的にはいいのですが。。
特にさほど音楽に詳しくない聴衆には、オーケストラなどで20人くらいで同じものを弾いていて、だれか1音だけ
違うものを弾いてしまった。。などの場合、誰が違う音を弾いたのか。。などはかなり耳のいい人でないと
正直なかなか分からないと思います。が、弓の動きは視覚情報で入ってくるので、ヴァイオリンを知らない人が見ても
1人だけみんなと違う動きをしている。。などすると、たとえ音やリズムはあっていても、明らかにあの人、間違ってない??
となりがちです(素人目にもボウイング方向を間違えるとわかりやすい)

という事で、もちろん音やリズムを間違わない事も大切なのですが、ステージ本番などの時、あれ?あの人何か
間違ってる。。と恥ずかしい事態にならないよう、弓も正しくみんなと同じ方向に動かす。。
という事も重要視するようにしておきましょう。。






TOPページへ