11月27日 (木) | 中学時代の 卒業レポート返却 |
卒業レポートについて(京都新聞掲載の記事より) 卒業レポートは、暗記偏重の詰め込み教育に流れがちなのを打破、「心を揺さぶる教育」を模索する中で、昭和 47年度より実施され、今に至っている。 中学3年間の学習の総まとめとして、 ・研究調査活動の中でまとめることの苦しさと完成の喜びを経験させる。 ・自分の個性、適性、可能性を知り、伸ばす。 なども、ねらいとしている。 まず2年生の3学期末、学校から執筆要項とテーマの参考例が配られる。生徒は春休みに考えたテーマを提出、 教科・クラブ活動に関係ないテーマの時は担任教師が指導する。 5月下旬にテーマ名、研究予定内容などを書いた登録カードを出し、6月中旬には各生徒の指導担当教師が決ま る。高校3年生の担任を除く中高の全教師が3〜5人を受け持つ。9月下旬に中間報告を提出、10月中旬にはテ ーマの似たもの同士、グループで中間発表会に望む。11月下旬にはレポートの下書きを出し、教師が文章、内容 の指導・添削をする。そして冬休み中に清書して提出、教師が文章で評価を記入する。レポートは卒業式の会場で 父母に自由閲覧されるほか、要約が毎年、冊子にまとめられる。 同中学の話では、3分の2以上の生徒はレポートに取り組んで意義があったと答えており、否定したのは1割前 後。執筆要項では「400字詰め原稿用紙20枚程度」となっているが、平均すると40枚程度で100枚以上に のぼる生徒も毎年数人はいる。「自分でもこんなにできるとは思わなかった」「有益な知識が得られた」などの感 想を持つ生徒が目立ち、これが引き金となって文章を書くことを嫌がらなくなる生徒も多い、とか。レポートの出 来と日常の成績は必ずしも一致せず、生徒の意外な側面も見つけられる。レポートでチョウを取り上げたのが契機 となって大学も琉球大に進み、沖縄のチョウの研究者になったケースもある。 もっとも、内容の出来には個人差があり、観光パンフレットをまとめた程度で済ませてしまう生徒もいる。「テ ーマを決める段階でかなり指導しないと安易に流れてしまいがち」という。また中学生でも読みこなせる参考書が 分野によっては少ないのも悩みで、取り組みやすい社会、理科のテーマを選ぶ生徒が圧倒的に多いそうだ。