混沌
2000
Tahiro


診察室は楽園で 白黒ピエロが唄うのさ
受け取る耳は いつしか言葉にならない悦びを

この世の生物じゃないんだろ 翼の折れた天使とか
はぐれた悪魔の落とし子とか それによく似たもんだろ

大人になった御祝いに 銀の手錠を贈られて
痺れの切れたカラクリで作られた舞台へ昇っていく


あの娘は この世に生きる小さな詩人なんです
明日に名前を刻む 鋭利な唄い女なんです



太陽に咲く花のように 裸までも脱ぎ捨てて
枯れ果てた涙 いつしか呼び戻す香りを放つのさ

禁断の果実ジュースを 一気で飲み干せちゃうのだろ
聚洛では それだけで みんなが教祖というのだろ

魂削って唱っても 耳ふさがれちゃ伝わらない
頬をつたう煙は 紫の街を包み込む


あの娘は この世の果てを背負った詩人なんです
明日に名前を刻む 鋭利な唄い女なんです









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